十九時十分をお知らせいたします

遊んだゲームの感想なんかを書き残していこうかと思っています

「ロジカル真王(シンキング)」紹介

『ロジカル真王』がNintendo Switch™で登場!!
究極の頭脳戦 × 心理戦を楽しもう!!

 

イッツ・ア・ブリーズ。

(たいしたことないね)

「ロジカル真王(シンキング)」とは、論理的思考力・知略・心理戦、全てを駆使して戦う最高のゲームである。真王と書いてシンキングと読ませるセンスすこ

元はアナログの2人対戦カードゲームで、今回はそのデジタル化作品ね。

紙版も持ってるけど、比べた感じ、効果発動を忘れるとか隠しカードを倒しちゃうとかの事故がないからめちゃくちゃ遊びやすいね!デジタル化の恩恵を最大限に受けてると言える。

ただし紙版は面と向かっての相手の表情や手癖で読む面白さがあり、紙版には紙版の魅力がある!どっちも面白いのでお好みで気になるほうを遊ぼう。

メディアミックス的に週コロでも連載されているのでこちらにも注目。今後に期待大である。面白いしルールもわかりやすいので、よかったら読んでみてね。↓

ちなみに冒頭の「イッツ・ア・ブリーズ」は主人公の決め台詞であり煽り文句である。ひでえ奴だな!

 

www.corocoro.jp

 

このカードゲームは1VS1の限界ガチンコタイマンバトルだ!知力を尽くし、己のプライドを賭けて戦い、一瞬の選択が運命を分ける!めっちゃ頭が疲れるので糖分補給しておこう。

このゲーム、簡単に言えば「相手の隠しカードの数字を全部当てたら勝ち」!数字の当てっこゲームだね。

使用するのは0~9までの数字が書かれた10枚のカード。これが1セットずつ、両プレイヤーに公平に与えられる。このうち2枚を隠しカードとして左右に配置し、残りの8枚を手札とする。

最初にやるのは先攻後攻を決める運命のコイントス。乱数で決まるのはここだけなので、こればっかりはロジック神に祈るしかない。

自分の番になったプレイヤーは、「1.手札のカードを1枚使用して効果を発動」し、「2.相手の隠しカードを1枚選択し攻撃」する。

「攻撃」というのは、カードのナンバーを当てることだ。例えば「8!」って宣言して隠しカードがほんとに「8のカード」だったら攻撃成功(ロジカル!)。その「8」は相手の手札に戻るぞ。攻撃失敗(ノーロジカル!)なら、それはそれで「8じゃない」ということがわかるので貴重な情報だ。ちなみに攻撃されたら嘘はつけないので安心してほしい。

そうして手番を交互に繰り返して、相手の隠しカードを当てて先に0枚にしたほうの勝ち!なんてシンプルなゲームなんだ!

ちなみに、「1.手札のカードを1枚使用して効果を発動」が実行できない、つまり手札が0枚の状態で自分のターンが来た場合は強制敗北になるので覚えておこう。

 

そんなシンプルなルールで、誰でも簡単に楽しめる本作。しかしこのゲームの奥深さはカード使用時に発動する「特殊効果」にこそある。カードを使いこなした者こそが勝利を掴むのだ!

「なぜそのカードを使ったか」、あるいは「なぜあのカードを使わなかった(使えなかった?)のか」、このゲームの読み合いは「特殊効果」を前提として成り立っていると言って良いだろう。

ということで、このゲームで使う10枚のカードをさらっと紹介していこう。お気に入りのカードや戦法が見つけられたら幸いである。

 

「0.守護の盾」。効果は「相手は次ターン攻撃できない」!

これを使われると、単純に相手は1ターン攻撃の権利を失う。「次のターンが確実に回ってくる」という行動保証はありがたく、手札にあるだけで安心感が違う。

まさに「守護の盾」の名に相応しいお守りカードと言えるだろう。

「守護の盾」に「守護の盾」で対抗されるのはお約束。

次死ぬかもしれない場面で相手が、「守護の盾」を使ってこない、ということは隠しカードなのか…?あるいは、そう読むことを見越してあえて手札に保持しているのか…?という読み合いを、使わなくても発生させることができる、ある意味このゲームのセオリーに忠実なカードと言える。存在することが価値なのだ!

 

「1.破壊の剣」。効果は「相手の手札を1枚破壊する」!

みんな大好き手札破壊効果である。このゲームにおいて「手札の枚数=隠しカードの可能性の広さ」である。それを削ることは、勝利に一手近づくことと同義である。

まさに「破壊の剣」の名に相応しい攻めのカードと言えるだろう。相手の作戦のキーカードを潰し、計画を狂わせることができたなら、その恩恵はさらに大きい。

ちなみに、手札残り1枚の相手にこれを使うと、手札0枚状態の相手にターンを回せるので、ライブラリアウト勝利が確定する。その際は、相手の手札を増やさないために「攻撃をわざと外す」ことも立派な作戦である。

 

「2.連撃の銃砲」。効果は「このターンは2回攻撃できる」!

理論上、このカードで左右2枚の隠しカードを一度に当ててしまえば、どこからでも勝利可能。最悪1ターン目に即死攻撃を放つことも可能…かもしれないというロマンカードである。

しかし、このカードの本質はそこではない。手が進み、相手カードの特定が十分に完了し、相手の隠しカードの中身を確信できたとき…「連撃の銃砲」は効果を最大限に発揮する。「2択」ならローラー作戦で確実に始末することができるのでより良い。

「博打カード」ではない。「確実に当てる」ためのカードなのだ。ロジックを突き詰めた者が勝つ、このゲームの魅力を凝縮したようなカードであると言える。

 

「3.循環の首飾り」。効果は「場のカードを1枚手札に戻す」!

自分の場のカード、つまり自分の既に使用したカード群から、一枚選んで手札に戻せるテクニカルなカード。このカードの使用にターンを使うぶんやや手が遅い弱点はあるが、強力な効果のカードを回収し、再使用できる効果は強力。「1.破壊の剣」で破壊されたカードも回収できるので、不測の事態にも対応できる。

「使用しても手札が減らない」という特性も非常に強力。「循環の首飾りで循環の首飾りを回収」を繰り返すことで相手に情報を与えない作戦や、「1.破壊の剣」によるライブラリアウト戦術に対する対策としても機能する。じわじわ効いてくる防御的な一枚といえる。

 

「4.真実の杖」。効果は「隠しカードが4以下か分かる」!

