おとなもこどもも、おねーさんも。
「MOTHER2 ギーグの逆襲」とは任天堂と糸井重里氏が贈る愛とユーモアに溢れたRPG、の2作目である。
お話は別物であるものの、「MOTHER1」のリメイク的な面もあり、雰囲気や世界観を継承しつつ大幅にパワーアップさせた作品となっている。1から続けて遊ぶとその進化っぷりを存分に味わえるね。
世界のシームレス感、体感での広大さでは1に譲るけど、とにかくネタの密度が凄まじくて、面白いテキストが世界中に散りばめられている。
ゲームバランスとしてはやや大味なものの、終盤のバランス調整をほぼ放棄していた前作と比べるとかなり遊びやすくなってる。
前作も先日クリアして感想も書いてるのでよかったらそっちもどうぞ。
最初に決めるのは主人公、女の子、そして二人のお友達の名前。さらにはペットの名前に好きな献立、カッコイイと思うものまで入力。OKデスカ?
僕はいくらが好きなので世界観ガン無視でいくら丼にします!!イーグルランドやぞ!
カッコイイと思うものは主人公の必殺技名として反映される。PK空ダ横B喰らえ!
舞台は199X年の地球。イーグルランドの田舎町オネットの外れに隕石が落下するところから物語は始まる。主人公である少年はお隣さんの「ポーキー」と共に、行方不明になったポーキーの弟「ピッキー」を探しに出る。
隕石の近くで無事ピッキーを発見した主人公らだったが、そのとき隕石から未来人を名乗るカブトムシみたいな謎の虫「ブンブーン」が現れる。10年後の地球は悪の宇宙人ギーグに侵略を受けること、またそれを阻止できるのは主人公を含む3人の少年と1人の少女だけであることをブンブーンから伝えられた主人公らは、早速ギーグの手先「スターマンのむすこ」の襲撃を受けるもこれを撃退する。
しかしその矢先、ブンブーンはポーキー母に叩き落とされ致命傷を負う。ポーキー母強くね?
残る3人の仲間を集め8つのパワースポットを巡るべしというブンブーンの遺言に従い、少年は旅に出るのだった…。
8つの「おまえのばしょ」を巡るのだ。
あれだーーー!
戦闘システムはオーソドックスなRPGであるが、主人公らはサイキック能力「PSI」を扱えるのが大きな特徴。剣と魔法でなくバットとPSIで戦うのだ。
また独特な仕様としてHPがドラムロール式であることが挙げられる。これでどうなるのかというと、致命傷を負ってから実際に死ぬまでに、ドラムが回りきるまでの猶予時間が発生する。つまりそれまでに回復するなり敵を倒しきるなりすれば死なずに済むというシステムである。これにより初見殺しの特大ダメージに対応する、爆発する敵を最後に倒してダメージを最小限にするなどの戦略性が生まれ、RPGとしての駆け引きがさらに面白くなっている。
この仕様のせいで難易度的にぬるくなっているというのも否めないんだけど、プレイヤーにできることをより増やすかたちで調整した結果だから、悪いこととは思わんかな。
強敵にもきっと弱点はある!使えるものはなんでも使っていこう。
タコけしマシンがマル・デ・タコに効かないのは納得いかん!
あとゲームバランス的な話で言うと「ペンシルロケット20」がチート。使用者である「ジェフ」は天才的な頭脳を誇るかわりにPSIが使えずフィジカルもそんなに強くないキャラなんだけど、これの存在だけで強キャラと化してる。中盤以降に売られる高額な消耗品ではあるけどこれ使うと桁の違うダメージを叩き出してだいたいの敵が消し飛ぶ。ゲームバランスはぶっ壊れるけどボス戦で使うとかなり爽快だ。
1で同じようなポジションだった「ロイド」は普通に弱かったのを考えると大躍進と言える。やっぱりゲームはこれくらいパンチ効いてないとね!
冒険が始まったら、まずは図書館で町の地図を借りよう。このゲームの地図はなんだかワクワクしますね!武器屋はドラッグストア、宿屋はホテル、教会は病院などなど、システムを現代的な世界観に上手く馴染ませてるね。食べ物屋が複数種類あるのも面白いなぁ。
長い旅の中で主人公が「ホームシック」状態になることも「ママ」に電話することで克服しよう。
道中では天才写真家に写真を撮ってもらう場面も。旅の思い出を増やしていくのだ。でもキノコ状態が反映されないのは納得いかないぞ!
はい ▶いいえ
ですよねー!
あらゆるところに小ネタが詰まってて、道を歩いてるだけで楽しいゲームだ。僕のお気に入りはこの「アルプスの少女イイエジ」ね。
冒険の舞台もバリエーションに富んでいる。
キャラクターがめちゃくちゃちっこくなって広さを演出している「地底大陸」。
主人公のこころの世界、「マジカント」。
「はい」が「いいえ」で「いいえ」が「はい」の狂気の世界「ムーンサイド」…。
世界はどこまでも奇妙で楽しく、冒険心をくすぐってくれる。
ムーンサイドへようこそ。
僕の好きなキャラはやっぱり「どせいさん」。サターンバレーに住む不思議なひとで、たくさんいるけど名前はなくて、みんな「どせいさん」。どせいさんフォントとかいう奇妙な文字で会話するのが特徴だ。ぐんまけん!
「ポーキー」もかなり好きなキャラ。嫌なヤツ!なんだけど、いろんな場所を転々としながら結局自分の場所を見つけられなかったという哀れさを感じさせる。たくさんの人に出会った冒険の果てに自分の居場所、家に帰る主人公とは対照的な存在だよなぁ。
辛いときも、きっとちょっぴりのユーモアが助けてくれるはずだ。
GBAの1+2ぶり、久々に堪能した!いつ遊んでも心に沁みるゲームだ。
終盤はペンシルロケット20先輩に頼りきりだったなぁ。RPGとしては大味ではあるけど、世界を巡る楽しさと成長の喜びとがしっかり体感できる良い作品だ。
愛とユーモアを感じられるRPG。おすすめですよ!
無料(Nintendo Switch Online加入の必要あり)、プレイ時間約22時間
プレイした日2022/02/17~2022/03/14