十九時十分をお知らせいたします

遊んだゲームの感想なんかを書き残していこうかと思っています

「VOEZ」紹介

カラフルな歌声(VOEZ)を
世界に届ける、リズムゲーム

 

「VOEZ」とは、音ゲーに定評のある台湾のゲームメーカー「RAYARK」が手掛ける爽やかなリズムゲームである。Switch版は(僕の大好きな!)フライハイワークスが販売を担当。

Nintendo Switchの所謂「ロンチ」タイトルの一つであり本体と同時発売。(僕は後に出たパッケージ版を買いました。)当初はタッチ操作専用ゲームでありTVモードでは遊べなかったが、後にアプデでボタン操作に対応したりもした。

 

台湾の架空の都市「蘭空町」を舞台に、6人の男女がバンドを組んで活動する青春ストーリー。全体的に爽やかな雰囲気だね。

ただしシナリオ的なものはなくて、関連テキストが少し読めるくらい。でも作品の空気感には確実に貢献してて、かなり「良い」。

 

えっちだ…。

 

起動してまず目を見張るのは「最初から全楽曲プレイ可」という漢らしい仕様!僕がVOEZ大好きな理由ですよ!100曲以上、アプデ分も含めればなんと250曲もの楽曲を自由に遊べるのだ。まあその分どれから聴くか迷っちゃうんだけど、それもまた楽しいよね。

 

全体的に「音ゲー!」って感じの楽曲が多い印象だけど、バラード系だったり電波曲だったり、ボカロ曲もあったりなんかしてバリエーションはかなり豊富。

僕が好きなのは「青柳舞」さんの楽曲群かな。心に染み渡る歌声です。青柳さんは「アンリアルライフ」のエンディング曲も歌ってましたね!あれも良かったなぁ。

 

Switch版限定要素としては、フライハイワークスが販売担当ということで、僕の大好きな「魔神少女」の楽曲が入ってる!これが俺得ですよ…!

他にも魔神少女繋がりで「メルブラ」で有名な来兎さんの楽曲があったり、「シティコネクション」とのコラボでクラリスちゃんの楽曲があったりと選り取り見取り。みんな大好き「ショベルナイト」も参戦だ!もはやなんでもあり感ありますね…。

 

リズムゲームとしては一通りギミックが揃ってるほうだと思う。画面内には「レーン」が複数出現し、そこに「ノーツ」が流れてくる。ノーツの判定はレーン全体にあって、極端な話画面上端とかでも触った扱いになる。

ノーツの種類はいくつか存在し、タップするもの、触れるだけで良いもの、一定時間押しっぱなし、左右へのスライドなど様々。

まあシンプルな音ゲーなんだけど「レーン」が曲者で、なんと動く。めっちゃ動く。この動きが楽曲に合わせて踊っているようでもあり、見た目に楽しくゲームプレイを彩ってくれる。反面、たまにひどい初見殺しをかましてきたりもするから一長一短だね。

判定は甘いほうで、フルコンだけならそう難しくはない感じ。ただし「Perfect」の判定だけは割とシビアで、満点を目指すとかなりきつくなってくる構成。三段階ある難易度設定と合わせて、自分に合った遊び方で付き合っていけるゲームだね。

 

楽曲クリアで手に入るコインでガチャを引いてアイコンを集める要素もある。普通に遊んでれば問題なくコンプできる良心的なものなので安心だ。どう見てもケツから出てるのだけすごい気になるけど!

 

安心と信頼のRAYARK音ゲー。癒し効果大で疲れたあなたにおすすめだ。ぬるく遊んでも良いのが良いとこだよね。きっときっと爽やかな歌声を届けてくれるはず。是非。

 

2500円、プレイ時間約80時間

プレイした日2018/01/25~2020/11/28

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「ヒューマン・リソース・マシーン」シリーズ紹介

小さな従業員をプログラミングしてパズルを解こう!
目指すは誇り高き社畜……もとい社員!