情報アドバンテージを得るカード。指定した隠しカード1枚が、「01234」と「56789」どちらに属するか判定することができる。

このゲームにおいて「可能性」とは即ち「防御力」であり、「手札を使うこと」は「隠しカードの隠れ蓑を一つ失うこと」である。相手の防御を削ぐ基本的な運用は勿論のこと、可能性を削れば削るほど相手は手札の自由が効かなくなってくる。

例えばこのカードの効果で「0か4の二択」となった場合、相手は0か4を使用した時点で隠しカードを確定させてしまうために、おいそれとは撃てなくなるだろう。「実力行使」と「脅し」の二面性を持つカードと言える。

 

「5.比較の指輪」。効果は「左右の隠しカードの大小がわかる」!

こちらも情報アドバンテージを得るカード。ただし「左右を比べる」という特性上、相手の隠しが2枚ある状態でしか効果を発揮できない。序盤にこそ力を発揮するカードと言える。

「左右の大小がわかるだけ?」と思うかもしれないが、その実得られる情報はかなり多い。仮に、初手に使っただけでも「大きいほうは0でないことが確定」「小さいほうは9でないことが確定」する。

しかも、例えば小さいほうに0で攻撃宣言してハズレだった場合、「小さいほうは1以上」という情報に加えて「大きいほうは当然2以上」という情報も得られる。つまり、使っただけで倍のペースで特定作業を進められる上に、この情報が終盤にまでずるずる尾を引くことになる。

「初手5」はこのゲームにおける一つのセオリーだが、あえて温めておき相手が「7.交換の外套」や「9.復活の玉座」で情報をリセットしてくる瞬間を狙うのも手である。

また、なまじ序盤で強いが故に、相手が使ってこない場合「隠しカードか?」「それとも手札で腐らせたか?」という読み合いが発生しこれもかなり熱い。

 

「6.予知の冠」。効果は「相手の手札を2枚公開する」!

ピーピング効果を持つカード。「手札2枚」の情報アドバンテージはいつ得てもおいしいが、手札が減り「2枚の価値」が相対的に上がってくる終盤でこそ真価を発揮する。

極端な話、相手の残り手札が2枚なら「予知の冠」を使うだけで相手の隠しカードが確定してしまう。

仮に残り隠しカード2枚の場合、左右でどっちがどっちかはまだ確定しないが、終盤ならだいぶ情報も集まってるだろうし、外したら外したでその情報も確定してしまうので、次のターン「2.連撃の銃砲」で仕留めることだってできる。

このカードの一撃圏内に入るかどうか、はバトルの分水嶺になり得るだろう。

 

「7.交換の外套」。効果は「隠しカードを手札と交換する」!

情報リセットを行う防御的な一枚。ちなみに、使用した場合手札と隠しカードの交換は必ず行わなければならない。

「4.真実の杖」「5.比較の指輪」によって絞り込みが進んでいる隠しカードを、このカードでリセットできるとおいしい。また、「手札に戻させないために、確定している隠しカードをあえて攻撃指定しない」という作戦に対する明確なリスクにもなっている。

単純に、「使いたいけど隠しカードになってるせいで使えないカード」を手札に戻す用途にも使える。情報リセットのついでにできるとなお良い。

 

「8.回避の鎧」。効果は「次の相手カード効果を無くす」!

効果無効効果である。相手はカードを出しても効果を発揮できないが、「カードを出す義務」はちゃっかり発生するので、実質「手札を捨てさせる」効果でもあると言えるかもしれない。

ちなみに、回避の鎧を使われた後に回避の鎧を使うと、回避の鎧(先)の効果により回避の鎧(後)の効果が発動しない。つまり無効で無効が無効になる。なんのこっちゃ。

「0.守護の盾」による行動保証、「2.連撃の銃砲」によるワンチャン、「9.復活の玉座」による回復等、状況不利を打開するための行動を軒並み無効化することができる強力な効果。性質上、「自分隠し2-相手隠し1」の有利状況を勝ちに持ってくのが得意で、「自分の生存が確定」&「1回攻撃できる」&「相手は1枚カードを捨てさせられる」というガン有利状態からまた自分のターンを始められる。

友達をなくすこと以外デメリットがない強カードである。

 

「9.復活の玉座」。効果は「場にない数字を隠しカードにできる」!

「場にない数字」とは、「自分も相手も捨ててないカード」のことである。自分の捨てたカードは当然手札に存在しないので、実質相手の捨てたカードだけ気にすれば良い。

実質的な「第三のライフ」。強いとか弱いとかじゃなくてもはやシステム。このカード+新しく隠しにするカードを使うので手札が2枚減るのが難点だが、ライフが増えるのは単純に強いし、寿命が延びれば相手を殴れる回数も増える!

難点としては、カードが大方出尽くした終盤では腐ること。往々にして発生する「序盤でたまたま当たっちゃった」に対する保険、バランサー的存在と言える。ナイス調整だ。

強力故にこのカードを隠しにするのはややリスキー。「9」指定で手札に戻ってくるならまだ良いが、もう一つを狙われて「9」だけポツンと隠しになると最悪。「9」が使えない上に、「使ってこないということは…?」という重大な情報を相手に与えてしまう。「7.交換の外套」なりで回収するのも手。

逆に、「9隠し」はそういうリスキーな択であるが故に裏択として機能するという面もある。同じ相手と連戦すれば「癖読み」されるのが勝負の常。可能性を広く持ち、択を散らせるプレイヤーがやはり強い。

 

ちなみにこれら10種のカードは、漫画版のキャラクターバージョンに切り替えることも可能!(何回か遊んでると徐々に解放)

オリジナルバージョンも美麗でいいんだけど、たまには雰囲気変えて遊びたいよね。ちなみに僕が好きなキャラクターはマッシュルーム野郎です。

 

総じて「情報の価値」が非常に高いゲームであり、基本的に手札が多ければ多いほど有利。それ故互いにカードを吐きあった終盤は、必然的に壮絶なインファイトになる。一手の差で勝敗が決する、ひりつくようなギリギリのバトルを毎回楽しめるのだ。頭痛くなってくる。まじで。

論理的思考能力は勿論なんだけど、「左に何番と何番を指定した」「右は何番と何番」「手札には何番と何番が確定」とかいった情報を覚えておく記憶力も重要で、結構脳のリソースを割く。慣れないうちは特に大変だ。まじで。なので初心者VS熟練者なら初心者側のみメモ可とかで丁度良いハンデにできそうですね。

