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遊んだゲームの感想なんかを書き残していこうかと思っています

「LITTLE NIGHTMARES-リトルナイトメア-」シリーズ紹介

知恵と勇気で、この悪夢を抜け出せ

 

「LITTLE NIGHTMARES-リトルナイトメア-」とは、スウェーデンのゲーム開発会社「Tarsier Studios」が制作したホラーアクションアドベンチャーゲームシリーズである。バンダイナムコが販売を担当。

今回はシリーズの「1」と「2」を紹介していこうかと思う。僕が遊んだのはSwitch版ね。スマホ版の「ベリーリトルナイトメア」は未プレイ。

 

ダークバンダイナムコ

 

まずは「1」の紹介から。

舞台となるのは謎の巨大船舶「胃袋(モウ)」。モウに囚われた少女「シックス」が主人公である。黄色いレインコートがトレードマーク。

シックスちゃんが広大なモウからの脱出を目指すお話だね。

特徴的で圧巻なのがやはりスケール感。「小さな子供から見た世界」が大胆に誇張的に表現されていて、あらゆるものがアホみたいにでかい。それがなんというか主人公の「世界の異物」感というのか、世界が到底存在を受け入れてはくれないという感覚が確かにあって、かなりぞくぞくさせてくれる。

小さな子供の視点から見る世界はどうしようもなく残酷で、孤独で、無力で、飢えが支配していて…。でも仕掛けを動かすシーンなんかはどことなく子供の悪戯めいている。危険な世界をずんずん進んでいく様は何か探検ごっこのようにも見える。残酷さの中に、どこか楽しさが光っている作品に思える。

 

ゲーム性としてはわかりやすい面クリア型のアクションアドベンチャーになっている。特徴的なのは「掴む/離す」のアクションで、これを利用してドアノブを掴んで扉を開けたり、積み上がった巨大な本の山を登っていったりと、まあいろいろできる。

謎を解くような場面もあるけど、複雑なフラグやアイテムの管理などはなく、そこにあるものだけで必ず解けるようになっている。

モウの中にはシックスの脅威となるものが多数存在しており、代表的なのは盲目で腕の長い「管理人」と、二人いてシックスを捕まえると調理しようとしてくる「双子のシェフ」。こいつらはシックスを発見次第こちらを上回るスピードで追いかけてくるので、見つからないように隠れたり、うまいこと撒いたりする必要がある。

主人公は無力な子供であるため、襲い来る脅威に対する攻撃手段なんてものはなくて基本的には逃げの一手になる。…なんだけど、シックスちゃんの身体能力が案外高いのでやってる内に「こいつなら逃げきれるやろ!」みたいな謎の信頼が生まれる。ホラーゲームの常なんだけど、ゲーム的にはプレイし始めが恐怖のピークかもしれないね…!

ただ、シックスの「飢え」の描写が序盤から徹底されており、どこまでも鮮烈でじわじわ怖い。シックスの存在が、「飢え」が、ある意味このゲームで一番怖いかも。

とまあアクションとしてもホラーとしても非常に面白い作品なんだけど、ボリューム的には5時間くらいでサクッと遊べたかな。(収集要素を含めるともっとかかりそうだけど今回はパス!)ラストの展開は壮絶で爽快。大きなカタルシスを得られた。カタストロフィってかんじ!

面白いゲームなんだけどただ一つ気がかりなのが死亡時のロードの長さ(Switch版特有らしい)。結構な回数死ぬゲームなのでこのテンポロスは痛いなぁ。気になる人は別のプラットフォームで買ったほうがいいかもしれないね。ちなみに「2」では改善されてる。

 

歪んだ絶望の世界を遊ぼう

じゃあ「2」の紹介もしていこうか!

「1」の前日譚にあたる作品で、主人公の少年「モノ」と少女「シックス」の出会いが描かれる。このボーイ・ミーツ・ガールが濃厚で残酷で鮮烈で劇薬的で最高なんですよ…!ここだけでもかなり推せる。

二人の間に交わされる言葉はなく、でも「間」が何よりも雄弁で、その表現が見事としか言いようがない。友情か慕情か、それすらもわからないけれど、互いの存在が確実に特別の存在になっていったことは確かで、だからこそ、その顛末を思うと胸が苦しくなっていく。

 

ゲーム性としては前作とそんなに変わらないけど、やっぱり特徴的なのは仲間のシックスと行動を共にできること。協力して謎を解いたり、救出ミッションが始まったり、一緒に逃げたりする場面が違和感なく展開されるのが良かった。前作の一人旅も好きなんだけど、やっぱり仲間がいると否が応でも感情移入させられてしまう。

 

「船の外の世界」が描写されてしまったされたのも良かった。外の世界にも彼らの生存を許してくれる場所なんて存在しなかった。美しく、しかしどこまでも残酷で空虚な世界が広がっているだけだった。船の外にも希望なんてなかったんだ。世界の「広さ」を寧ろ退廃や排他性の表現として効果的に使用する手腕が凄まじいね。

 

視覚的にもかなり効果的にショックを与えてくる作品である。この点も前作からパワーアップしてる印象。ゴアな表現を用いずにここまで怖くできるんだなぁという感動があるね。グロいのが苦手な人にも安心なシリーズです(比較的)。

 

ボリューム的には前作とそんなに変わらず5時間程度。しかしその中に前作以上の恐怖と絶望と、そして残酷で濃密なボーイミーツガールが詰め込まれた傑作である。個人的には「1」より好きだしおすすめだけど、「1」があっての「2」かなって感じもする…!「1」のカタルシスがあるから「2」のビターさが光るんだ。

「1」と「2」がセットになったお得なバンドルも出てるからそれ買うのがおすすめかな!

 

ホラーアクションアドベンチャーの傑作シリーズ!暗く重く、しかし鋭く心を抉ってくる!

大事なことなのでもう一回書きますが「1」と「2」がセットになったお得なバンドルが出てるので現在はそれ買うのが一番おすすめだ!

こわいゲームに抵抗がなければ、是非!

 

3520円、プレイ時間約5時間

2018/06/07~2018/06/30

store-jp.nintendo.com

 

3960円、プレイ時間約5時間

プレイした日2021/02/20~2021/02/22

store-jp.nintendo.com