 

ヒューマン・リソース・マシーン」とは、プログラミング×パズルゲームの傑作である。今回は続編の「セブン・ビリオン・ヒューマンズ」も一緒に紹介。

シリーズ通して、ブラックユーモア溢れる世界観と、程よく悩みながらも最後は気持ちよく解ける爽快なパズルの作りが特徴。

舞台はとある企業であり、新入社員である「ぷろぐらまー」くんはなんだかよくわからない業務(パズル)をこなしていく。

問題番号は「○○年目」表記であり、だいたい40問くらいあるので還暦まで頑張ることになります。ちなみに問題を進めるごとに主人公もきっちり老いていく。嫌なリアリティ!

問題選択画面はエレベーターのボタンのようになっており、ビルの上層を目指していく形になる。昇進してどんどん上の階で仕事するようになるわけだね。ゲームを進めれば進めるほど世界がやばいことになってくけど、このメーカーのゲームは全部そうなので気にしないでいいよ。

 

パズルの基本は「入力」と「演算」と「出力」。

まず左のレーンから文字や数字が流れてくる(入力)。

入力されたデータを使って足し算したり引き算したりする(演算)。

結果を右のレーンに流す(出力)。

ステージごとに異なるお題の通りに出力ができればステージクリアである。

基本的なコツとしては、まあいろいろあるんだけど最初に覚えておきたいのは、主人公は一度に一つしか物事を記憶できないということ。

これで何が困るかというと、例えば「数字の入れ替え」を行うときに「上書き先」の数字を覚えておけなかったりするのである。ああ困った困った。

じゃあどうするのかというと、代わりに記憶をどこかの番地に置いておけば良いのだ。

例えば記憶を、まあどこでもいいんだけど「24番」の番地に置いておけば、後々その記憶が必要なときは「24番」を参照すれば良いわけね。

先の例えで言えば数字を上書きされる前にどこかの番地に保持してから上書き、そして上書き元の数字をその番地の数字で上書きすれば「数字の入れ替え」は完了というわけである。

 

ステージごとに「サイズ目標」と「スピード目標」があり、これの達成がやり込み要素になっている。ちなみにこの二つは同時に達成しなくても良い。

「サイズ目標」は単純にプログラムの行数。これを削るのは簡単なようでなかなか難しく、かなり達成感がある。同じような工程はうまくループに組み込むなどして極限まで無駄を削るのだ。プログラムの短さとは芸術性である。

「スピード目標」はクリアまでのステップの長さ。こちらは逆にループを噛ませるとむしろ長くなったりするので、ループを解体してダダ長いプログラムを書くのがコツ。そういうゴリ押しが通用してしまうのでパズルとしてはあんまり楽しめない目標かもしれないね。しかし大抵、綺麗な解法を用意できれば無理なく達成できるくらいの目標には設定されているので、プログラムの綺麗さの一つの指標にはなるかも。

ということで、目標の達成を目指すならかなり歯応えがあるけど、クリアだけなら頑張ればみんな解けるという絶妙のバランスの作品となっている。

 

おめでとう、キミたちは全員採用だ。

次は続編の「セブン・ビリオン・ヒューマンズ」を紹介していこう。前作の要素に加え「並列処理」の概念を加えた発展形という印象であり、総じて難易度は前作より高め。前作をクリアして「まだまだ物足りねーぜ!」って人向けかな。

ストーリーは前作よりかなりブラック。舞台はロボット技術が発展し、人間がこなしていた全ての仕事をロボットが奪ってしまった未来。人類総無職時代の到来である。仕事を求める70億の人類。そこでロボットは人類に「仕事」を与えることにした。…というもの。いやブラックすぎるだろ!

 

主人公は…、まあ人類全員だね。前作の「ぷろぐらまー」くんがいっぱいいるのを想像するとわかりやすい。

全員が並列的にプログラムを実行するので、条件分岐を利用した場合分けというのがより重要になっている。

ステージには「穴」が存在し、仕事を終えて不要になった人間をダイブさせる必要のある面もちょくちょくある。大丈夫だ、人類はまだまだ沢山いるからね。

 

ステップが長すぎると上司に怒られるの、工程が複雑化している今作では頻繁に見ることになる。すまんて…。

 

難易度はかなり高く、工程が複雑化しコードがスパゲッティ化しやすいのに加えての並列処理なので脳がパンクすること請け合い。パンクしました。

しかしその分解決時の達成感、解放感はかなりのもので、「前作では物足りなかった人向けの2」という点で今作の完成度はかなり高い。

「命令の自由度の高さ」という点でも大きくパワーアップしている作品なので、思考の発展性、実現性という点でも優れている。まあそのせいで難易度上がってる面もありますが…。

まあ良くも悪くも「前作クリア者向け」かな。「ヒューマン・リソース・マシーン」から遊ぶのを僕はおすすめする!