まあ、そうやって何度も何度も戦って考察が深まるにつれて、このゲーム、単純な「当てっこ」ではなくなってくる。

「相手が隠しカードにしているカード」=「使えない」なので、「隠しカードにしていてほしいナンバーは攻撃指定しない」

「相手が指定してきたナンバーから優先的に使用して分母を減らさない」

片方の隠しカードだけを狙っていると「7.交換の外套」でリセットされるので、「左右に攻撃を分散する」

左右に同じ数字でローラーするとそのナンバーは手札確定、発動してもフリーな手札を与えてしまうので、「左右で指定する数字を散らす」

とかいったセオリーがだんだん見えてくる。でもそのセオリーは絶対じゃない。人間が相手で、読み合いのゲームである以上、表の択だけだと必ず裏をかかれる。ロジックは、元を辿れば損をしたくないという感情、人間の心理だ。「人間の心理」には、必ず「キズ」がある。そしてそれは、いつか必ず読まれる。そういうゲームである。

ロジックだけでは直感の瞬間最大風速に勝てない。直感だけではロジックによる確実な追い込みから逃れられない。外したら負けの極限状態で自分は何を信じるのか。「確率的な正解」か?「相手が心理的に選びそうな択」か?あるいは「直感」を信じるか?正解はある。でも、そこに至るまでの途中式は全くの自由なのである。

 

シンプル故に凄まじい緊張感を味わえる本作。心臓バクバクするわ頭パンクしそうだわでどっと疲れる!BGMが状況に合わせて変化する演出もこの緊張に拍車をかける。

攻撃時に光弾をぶつける演出もまじで緊迫感あって「当たってくれぇぇ…」ってなるし、自分が攻撃されてるときの相手のダイヤルが視認できるのも怖すぎて「外してくれぇぇ…」ってなる。まじで心臓がもたない。

「連戦」が超楽しくて飽きないのも良い。「前回の試合での相手の行動」が推理の材料になるし、逆に自分の行動も相手に見られてる。癖読みしあう感じが面白いし、「読み合い」に常に次の段階があって永遠に続く。(故にめっちゃ疲れる)

新しい相手とやると、それはそれで新鮮な感覚を得られてエキサイトできるし、そんな相手とも連戦してると徐々にドロドロした読み合いに発展していく。

やってると、ほんとに純粋な「勝ちたい!!」っていう気持ちが湧いてくる。そしてその「熱」は、きっと相手とも共有している。負けたら悔しくてまたやりたくなる。闘争という人間の本能の、源流にすごく近いところに存在しているゲームのように思う。

 

長くなりましたが、「ロジカル真王」、超おもろいのでおすすめです。

追加コンテンツも配信予定!…っぽい!今後にも期待したいですね!

 

1540円、プレイ時間約5時間

プレイした日2022/12/15~2022/12/31

store-jp.nintendo.com

有料DLC!「SCOUT」紹介

ひきぬけ!最高のショーのために。

 

やっぱり同業者は潰すに限るぜ!

2022年12月1日、「レッツプレイ!オインクゲームズ」冬のアップデートにて、初の有料DLCとして第八のゲーム「SCOUT」が追加された!650円!

ドイツ年間ゲーム大賞にもノミネートされた作品が鳴り物入りでの参戦である。2021年発売のゲームなので、収録作品の中でもかなり新しい作品ですね。

有料DLCの告知は前々からされてたんだけど、価格は公開されてなかったのでどんなもんかと思っていたら、えらい良心的な価格設定で安心しましたね。今の8作で大満足なんだけど、これからもこんな感じで少しずつゲームが増えてくと嬉しいな!!

この作品は大まかに言えば「大富豪を捻った感じ」のゲーム!みんなで手札を出してくシンプルな遊びなのに、この捻りが絶妙で、一筋縄ではいかないここだけの駆け引きが味わえる。

 

本編の紹介はこちら↓からどうぞ!

無料追加アップデートされた作品はオインクゲームズのタグから辿れるよ!

 

gogo7ji.hateblo.jp

 

ルールはシンプル!一番稼いだ人の勝ちだ。

プレイヤーはサーカス団の団長となり、ライバルサーカス団とショー合戦をしたり人材の引き抜き合戦をしたりしてお金を稼ぐのだ!相手のショーを潰せ!人材を奪え!

オインクゲームズ、「藪の中」といい同業者と潰し合いをするゲーム多くない?!

 

この作品は45枚のカードを使って遊ぶ3~5人用ゲームだ。これを9枚ずつみんなに配って遊ぶ。

このカードは言わば「人間」。サーカス団員である。つまり自分の手札の数はサーカス団の人数だと思っておけばよい。

そしてこのカードには数字が刻まれている。これは「芸の強さ」だ。つまり1は芸が弱くて10は芸が強いのだ。たぶん1は小梅太夫くらいの強さだと思う。

あとこれも重要なんだけど、一つのカードには二つの数字がある。タロットカードの正位置と逆位置の意味が違うように、上と下で数字が違うのだ。つまり同じ人間でも、芸風が変わる場合があるんだね。小梅太夫ダウンタウンの浜田くらいの強さになる場合もあるのだ。

つまり1~10の全ての組み合わせがカードになってるので、(n^2-n)/2のnに10を代入して45枚ってことね。カード構成に被りがないということが計算上重要になってくる場面もあるので覚えておこう。

 

みんなに手札を配ったら、ショーの始まりだ!

基本は大富豪のように手札を全て吐いて「上がり」を目指す。

1つ注意しておきたいのが、「手札は並び替えができない」ということ。与えられた手札このままの並びで戦わねばならないのだ。「手札が強いか」だけじゃなく、「いい感じに並んでるか」も超重要。浜田と松本の間に小梅太夫が挟まってるとダウンタウンが出せなくなるわけね。

ただし、最初に手札が配られたタイミングに限り、「手札を全て丸々ひっくり返す」ことが可能。要は手札を全て逆位置の数字に変更することができる。TCGでいうマリガンの代わりだね。

 

自分のターンにプレイヤーが取れる行動は3種類。

「スカウト」「ショー」、それと「スカウト&ショー」だ。これらの内1つだけ選んで実行することができ、どれも選ばず何も実行しないというのは不可。スカウトとショーを同時に発動できる「スカウト&ショー」は必殺技みたいなもんで、1ラウンドにつき1回しか発動できない虎の子だから使いどきが重要だ。

「ショー」は上がるために必須の最重要コマンド。手札を場に出すことである。最悪1枚でも場に出すことは可能だが、「同じ数字組み」「階段組み」で出せると強い役になり、複数枚同時にカードを消化することができる。

大前提だが、場に出ているショーよりも役の強いショーしか場には出せない。役の強さとしては単純に数字の大きいほうが強く、また階段組みよりも同じ数字組みのほうが強く、そして枚数の多いほうが絶対的に強い。

お金を稼ぐのに重要なのは「相手のショーを潰す」こと。単に強いショーを出すだけでは儲けにならないのだ。場のショーをより強いショーで潰すと、場に出ているカードの枚数がそのまま自分のお金になる。相手が勝負に出てくるタイミングをキッチリ読んで力を蓄え、叩きのめす!これが気持ち良い!

 

ショーで勝つには強い役を揃えなきゃいけない。そんなときには「スカウト」が役立つ。スカウトを宣言すると、場に出ているカードを一枚、選んで拾うことができる。(ただし、並んでいるうちの右端か左端しか取れないという制約がある。)

スカウトでカードを得るとき、「手札のどの位置にでも」「正位置逆位置を選んで」カードを配置できるという強力な特性がある。手札の制約が多いこのゲームでこれは重要だ。ただし手札のどの位置に、何番のカードを入れたのか、目ざとい相手はしっかりきっちり覚えている。やはりこのゲームでも「情報」の価値はでかい。

デカイ役を作ってドヤ顔でドンと出す瞬間の快感は何物にも代えがたいものがある。スカウトで手をじっくり育てる浪漫あるプレイも一興だね。

「スカウトする」=「カードが一枚減って場のショーが弱体化する」なので、次の番の人のサポートという面もある。誰もショー出来ずに場が一周すると、最後にショーした人の上がりでラウンドが終わってしまう。利害が一致するならば、サポートに回ることもあるだろう。

ただしスカウトをすると、ショーの主催者にお捻りが入ってしまう。また、「ショー」ができないなら強制的に「スカウト」をさせられるという面もあるので、余計な人員がサーカスに加入してしまうことも。お前サーカス抜けろ。

「相手にスカウトさせる」こともプレイヤーの貴重な収入源であるわけだ。相手が潰せないほどのドデカイショーをぶち上げるととっても気持ちが良い!「潰してくるか?」「諦めてスカウトしてくるか?」この辺の読み合いも熱い。

 

「相手のショーを潰せるか」「潰せないか」、それが我らがサーカス団の命運を握っていることはお分かりいただけたかと思うが、そこで悩ましくなってくるのが最強のコマンド「スカウト&ショー」をいつ切るか問題である。我らの明日を分ける究極の選択である。

「スカウト&ショー」。その名の通り、スカウトしてからショーができるだけの単純明快なコマンドである。デメリットは「1ラウンドに1度しか使えないため、一回切ったらもう切れなくなる」これだけ。

しかしそのデメリット故に使いどころが難しい。「スカウト」だけでも、「ショー」だけでも勝てない、そんな瞬間が切りどきであると言える。

「スカウトで相手のショーを弱体化し自分の手札を強化する」そして「ショーをぶつけて相手を潰す」、この2つの行動を1ターンに実行できるのはあまりに強力で、試合への影響力は非常に大きい。故に「相手がスカウト&ショーを吐いたかどうか」は判断材料としてかなり重要であると言える。

…でも、冷静に考えてぶっこ抜いた人材を即登用してライバルの興行を潰すの、めちゃくちゃ外道ムーブのような…?

 

そんなこんなで手札を全て使い切った人は「上がり」。「自分のショーに誰も勝てなかったとき」も上がれるね。

上がったからといってお金が貰えるわけじゃない。でも、忘れてはいないだろうか。団員に払うお給料のことを。

誰かが上がった時点で、上がれなかった人の持っている手札は全て「負債」になる。雇っといてショーに出せなかったんだから当然だよな!具体的には手札1枚につき1失点。

なのでスカウトを利用した「溜めて溜めてドン!」を狙いすぎると失敗したときのダメージはよりでかくなる。かといって手札を上手く育てないと勝てる戦いも勝てなくなる…と、いった具合に、オインクゲームズお得意のジレンマを生むゲーム性を実現している。

公平に全員が親をやるフルラウンド制だと、このペナルティによって生まれる駆け引きをより濃く感じられるだろう。

「このラウンドはいつ終わるのか?」

「この手札で勝てるか?」

「もう少し粘って手を育てるべきか?」

「上がることを諦めて、手札を減らしたほうが良いのか?」

そういったプレイヤー達の思惑が重なり合って、予想もつかない展開を生み出す。人間という存在がこのゲームの最大のエッセンスですよ。

 

かなりカジュアルなゲーム性で、体感、運7:経験3くらいの印象。運は最初の手札もそうだけど、場の流れとかも含めてね!ツキが乗らないときは大抵とことんだめである。

でもだからこそ、良い手札のときはこれをどう爆発させてやろうかとか、悪い手札のときはこの局面をどう凌ぐかとか、ランダム性が強い故の駆け引きと中毒性がやっぱりあって、この手のゲームの醍醐味だね。

いつ仕掛けるのか。いつ仕掛けられるのか。タイミングが重要なゲーム性が「興行」という題材とがっちり噛み合ってるのも好きポイント。オインクはそういうとこほんと上手い。

良い芸も、時期を逃せば実らないことがある。華々しさの裏にはほろ苦い失敗の物語がある。成功する保証など決してない世界だ。それでも芸人たちは爪を研ぐ、牙を磨く!誰よりも輝くため、誰かの心を奪うため!

サーカス団は東へ西へ、今日もゆく!

 

追加コンテンツ「SCOUT」:650円

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ソフト本体:2500円、プレイ時間約90時間

プレイした日2021/12/17~2022/12/24

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「勇気の推理123」紹介

「勇気の推理 海苔」の元になった
初期の短編作品を3つ収録!