 

「数学的な問いに対するアルゴリズムによる実現」というのは何か根源的なところで楽しさが眠っている。数学もプログラミングも根本には「パズルを解くように」楽しめる部分が確かに存在しているのだ。このシリーズはその楽しさ、気持ち良さに特化したもののように思う。

合理を極め極限まで単純化された美しく純度の高いパズルゲーム。クリア目標の達成を目指さなければ誰でも十分楽しめるようになっている(はず)。ロジカルなあなたに、おすすめ!

 

1000円、プレイ時間約15時間

プレイした日2017/08/13~2017/11/02

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1500円、プレイ時間約15時間

プレイした日2018/10/25~2018/11/09

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「グーの惑星」紹介

ネバネバの生物「グー」を操り
さまざまなミッションに挑む物理アクションパズル

 

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「グーの惑星」とは、物理演算を使用した名作パズルゲームである。元々Wiiで出てたやつだね。Switch版はフライハイワークスが販売担当。

僕はどちらかというとロジックパズルが好きなタイプで、物理演算パズル特有の解法のファジーさであったりとか素早い操作が求められる局面とかがむしろ苦手としているんだけど、今作に限っては素直に楽しめた感じだ。

全体的にステージのコンセプトが明確でありすっきりする解法が必ずあるのが良い。それでいてプレイヤーの介入余地が豊富であり、創造と閃きを形にさせてくれる確かな土壌が感じられた。職人技的に作られた完成度の高さが光る作品である。

 

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不思議なねばねば生物「グー」を導いてゴールまで辿り着かせるのが目的のパズルゲーム。JOY-CONでも遊べるけどタッチ操作のほうが遊びやすかったかな。

基本動作は「グーを配置していく」ことなんだけど、最大の特徴は「近くのグー同士はくっつく」ということ。さながらシナプス結合の如く。これを利用してグーの集合体を形成しゴールまでの足掛かりを作るのだ。

重要なのはグーたちは重力の影響を受けるということ。橋を掛けるなら土台を強くしないとすぐ落ちちゃうし、タワーを作っても不安定ならすぐふにゃってしまう。その辺考えながらグーを配置していくゲームだね。

ゴールに到達すると、余ったグーがジューサーに入れられてジュースになる。グロし!なるべく少ないグーでクリアしたほうがクリア時のジュースが増えてより良いといった感じ。

ステージごとにコンセプトがしっかりしてる作品であり、ギミックも豊富。風船で浮かせてバランスを取るステージや、よだれのグーをぶら下げていくステージ、ステージ自体が回転しているステージなどなど豊富なシチュエーションを楽しめる。

クリアする度に「俺実は天才なんじゃないか…?」と思わせてくれるパズルです。作った人は天才だと思う。

 

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なんか終盤は世界がやばいことになる。ていうかここのゲームだいたい世界がやばいことになる気がする!ところどころ黒さを感じる作品である。ヒューマンリソースマシーンよりはましだけど!まあ物理演算パズルを楽しむゲームだからそんなに気にしなくても良いとは思うけども。

可愛いっちゃ可愛いんだけど同時にどこかグロテスクでもあるビジュアルもなんだか好みが分かれそうだ。僕は好き。

個人的に、パズルには「考えるやつ」と「考えなくていいやつ(ルーチンで解けるやつ)」があって、そのどちらにも良さがあると思うんだけど、この作品は前者の「考えるパズル」が極まった作品だと思う。

物理演算だからこその柔軟性と巧みなステージデザインの妙で脳を気持ちよく解してくれる作品である。すっきりしたい人におすすめ!