少年、勇気君が活躍する日常の謎
テーマとする異色短編ノベルゲームです。

(※公式による主張)

 

日常を疑え。

「勇気の推理123」とは、一部でカルト的人気を持つ推理ノベルゲーム「勇気の推理」初期三部作をまとめて一本にしたお得なソフトである。150円だよ。安いよ。

先に発売された「勇気の推理 海苔」のリメイク前にあたり、世界観や登場キャラクターを同じくするが展開はパラレル。連載漫画の読み切り版、あるいはアニメのパイロットフィルムとかいったものに近く、勇気の推理オリジンとでもいった風情だ。

三部作とは言うが、ボリューム的には全部読むのに一時間かかるかどうかってところだし、順番を選べるわけでもなく全部垂れ流しで1から3までノンストップで続く。感覚的には3つの小ストーリーをオムニバス風に楽しめる作品といった印象である。

 

「海苔」と共通するプロットとしては、「海苔の名産地「渡海街」で事件が発生し、天才少年探偵「勇気」がそれを解決する。」というもの。

…要約するとシンプルになってしまうね。そんな生易しいもんじゃないんだけどね。金田一少年を洗脳して一か月海苔だけ食わせて高橋邦子世界に解き放ったようなゲームなんだけどね。不思議だね。

「123」の特色としては、日常の謎をテーマとしていることが挙げられる。

日常の謎」とは本格推理小説におけるジャンルの一つであり、日常生活の中にあるふとした謎、そしてそれが解明される過程を扱った作品を指す。詳しくはウィキペディアを参照されたいが、「死」「殺人」「犯罪」が絡まずとも緻密で繊細なロジックでもって読者を惹きつけ続けなければならない、ある意味難しいジャンルであると言える。

 

ja.wikipedia.org

 

人間が日々を生きる中で取り零していく情報は、自分達が想像するよりも遥かに多い。「日常の謎」はそういった人々を取り巻く関係性や心理の「穴」、光の当たらない暗がりをフォーカスし、些細な気付きを得るとともに、心境の変化であるとか、過ぎ去っていく情景であるとか、忘れさられていく何かに思いを馳せることができる。光を照らすのは必ずしも正義の庭じゃなくたっていい。人間一人の心が晴れるだけだっていいじゃないかと。個人的にはそういうジャンルに思えるのだ。

 

まあ、人が死ぬところから始まるんだけどね。

 

渡海街は治安悪いからね。仕方ないね。

これが日常だよ。

 

何がやばいってね。アイコンからまずやばい。海苔だもん。ラッキーハプニングインパクトで負けてる時点でなんかやばい。普通「勇気」か「推理」っぽいアイコンにするでしょ。でも海苔だもん。

 

開始時点でもうやばい。どのボタン押しても全部同じ反応で実質1ボタン制。ページ送る以外の一切の行動はできないしセーブもロードもない。読みたいなら最初から読んでね!三部作だから1からだよ!というシステム。システムか?

途中選択肢が出るけど選びようがないので実質ないのと同じ。「選択肢がありますが」じゃないんだよそれは「ない」なんだよ日本語的には!

 

気軽ではあるな!確かにな!不正解でもやり直すだけだしな!

ある意味ADVのアタリマエを見直した一つの形なのかもしれない…。

 

ともあれこの作品はノベルゲーム!話が面白きゃいいんだよ!

ということで、123のストーリーを軽く紹介していこう。

 

「1」はまさに勇気の推理オリジンと呼べるストーリーで、後の「海苔」もこれをなぞったお話だと言えるかもしれない。

ごく普通の天才推理少年「勇気」はとある殺人事件に巻き込まれ、息つく間もなく爆弾の解体をさせられる。真相解明のため警察官であるヒロイン「茜」とタッグを組んだ勇気は、一連の事件の中に自分自身のルーツを見出す。勇気は因縁を断ち切るため、謎の存在「詐欺師」との闘いに身を投じていく…。といったストーリー。

「殺人事件」「爆弾処理」「詐欺師との闘い」など日常的なトピックがてんこ盛りなのが魅力ですね。これらのストーリーが爆速で進行してくのが本当に最高で、読んでるとだんだんハイになってくること請け合いである。

個人的には、ヒロインの茜さんが普通に魅力的なのがなんか腹立つね。身長180cmのフィジカル強い年上のお姉さんがグイグイ迫ってくるのめちゃくちゃえっちだと思います。フェチを感じる。

 

「2」は遊園地回!茜さんと遊園地でデートだ。羨ましい!しかし名探偵が遊園地、何も起きないはずがなく…。

見どころとしてはやっぱりヒーローショーかなぁ…。「自己防衛戦隊マモルンジャー」のショーは必見だ!自分の身は自分で守れという新時代のヒーローである。武器は護身用スタンガン。幼稚園で護身用スタンガンが流行ったらどうすんだよ。

そしてやはりというか茜さんがかわいい。年下の少年を遊園地に連れまわす大人のお姉さんですよ。好きでしょこんなの。こんな掃き溜めみたいな街で君と出会いたくはなかったよ。ただ世界観が狂ってるので、冷静に考えてボーボボでビュティが妙にかわいく見えてくるのと同じようなもんですよ。

「1」と比べるとあっさり終わっちゃう印象だけど、勇気の推理節は健在だし面白いから良しだ。

 

「3」はリゾート回!離島というクローズドサークルが舞台だが特に活用されることはないぞ!切り替えていけ!

なんとこの回では勇気のライバル的キャラである陽気が登場!服部みたいなポジションやね。「海苔」では唐突に登場してなんだこいつってなった陽気だけど、ちゃんとルーツがあったんだね!ルーツでも唐突に登場するんだね。なんだこいつ。

見どころはやっぱり勇気と陽気の推理対決かなぁ。基本的にどっちも同じくらい頭がおかしいのでどっちが勝つか全く読めない。あと、よくよく考えると別に推理してない。

これもやっぱり「1」と比べるとあっさりめ。「2」と「3」足したら「1」ってくらいのボリューム感だね。

 

「爆速テンポ」で「超展開」。鑢をかけてない木材みたいな荒さは感じさせつつも面白い短編ノベルの要所はきっちり抑えてる攻めのノベルだ。カイリキーのばくれつパンチみたいな存在。無粋なつのドリルをしてはいけない。

日常の謎じゃねーじゃん!というのは確かに、至極真っ当な突っ込みだ。でもちょっと考えてみてほしい。日常は人の数だけ存在するのだ。あの時、あの瞬間、確かに彼らは渡海街にいて、確かに日常は存在していたのだ。

このゲームは面白い。でも同時に僕は怖い。猛り狂う名のない土着の神に対する畏れのような感情を、僕はこの作品に対して確かに持っている。これが目覚めさせて良い神だったのかは、もはやわからない。一個の生命として、ある種のこの信仰を、心に住まわせて生きるだけのことなのかもしれない。

それこそが僕の日常で、そして解決不能の謎なのだ。

あ、参拝は150円でできるのでおすすめですよ。

 

150円、プレイ時間約1時間

プレイした日2022/11/17

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「一般人格付けチェック ー全国一斉教養雑学常識バラエティークイズー」紹介

アナタは一流?
教養クイズで格付けチェック!

 

あけましておめでとうございます!

東京通信の時間だぞ!