 

1000円、プレイ時間約5時間

プレイした日2018/12/27~2019/02/18

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「リトルインフェルノ」紹介

ただただ、燃やすだけ。
ただひたすら燃やすためだけに。

 

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奇妙で、すこし暖かい。

「リトルインフェルノ」とは、ひたすらものを燃やし続ける狂気のゲームである。

あくまで虚無的に、しかし虚無的であるからこそ静かに心を満たしてくれるゲームだ。

 

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ゲームを始めたら、まずは「カタログ」でものを購入してみよう。何のためって、そりゃあ燃やすためですよ。カタログは説明文の時点でなんだかシニカルなものが多く、読んでるだけでもなかなかに楽しい。

注文したアイテムが届いたら、暖炉で火をつけて遊んでみよう。ものによって燃やしたときの反応は異なるから、楽しいぞぉ。

この暖炉は魔法の暖炉で、燃やしたものはお金になって帰ってくる。そうして得たお金でまた何かを買って燃やし、またお金を得て、買ってまた燃やす。このゲームに明確な終わりなんてない。満足のいくまで燃やし続ければそれで良いのだ。

一緒に燃やすものの組み合わせによっては「コンボ」が発生することがあり、組み合わせを探すことがある意味パズル的な要素になっている。だから何ということはないんですけどね。Switch版は周回ごとに選出されるコンボがランダムなので何周でも楽しめますよ。

そうしてコンボを見つけていくと、新しいカタログが届いたりする。そうやっていろいろなものを燃やして楽しむのがこの作品である。また、お便りや怪文書が届いたりもする。当然燃やせる。

 

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ものが燃えて、朽ちていくさまをただ眺め続ける。それだけのゲームなのに何故だか心が満たされる不思議な作品だ。

「火」には何か無性に人を惹きつける魅力がある。暖炉に火が灯る様はどうも安心であったり豊かさであったりを象徴しているように思う。

ゲームが進むと外の世界がどんどんやばいことになっていくんだけど、それでもプレイヤーの目に映るのは暖炉と、そこに灯る火だけである。その構成がなんだか、火に魅せられたプレイヤー自身の心とシンクロしているようでもあり、今作の奇妙だけど暖かくもある不思議な世界観を際立たせている。

冬に遊ぶのが一番雰囲気出て楽しいと思うな。(じゃあ冬に紹介しろよって話なんですが…。)ともあれおすすめです。よかったら買ってみてください。

 

1000円、プレイ時間約10時間

プレイした日2017/08/13~2017/09/15

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「マッチョでポン! ZZ」紹介

いつでもどこでも
君だけのマッチョを作ろう!

 

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マッチョデポーンマッチョデポーン

「マッチョでポン! ZZ」とは、…よくわかんないゲームである。とりあえずジャンルとしてはマッチョ育成ゲームだと思う。マッチョ育成ゲームって何だよ。

一部で有名なFLASHゲーム作品の有料強化版みたいな位置づけらしい。BGMも強化されており、なんと「超兄貴」でお馴染みの葉山宏治氏が担当!嫌でも耳にこびりつくぞ!

 

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このゲームの目的はボディビル大会で優勝すること、そしてオンラインランキングに己の育て上げたマッチョを登録し、全国のマッチョとしのぎを削ることである。

Nintendo Switchでマッチョの扉を開け!己の肉体の可能性を探求するのだ!

 

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顔を決めたらゲームスタート。マッチョだって最初からバキバキだったわけじゃない。ガリガリの状態からゲームは始まるのだ。

基本はやっぱりトレーニング!腕やら脚やら、身体全体をバランス良く鍛えて理想のボディを目指そう。

ずっと筋トレしていると、人間やっぱり疲れてくる。明日に備えてゆっくり眠り体力を回復することも大事だ。いじめたり労わったり、筋肉との繊細なコミュニケーションが明日のマッチョを創り出す。

マッチョを支える運動器具やプロテインを買うにはお金が必要だ。コンビニバイトや現場など様々なアルバイトをこなしてお給料をGETしよう。マッスル、ライフ、そしてちょっぴりのラブでこのゲームはできている。

そうしてマッチョが生活する間にも決戦の日は刻々と近づいている。ボディービル大会だ。緊張と興奮を大胸筋の奥に隠してマッチョは眠るのだ。

 

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待ちに待った大会当日。全国の猛者達が集うむさ苦しい舞台に君は立つ。

マッチョとは何も肉体のことだけではない。鍛え上げた肉体を如何に魅せるかという技術、そして緊張を跳ね返す強い心、心技体全て揃ったマッチョこそがチャンピオンに相応しい。自由演技によるアピールタイムの始まりだ。

上下左右の組み合わせによるコマンド入力でアピール技を発動!極限まで鍛えた肉体を観客や審査員に見せつけるのだ。

そして結果発表、新チャンピオン誕生の瞬間である。

新チャンピオン、コメントをお願いします。

 

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『筋肉 キレてる なの』

…はい、ありがとうございました。

マッチョでポン!ZZ 完。

 

…というゲームですね。ぶっちゃけ一発ネタだけどなかなか楽しめた。パンツを解禁していくなど周回プレイのお楽しみはいろいろあるっぽいんだけど僕は一周でおなか一杯かな…。マッチョを過剰投与してはいけない。

オンラインランキングを見ると修羅の世界であり、マッチョでポンガチ勢がレベルの違う闘いを繰り広げていた…。こりゃ勝てねーわ。あんたらが真のマッチョだよ!

ランキング表示中はBGMがハイスピードになる演出もなかなかイカレていて好きだ。

既にマッチョである人も、マッチョになろうとする人も、マッチョになってしまった人も、きっとこのゲームが気に入ると思います。良いマッチョライフを!

 

888円、プレイ時間約15分

プレイした日2021/05/07

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「アーキタイプ・アーカディア」紹介

絶望世界にて鮮やかに紡がれる、終焉と再生のフルボイスノベルアドベンチャー

 

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ラスモス・ゾティーラ・トゥーラッカ!

アーキタイプ・アーカディア」とは、終末世界とフルダイブ型オンラインゲームを舞台に描かれるケムコADVである。「一緒に行きましょう逝きましょう生きましょう」、「最悪なる災厄人間に捧ぐ」など鬱ゲーに定評のある「ウォーターフェニックス」の作品。

さささぐは前回感想書いてるのでよかったらそちらもどうぞ。

 

gogo7ji.hateblo.jp

 

さささぐも含めウォーターフェニックスといえば「二人だけの物語」というのか、メインキャラ二人の関係性に特化したアクの強い作品に定評のあるとこという印象があるんだけど、今作は登場人物がたくさんいてそれぞれの思惑で行動する作品となっている。

だから最初はどうなるかなーって感じだったんだけど、協力、団結、裏切り、立場や主張の違いからくる対立など、キャラがたくさんいるからこそ効果的に描ける予測できない物語が描かれ、最後の最後まで面白さたっぷりの作品となっていた。いやー杞憂でしたね!

 

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発症すると他傷行為にはしり最後には自殺してしまう病、「原罪病(ペカトマニア)」が蔓延し、文明が崩壊した後の世界。主人公「ルスト」とその妹「クリスティン」は、生き残った人間を探し、トレーラーハウスで終末世界を旅していた。

 

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原罪病の進行を食い止める唯一の手段は、フルダイブ型オンラインゲーム「アーキタイプ・アーカディア」にログインすること。クリスティンは定期的にログインを行っていたが、ある日、ログインから目覚めなくなってしまう。

ルストは妹を救うため、自分も「アーキタイプ・アーカディア」にログインすることを決意する。

 

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アーキタイプ・アーカディア」内は自動翻訳機能に対応!他言語話者とも気兼ねなく会話できるという神サービスである。めちゃくちゃ羨ましい!

 

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アーキタイプ・アーカディア」内は現実と見紛うほどリアルだが、現実にはない独自のルールが存在する。

まず「記憶がカード化される」ということ。プレイヤーの持つ強い記憶がカードとして手に入り、他人に譲渡することもできる。

次に「記憶カードは壊れる」ということ。プレイヤーが一定量のダメージを受けると、「レッドアウト」と呼ばれる行動不能状態となり、レッドアウト中は無防備であり記憶カードを破壊されてしまうことがある。記憶カードが壊れると、対応する記憶を失ってしまう。他人に譲渡した場合も対応する記憶を失う。

記憶カードを全て破壊されるとゲームオーバー。現実の肉体は「シカバネ」と呼ばれる原罪病の末期症状となり、意思疎通は不可能となる。つまり命懸けのゲームである。

そして「記憶を"アバター"として召喚できる」ということ。アバターはプレイヤーの記憶が元になっていて個性は様々。例えばルストのアバターティーン」は妹のクリスティンが元になっていて、一緒に石で遊んだ記憶から投石攻撃のアバターとなっている。

アバターはプレイヤーの命令で戦わせることができ、プレイヤーはアバターの攻撃以外ではダメージを受けない。つまり、アーキタイプ・アーカディア」における他プレイヤーとの戦闘はアバターを通して行われる。ポケモンバトルとかスタンドバトルをイメージするとわかりやすいかも。本体攻撃可のポケスペスタイル!