「一般人格付けチェック ー全国一斉教養雑学常識バラエティークイズー」とは、名前の通りである。お正月恒例の例の番組をパロった作品となっている。

 

例の番組のパロディなので、今回は2択ないし4択のクイズに挑む構成となっている。

とはいっても、UIはいつもの東京通信作品の使いまわしであるし、音とか出るわけでもないから視覚情報のみが頼りだ。「ウナギじゃないのはどれ?」じゃねえよウナギ食わせろ!

 

煌びやかな正解画面。

正解すれば次の問題へ進め、不正解ならもう一回。この時点で格付けの体を成してない気がするがまあ一旦良しとしよう。煌びやかだからね。

 

煌びやかでない正解画面。

 

問題の質はピンキリ。比較的ちゃんとした雑学クイズから、問題の形を成していないクソ問題、ただの四則演算、クソマナー講師の頭の中に正解があるクソマナー問題など様々で、玉石混交と言える。どちらかといえば石寄り。

 

そんなもんプライスレスだろ!ふざけてんのか!

 

安心のヒントシステムも搭載してるけど正直あんまり機能しているとは言い難い。ていうかヒント出したらだめだろ!

ヒントの質もピンキリで、何の役にも立たないテキトーなヒントから、そのものずばりの答えみたいなヒントまで様々。加減効かんのか?フィンクスの念能力かよ。

 

形が違うのはわかってるんだよ!違わなかったら問題にならないだろ!

 

耳が特徴的ですよじゃないんだよ!ゴッホ煽って何になるんだよ!

 

見りゃわかるんだよ!Dがウニだと思ってる人間いないだろ!舐めてんのか!

一周回ってGACKTにやらせてみたいですねこのゲーム。

 

問題数は120問ありまあまあ満足感はあるが、コンテンツとしてはそれだけでありひたすら淡々と進む。間違えても正解するまで進めないだけだし、そっくりさんとか映す価値なしとかそういう概念が存在するでもない。これでは正直格付けの名前負けではないかな…?

 

ということで実行しました。格付けを。

東京通信がやらないなら自分でやるしかねぇ!

Excelで作ったスコアボードをスプレッドシートにインポートして公開&共有すればみんなで格付けできるって寸法よ。ゲーム性がないなら自分で作ればいいんだよ!

 

ということで友人数名を集めて一般人格付けチェック会を開催!正直これはかなり盛り上がった!

問題数が120と多いので、格付け要素に加えて正解ポイントでも競えるシステムにした。格付けを維持しつつ正解を続ければ付与ポイントでがっつり稼げる!

途中参加者が出たりして参加問題数もまちまちであるので、その辺も加味した救済システムである。ずっと参加してる人は格付けがグズグズになるから、途中参加でも十分捲れるチャンスがあるってことね!

付与ポイントや不正解許容値などの係数はお好みで調整してみよう。実際やってみた感じでは10問不正解で格落ちくらいのバランスでちょうどだった。

あと、ヒント機能は丸々答えが書いてあることが多いので、全員が答えを決めてから確認すると良いだろう。

 

てことでクイズ大会としては非常に楽しめたんだけど、そういうお膳立てがなければゲーム性としては非常に薄いと言わざるを得ない。一人で遊ぶのは正直つらいだろうなぁ…。

でも、中にはちゃんとタメになる雑学もあったし、そういった話題を提供してくれるから会話が盛り上がる。ある意味、正しくパーティゲームしてると言えるだろう。ちゃんとしてない問題も多いけど、それはそれでツッコミ所として楽しめるしね。

てことで、うまいこと付き合っていけばまあまあ楽しめる作品と言えますね。僕は楽しかったよ。

 

では最後に…。

貞子さん!このゲームを買うのは正解ですか!

 

まあ一流怨霊の貞子さんが言うなら…。

 

980円、プレイ時間約5時間

プレイした日2022/12/17~2022/12/21

store-jp.nintendo.com

「ラッキーハプニング ーどきどき胸キュンちょっぴりオトナなラブコメイラストクイズー」紹介

ドキドキな日常は突然に…
アナタに起こるとびっきりのラブハプニング!

 

誰かにとっての幸運は誰かにとっての不幸だよ。

「ラッキーハプニング ーどきどき胸キュンちょっぴりオトナなラブコメイラストクイズー」とは、タイトルの通りである。

この作品はみんな大好き、みんなが好きじゃなくても僕が好き、「東京通信」が贈るイラストクイズゲームシリーズが一柱、色欲を司るお色気ゲームであり、「ラッキースケベ」を神髄としている。
ラッキースケベ」とは、予期せぬ事態によってサービスシーンが生じる現象のことであり、突発的にお色気を捻出できることから、創作作品において古くより用いられてきた手法である。

例としては「パンツ見える」「乳揉む」「裸見られる」等の事象が本人らの意志と関係なく発生し、対象が恥ずかしがるところまでがお約束であり風情である。

棚ぼた的でどこか健全にも思えるエロスを生み出すある種のこの予定調和は、各方面にニッチな需要を形成していると言える。僕も好きです。特にギャグ系の漫画で女の子が裸見られたのに次の回で何事もなかったかのようにケロッとしてるとめちゃくちゃ興奮します。

この作品はゲーム史において度々見られるノンR-18のお色気作品の類型であるが、そう、所謂そのラッキースケベ」に着目しているという点が最大の特徴なのである!

 

さあこの、なんかこの、激烈に見覚えがあるUIだがこれがこの作品のメインコンテンツだ!ここのゲームは全部このUIだ!慣れていけ!

イラストをよく見て、クイズの答えに当てはまる部分を虫メガネで選択すれば正解、一つのステージにクイズは4問あり、全て正解すれば次のステージへ。ステージは全部で60個!まあ悪くないボリュームである。

 

ちゃんと正解感のある正解だ!

 

正解感のない正解の例。

 

そして便利なヒント機能を搭載!小さなお子様にも安心だ。安心か?

でもこれ…ヒントっていうか…

答えでは…?

根本的に東京通信はヒントというものが何か理解できていないのでは…?

 

というか問題からしてそう難しいものは出ないし、「答えから逆算してヒントを予測する遊び」のほうがよっぽどクイズとしていい塩梅になってしまっている感がある。

 

しかしステージによっては「日本語が怪しい、あるいは疑問形になっていないため問題文の意図するところが意味不明なもの」が一部存在し、そういった場面ではこのド直球ヒントくんが役に立ってくれる。「ヒント=答えなので、答えから問題文を予測する遊び」が始まるのだ。斬新すぎる。

 

そんな本作の最大の長所、それは「差分絵」の存在である。ステージ1つにつき絵が2つ用意されており、要所で絵が切り替わるのだ!「ラッキースケベ」のビフォーアフターを目で楽しむことができ、マンネリも感じにくくなるという画期的なシステムである。画期的か?

 

しかしこれを有効活用できているとは言い難い。というのも序盤を除いた大半のステージでは、4問ある内の最初の1問目の時点で絵が切り替わってしまうため、結局最初からオチが見えちゃってることが大半なのである!だめじゃん。序盤で力尽きたのかな…。

ともあれ、これにより収録イラスト数は120に増加。なんだかんだ見た目に楽しいのはやはり良いことだ。

 

なんともいえない香ばしい解説文も見どころの一つだ。性欲以外の感情を失ってる感じがたまらない。吾峠呼世晴先生絶対認知してないだろ!

「ビンタされる」「憐れまれる」「二度と話すことはなかった」「卒業まであだ名が変態になる」「左遷される」「ヤンキーにボコボコにされる」等、何故かビターなエンドが多いのも特徴。

特にビンタは定番であり頻繁に目にすることになる。具体的に言うと「意味怖」におけるカニバリズムくらいの頻度で見る。

でも何故かその、ラッキースケベには代償として相応のアンラッキーが伴う」という不文律が妙に心地よい。痛い目見るとこまでもお約束なんだよね。ある意味。

 

いやこれはアンラッキー過ぎるだろ!

「ラッキー」でも「ハプニング」でもないだろ!アンラッキーアクシデントだろ!

東京通信さんにはこの作品のタイトルを今一度思い出してもらいたいところである。

 

ある者の不幸は、またある者を幸福にする…。

全てを捻じ曲げてでも「ラッキースケベ」が発生するこの狂った世界を、ユートピアと感じるかはあなた次第である。

 

世界観に関しては本当にいい加減というか、なんでもありだ。なんで道にコロコロコミックみたいなウンコ落ちてるんだよ!

基本的には高校(?)が舞台だが、オフィスにレジャーにとシチュエーションはなんでもござれで飽きさせない。性欲の存在する場所ならば何処でも参上仕るのがラッキーハプニングである。

 

本当に高校かなここ…。

 

でもね、こういうゲームって前提として「女の子がかわいい」っていうのがあるんじゃないんですか…?

…可愛いとか可愛くないとか以前にコイツは前世ディディーコングでしょ間違いなく!絶対バナナの皮投げて攻撃してくるでしょ。

描写が普通に軽く引くとこまで行くと情欲もクソもなくなるんだなという気付きを得ました、はい…。

 

このゲームには参加してる絵師さんが複数(3~4人?)いて、ブロックごとに明らかに作風が変わるのも好みが分かれるところだ。画風はもちろんのこと、ヒントも含めた文体までも丸っきり変わるので味付けがまるで別モン。たぶん複数班に分かれて作ったものを最後にがっちゃんこしたんだろうなって感じの出来栄えだ。

 

特に最終盤は攻守が完全に入れ替わり、女キャラが男の裸見て喜ぶゲームになってる。悪くないな…。とは思うけど、どうにも迷走してる感じはするね。結局どういう層をターゲットにしてるんだこのゲームは。でも絵柄は一番好みなんだよな…。

 

まあなんだかんだ突っ込みつつも60問、楽しく遊べたので良かった。お色気ゲーなのに頑なにパンツを見せない、と思わせといて急に見せるようになるルールのなさも東京通信らしさを感じて安心しましたよ。

少なくとも僕にとっては、この作品に出会えたことは思いもかけない幸運…間違いなくラッキーハプニングだったと言えるね。…ただ客観的に見てこのゲームが発売されたのはハプニングじゃなくてアクシデントだよ。

面白いのは確かなので、興味のある人はこっそり遊んでみるのも良いでしょう…。

 

では最後に…。

貞子さん!このゲームを買うのは正解ですか!

 

えっ、あの、それは…、正解ってことでいいんですか…?

 

はい…。

 

980円、プレイ時間約5時間

プレイした日2022/09/29~2022/11/20

store-jp.nintendo.com

 

「お絵かき心理テスト ー恋愛も友情も!かんたん診断でアナタの脳内マルハダカ!?-」紹介

お題にあわせてお絵かきするだけ!
アナタの心がマルハダカ!?

 

人間の心理ってそんな簡単じゃないだろ!

「お絵かき心理テスト ー恋愛も友情も!かんたん診断でアナタの脳内マルハダカ!?-」とは、プレイヤーをおちょくってくる何かである。

みんな大好き「東京通信」の作品の一つ。東京通信といえばUIを使いまわして同じよーなゲームを量産するよくわかんないメーカーという認識でだいたい合ってるんだけど、このゲームは違う。お絵描きができるのだ。お絵描きができるだけとも言う。

 

ゲームの流れとしては、「丸を書いてみて!」とかいった雑な要求の通りに絵を描いて、診断結果を見るということの繰り返し。

タッチはもちろんスティック操作でもお絵描きができるぞ。ここは素直に良いですね。

 

絵を描いたら診断結果を見よう。東京通信がプレイヤーの心理について、適当なこと言っておちょくってくれるぞ。

絵をゲーム側が判断してどうこうといった高尚な機能なぞ存在しない!正解とか不正解とかいった概念も存在しない!ある意味ストイックなゲーム性である。

これだけです。

これだけです、このゲーム。ほんとに。これを60回繰り返します。真面目にやっても一時間程度でクリアできます。

「意味怖」は胃がもたれるくらいには突っ込みどころが多くて楽しかったんだけど、これはまじでなんもない。だってコンテンツがないもん。

絵は自分で描いてね!東京通信が無責任なコメントを好き勝手に残すよ!おわり!みたいなゲーム。…ゲームかな?ゲームじゃないかも。

 

以下、僕が描いた絵を置いときます。ほぼ大喜利なんだよなぁ…。

問いと答えがセットの完全なネタバレにはならないようにするけど、完全に初見の気持ちでこのゲームを買って楽しみたいなら見ないほうが良いかも?

 

ちなみに僕の画力はだいたいこれくらいです…。

 

案外難しいんだよな、動物描くの。

 

正解。

 

正解。

 

急にほのぼの路線になるのやめて!照れるから!

知らないだろ!東京通信は僕のばあちゃんのこと!

 

急に下ネタ振るのもやめて!気まずいから!

ちょくちょく下ネタが混ざるのもちょっと好みが分かれるとこですね。しかもオヤジ臭いし!「セ○レが云々」とかあんまり愉快でない下ネタがあるのもちょっとなぁ。

なんか公式は「みんなで楽しめるパーティゲームです~」みたいな面しといてこういう問題平気で仕込んできてるのがなぁ…。

 

普通に貶されてないこれ?大丈夫?頑張って柵まで描いたのにこの仕打ちですよ。

人間からはともかくゲームからコミュ障認定されたのは初めてやぞ。…いやそれは診断が当たってるってことにならないか…?