独自のルール下で展開されるバトル描写が今作の大きな魅力となっている。

 

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アバターの強さは、プレイヤーとの「共感率」によって上下する。例えばルストのアバターティーン」は、「一緒に遊んで楽しい」という記憶が元になっているので、楽しいという気持ちに共感すればするほど強くなる。

ちなみに共感率の上げ方は人によって向き不向きがあり、主人公のルストくんは「感情型」の上げ方をするタイプで、共感率を急激に上昇させやすい反面、急激に下がりやすい。またライバルキャラのアレグロくんは「分析型」の上げ方をするタイプで、地道だが確実に共感率を上げていく。

 

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記憶に共感し戦うのが「アーキタイプ・アーカディア」の基本だ。しかし、記憶に浸りすぎて依存し現実の自分を忘れてしまうと、プレイヤーとアバターは融合し「モンスター」化してしまう。

モンスターはプレイヤーでもありアバターでもあるという特殊な状態で、プレイヤーに直接攻撃することが可能。能力的にも強化される他、自分を忘れている存在故まともに意思の疎通をすることもできないという厄介な存在である。

 

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ラスモス・ゾティーラ・トゥーラッカ!

アーキタイプ・アーカディア」内には集落が点在している他、他プレイヤーを殺害する危険ギルド「神々の使徒(通称狂信者)」、神々の使徒に恨みを持つ者たちが集まったギルド「日輪騎士団」など様々なギルドが存在している。

クリスティンが主催する「遊びギルド」はその名の通りみんなで遊ぶ楽しいギルドである。挨拶は「ラスモス・ゾティーラ・トゥーラッカ」!この挨拶だけでも覚えて帰ってくださいねー(漫才師風に)。

この作品は苛烈で凄惨な展開の連続ではあるんだけど、本質としては生きること、遊ぶこと、人間の営みを肯定的に描いた人間賛歌という面があり、遊びギルドはその象徴のようなところがあるね。

騙し、裏切り、貶め、殺す。人間の本質は悪であるとしても、むしろそういう人間の汚い部分も描く作品だからこそ、逆説的に生命の素晴らしさ、生きる喜びが表現されているともいえる。なんだろう、性善説よりも性悪説のほうが人間存在への確かな許容を感じるんだよね。

 

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ハーレムとは…。

 

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僕の好きなキャラは「コロネちゃん」と「アレグロ」がツートップかな。(コロネちゃんはね…、ずるいですよいろいろ。声優もさささぐのクロ役の小鳥遊ゆめさんだし!)

アレグロは(その名前の通りに)早急なゲームクリアを目指すプレイヤーで、強力な技「終焉の炎」を使いこなす。主人公であるルストといろんな意味で対になっているキャラクターであり、ある意味もう一人の主人公である。

ルストとアレグロは偽善と偽悪であり、理想と現実であり、秩序と混沌であり…。相容れないからこそ分かりあおうとするルストと、大義の為突き進むアレグロの関係性は何か象徴的だなぁ。

 

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アレグロは悪を嫌悪していながらも自分は善人になれない、悪を為さねばならないという強迫観念に取り憑かれている自己嫌悪的自己矛盾的自己消滅願望的人間であり、破滅するまで止まれない暴走機関車のような存在である。

しかし作中世界の滅びに突き進む人類の状態を考えれば彼の主張も強ち間違ってはいないんだよな。甘すぎるルストくんがいるからこそアレグロが映える、アレグロがいるからこそルストの底抜けの優しさが映えるという。この作品を真に魅力的にしているのはアレグロの存在だと思う。

 

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ENDはBADなやつが20種類とTRUEなやつが6種類。TRUEはラストの6択で分岐ね。複雑な分岐はそんなにないからEND回収はかなり楽。