ともかく、安全地帯からあざ笑われる雰囲気が個人的にはどうも苦手に感じられる。みんなでワイワイ遊ぶなら「ガハハ」で済ませられるのかなこれ?…金払っておちょくられたい人間がどれくらいいるかによるな!

 

いやいや、そんなことないって。しないしない。束縛。ほんとだよ。

 

ずっと診断やってるとだんだんそんな気になってくるんだよな…。

 

ゲームって言っていいのかギリギリのラインを攻めてきますね!サッカーだったら判定で揉めてただろうね。

でもまあ、元はスマホのお遊びアプリ的なものだと考えたら、遊べないこともない…かな?もうちょっとボリュームがあるか、あるいは絵をゲーム側で判定してくれるとかの機能があればより楽しめたかもしれないね。

金払っておちょくられる体験ができるのはなかなか新鮮ではあったかな…。それなりに楽しめましたよ。

 

では最後に…。

貞子さん!このゲームを買うのは正解ですか!

 

…ほんとかなぁ…。

 

1260円、プレイ時間約1時間

プレイした日2022/11/13~2022/11/14

store-jp.nintendo.com

「意味がわかると怖いミステリー」紹介

あなたはこの話の意味が分かりますか?

イラストに隠された恐怖の真相を解き明かしてください

 

意味がわからないし、怖くもないし、多分ミステリーでもない。

「意味がわかると怖いミステリー」とは、カニバリズムである。

ジャンル的には「イラストクイズゲーム」でいいのかな?

一部で有名なメーカー「東京通信」の記念すべきSwitch初配信タイトル。スマホのやつをそのまま持ってきた感じだね。

一目見て、これはもう絶対好きなやつだわ!となり購入。後悔はしていない!

ではこのブログを見てくれてる人にも早速一問やってもらおうか!

 

これもうオチ見えてない!?カニバリズムだよね!?大丈夫!?

問題は全部で60問!多いと感じるか少ないと感じるかは人それぞれだが、ずっとやってるとだんだん胃がもたれてくるのは確かだ!東京通信が本気を出せば僕の胃なぞズタズタにできるのである。

後に2問減る

 

絵が1枚とクイズが4つで問題1セット。クイズ1の正解を虫眼鏡で選択すればクイズ2に進めて、クイズ3、4と最後まで正解すればクリアね。不正解でも特にペナルティはないのであんまり気負わずに遊べるね。

絵は一切変わらないから、最初からオチが見えてることもしばしばだ。というかオチが見えてることのほうが多いから気にしちゃだめだ。

 

見事正解すれば友情出演の貞子がお出迎え。正解感がない!

60問×4クイズなので240回はお目にかかることになるぞ!あまりにも頻繁なので怖いっていうか気まずい。ホラーってそういう意味じゃないだろ。

 

ちなみに不正解は謎のおっさんだ。

このゲームで不正解することのほうが珍しいから若干レアキャラである。

 

オチ見えてるだろこれ!犬神家してるやついるだろ!後ろに!またカニバリズムだし!

このゲームの致命的に噛み合ってないとこは、イラストのインパクトが全てなのにそこから絵が一切変わらずにクイズを4問やらされる点。

最初からオチが見えてんのになかなかそこに触らせてくれない!どんな問題だろーとクイズは4問という縛りがあるので、どうでもいい部分で2~3ターン消化させられることが多々。

 

このゲームで必要になる場面があるとは思えないけど、一応ヒント機能もあるのでお子様にも安心だ。安心か?

しかしどのヒントも投げやりなものばっかでヒントになってないものも多々。確かにやばいやついるけどさぁ…。

しかし雑なヒントがだんだん癖になってきて、ヒントを読むのが楽しみになってる自分がいるのもまた事実だった…。

 

ちなみにインコの名前は「ピースケサンタマリア」、略してピンタマだ。

変な名前つけといて略すな。誰がわかるんだ。ピースケでいいだろ。

というか「ピースケ」の部分からは「ピ」を取っといて、なんで「サンタマリア」から取るのが「ンタマ」なんだ。おかしいだろ。「ンタマ」を抽出できる文字なんてサンタマリアかキンタマくらいだろ。

 

ちょくちょく雑なパロディが挟まるのもなんなんだ。絶対荒川弘認知してないでしょ!ニーナとアレキサンダーどこ行ったんだよ!というか東京通信の倫理観もどこ行ったんだ。

 

タイトルでなんか中身がだいたい予想できてしまうのもどうなんだ。

「お味はいかが?」カニバリズムだろ!

「極上のステーキ」カニバリズムだろ!

「アフリカの民族」…多分カニバリズムだろ!

「変態さん」だけまあ変態なんだろうなって感じはするけど他はカニバリズムだろ!1/4の純情な変態さんと3/4のカニバリズムだろ!

しかもアプデで問題数が60問から58問に減った弊害で、総問題数が58なのに画面のスクロールが60のときのままだから問題リストを下に送れば送るほど画面がズレてくる。せめてテストプレイしてくれ!

ていうかアプデで問題数減るってなんなんだ。なんかあったんだろうな。荒川弘に怒られたわけではなさそうだけどな。

アプデでユーザーが得たものが何一つないのがなんとも…。

 

シュールギャグとして見るなら正直面白いんだけど、だんだん精神が摩耗していくので一人でやるのはおすすめしない。

やるならスクリーンの大画面で親戚一同揃って遊んでください。

末代までの恥なのでやっぱやめてください。

正直ね、「どうしようもない」か「ある」かで言ったらどう考えても「ない」よりのゲームなんだけどね、ちょっと考えてみてください。

ゲームって「面白い」か「面白くない」かじゃないですか?…このゲーム、面白くないですか…?

個人的にはとても楽しめましたよこのゲーム!おすすめだよ!もっとこういうわけわかんないゲーム出してくれ東京通信。

「意味怖」「ミステリー」を期待して買うと、何これ…?てなると思うけど、ちょっと想像してみてください、このゲームが発売されるまでの過程を。東京通信社内でのミーティングの様子を。じわじわ怖くなってきませんか…?

このゲームが発売されたこと、それこそが本当のミステリーだったんですね。

 

では最後に…。

貞子さん!このゲーム買うのは正解ですか!?

 

そっか…。

 

980円、プレイ時間約5時間

プレイした日2022/07/18~2022/10/05

store-jp.nintendo.com