ただBAD ENDは簡素というかすぐ終わっちゃうものが多くそんなに見応えがないのは惜しい。ルストがアレグロに同調するENDとかシチュエーション的に面白そうなものもちょいちょいあったから残念だ。

 

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人類の終焉と再生を描く壮大なADV!手を取り合い、遊び、生きる、「人間」という存在への賛歌を強く感じたね。能力バトル的な描写も熱くて、世界のルールを少しずつ理解していったり修行で強くなったりと少年漫画っぽい雰囲気もあって良い。

ストーリー的には、アルティアお姉ちゃんがちょっと便利すぎない?というのは少し思ったけど、まあほぼ文句なしに面白い。なんというか、敵になったり味方になったりはするけど、登場人物みんな曲げようとしない信念、信条がそれぞれにあって、そこから生じる展開に違和感やブレがないんだよな。キャラクターが誰一人かけても成立しない作品だと思うし、全員に寄り添い生かそうとするルストくんの姿勢も青いけど非常によかった。

ウォーターフェニックスといえば鬱展開、という印象があるけど、今作ではそこまできつくない印象。(ないとは言ってない!)最初のケムコADVにも良い作品かもしれないですね。

人類は緩やかに滅びに向かっていくのかもしれないけど、それでも未来に何かを残していけるのかもしれない、と感じられた作品だった。全人類遊んでください。ラスモス・ゾティーラ・トゥーラッカ!

 

3980円、プレイ時間約60時間

プレイした日2021/10/21~2022/04/04

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「スーパーナナル」紹介

いじわるな悪魔っ娘にお店のパンがとられちゃった !
かわいいパン屋さんのラン&ジャンプアクション

 

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お前のようなパン屋がいるか!

「スーパーナナル」とは、キュートな血管ブチ切れ系ランアクションゲームである。

ゆるい見た目とは裏腹に、死んで覚えろと言わんばかりの構成が特徴。千回死ねます。しかし、頑張ればなんとかなる絶妙の難易度調整が光る作品でもあり、アクションゲームの醍醐味である上達の楽しさを存分に味わえる良いゲームだった。

 

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いやえっちすぎんか…。

ストーリーは至ってシンプル。封印から解かれた悪魔っ娘の「ヤコ」が街の人々を洗脳。暴徒と化した人々は、パン屋の主人公「ナナル」の店を襲撃し、お店のパンを全部かっぱらっていってしまった。パンを取り戻すためナナルは立ち上がる!…というもの。

 

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全部で4つのワールドがあり、それぞれ6つのステージを擁する全24ステージ構成。「ネコタウン」、「下水道」、「ダークキャッスル」は最初から自由に選択可能で、全てクリアすれば最終面「ナイトシティ」が解禁される。ステージごとにギミックがガラッと変わるから楽しいね。

所謂ラン系に属する作品で、主人公であるナナルは勝手に歩き出す!それを上手く制御して敵やトラップを躱し進んでいくのだ。ゴールの鐘を鳴らせばステージクリア。

基本的にできることはジャンプと二段ジャンプだけで、敵を攻撃したりはできない。不殺の精神で進んでいこう。なおかつ敵に触れると当然の如く一撃死。猫に触れようもんならナナルは分子分解されてお陀仏である。

ただチェックポイントは頻繁に設置されているのでトライ&エラーは容易。残機もないので何度だってトライして鐘を鳴らすんだ。

残機はないけど死亡回数はきっちり記録される。まあでも、このゲームにおける死亡回数は勲章みたいなもんですよ。

あとクリアタイムも記録されるんだけど、死んでもカウントは継続される!要はなるべく死なないように進むと好タイムになるって感じね。何ってことはないんだけど、クリアタイムに応じてメダルが進呈される。貰っても特に有利になったりはしない、ちょっとした自己満要素ね。

 

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ステージに落ちてるバナナを踏むと高速移動!残像がかなりシュールである。スゴォーイ

 

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これはジャンプが速すぎると上のトゲで死に、遅すぎると下のトゲで死ぬやばい構成の面。タイミングを脳に叩き込め!

個人的にこういうトゲばっかのステージ見ると「どぎめぎインリョクちゃん」思い出すんだよな…。キュンキュンズキューン

 

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マリオワールドみたいな金網ギミックもあるぞ!セミ感あるね…。

 

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い…たこちゃん。

ワールドの最後にはもちろんボスが待ち構えている!ただしナナルは不殺の精神の持ち主なので攻撃はできない!ひたすら攻撃を躱して相手が自滅するのを待つのだ!

 

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ドロップキックで除霊し洗脳を解くのだ!霊ってドロップキック効くんだ…。

 

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収集要素として、各ステージに一つずつ「黄金の木の芽」が存在する。これを集めるとショップでちびキャラを解禁することができ、パン屋がだんだん賑やかになっていく。

 

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黄金の木の芽で解禁できるのはちびキャラだけではなく、「着替え」も解禁することができる。見た目に楽しいだけでなく、各着替えには特殊能力が設定されており、タヌキナナルは三段ジャンプ、ロリナナルは背が小さく当たり判定が小さいなど、ステージに合わせてベストな着替えを選択することで難易度を大幅に下げることができる。割と露骨な救済措置だね。僕のおすすめはタヌキナナルかな!ジャンプアクションでジャンプ一段増えるのは強い。

勿論ノーマルナナルでも全ステージクリアできるようになってるから、ノーマルに拘って遊ぶのも全然ありだと思う!

 

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ロリナナルをGET!ぐへへ。

 

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幼女inダークキャッスル。ミスマッチ感がすごい。

 

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このステージは常に向かい風が吹いており、弾に当たれば死ぬし、トゲに当たれば当然死ぬし、上の階のトゲが頭に当たっても死ぬ、という地獄のような構成のステージ。何食って生きてたらこんな嫌らしい配置思いつくんですかね…。

こんなときは背の低いロリナナルの出番だ!弾を下から潜れるし、上のトゲにも当たらない!こりゃ楽勝だな!…と思いきや、これが大きな罠だった。

ここ、ノーマルナナルだとジャンプ時に上の階の追い風に乗って進める構成になっているんだけど、ロリナナルで行くと背が低いせいで追い風に乗れないためむしろ難易度が跳ね上がる。僕はそれに気付かずこのステージをロリナナルで2時間格闘した。

タヌキナナルなら一発で行けたし本来そんなに詰まるとこじゃないんだよここ。ロリナナルinダークキャッスルがこのゲームで一番難易度高かったわ…。誰かロリナナルでここクリアした方いたら是非とも報告お願いします。僕はもうやりません!

 

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全編通して、「かわいい!」と「きつい!」に溢れている作品。一見理不尽にも思えるんだけど、全てのステージに納得のいく解法が用意されているし、そこに自然に導くレベルデザインがしっかりとなされていて、プレイヤーに成長と達成の快感を与えてくれる。初見殺しはちょっと多すぎる気がするけどな!まあ死に覚えゲーだからね、仕方ないね。

主人公が勝手に歩く、というのが難易度を上げている主因ではあるんだけど、逆に言えばそれでもちゃんとクリアできるようになってる、ということであり、ナナルの挙動は寧ろプレイヤーに対するヒントになってるんだよね。それに勝手に歩くということはプレイヤーはその分ジャンプに集中できるということでもあり、純度の高いジャンプアクションを構築することに成功している。

ちょっと残念だったのがクリア特典で、黄金の木の芽コンプリートで無限ジャンプのヤコちゃん使えるようになるんだけど、これがチート。いやまあ、それだけならクリア後のおまけだし面白い要素なんだけど、ステージの評価システムと噛み合ってない。

何が問題って、ヤコちゃん使えば大抵のステージは金メダル余裕なんだよね。クリア後に「メダル埋めるかー」ってなったら、ナナルの動きを詰めるよりヤコちゃんで適当にバサバサしとけばいいじゃんとなってなんだか萎えてしまう。ヤコちゃん使用時はメダル取れないとか制約があればまだ良かったのかなぁ、とは思うかな。

非常に高い完成度に纏まっている死に覚えアクションゲーム。そして何よりキャラがかわいい!ぬるぬる動く!ナナルのてちてち歩きだけでも一見の価値ありですよ!

死にまくってもめげないあなたに、おすすめ!

 

1089円、プレイ時間約5時間

プレイした日2022/03/24~2022/04/05

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