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遊んだゲームの感想なんかを書き残していこうかと思っています

無料アップデート!「ファフニル」紹介

捨てねば得られぬ

 

2022年9月22日、「レッツプレイ!オインクゲームズ」に無料アップデート第三弾が着弾!第七のゲーム「ファフニル」が追加された!冬には初の有料追加コンテンツ「SCOUT」も追加されることだし、夢が広がるぜ!

ということで早速「ファフニル」を遊んでみたんだけど、これがまあ面白い!

プレイヤーのアウトプットは極力シンプルでありながら、ジレンマを伴う純度の高い駆け引きを楽しめる非常に完成度の高い対戦ゲームに感じた。運の要素もちょうどよい塩梅で、何回でも遊んでみたくなる作りになっててこれも良い感じ。総じてオインクゲームズらしい優れたバランス感覚で構築された職人的な完成度を持つゲームになっている。

てことで今回は追加作品の「ファフニル」を紹介していく!

既存の六作は以前に紹介文を書いてるのでよかったらそちらもどうぞ。

 

gogo7ji.hateblo.jp

 

gogo7ji.hateblo.jp

 

gogo7ji.hateblo.jp

 

「宝石や金塊を産むファフニルと名付けられたニワトリ。

ファフニルを受け継いだ兄弟たちは

よりたくさん手持ちの宝石や金塊を捨てた者

その日の産みたての宝石や金塊を手にすることにした。」

「ファフニル」は2~4人用の対戦ゲーム。プレイヤーはファフニルを受け継ぎし兄弟の一人となって、誰よりも多くの富を得るために今日も宝石を捨てる。

リソースを得るためにリソースを捨てる、そのジレンマ、矛盾がこのゲームの鍵だ。

 

ファフニルは毎日2個の宝石を産む。(たまに4個、珍しい日にはそれ以上産むこともあるけど…基本的には2個。)

兄弟たちはその日産んだ宝石を、挙って競り落とす。より多くの財産を捨てることを宣言した者が、その代償を伴って新しい財産を得るのだ。宝石を捨てなければ、宝石は得られない。

ちなみに先攻後攻の概念があって、捨てる宝石の数が同じ場合は後攻の人が優先される。必然的に、先攻で勝つには宝石を多めに賭ける必要が出てくるので、自分が先攻のターンはあえて見送る選択肢も重要になってくる。

ただし後攻側が、先攻側の見送りを読んでチョビっとだけ賭けてくる場合もあるのでやはりここは読み合い。

また、自分が競り勝った次の日の競りは確実に先手となるため、同じ人が連続して競り勝ちにくい設計になっていると言える。

 

捨てられた宝石の数は種類別にカウント、蓄積されていき、既定の数(これは参加人数によって変動する。)が捨てられることでラウンドが終了、得点清算に移る。

得点清算時、あらかじめ設定された得点(デフォルトでは30点)に達する人が出た時点でゲーム終了、その時点で最も得点の多い人の勝利となる。

 

ファフニルが産み落とす「石」は6種類。その内「金塊」は常に価値が変わらないが、それ以外の5種は価値が変動する。

具体的には、「全プレイヤーの所持宝石」を全部足して、全体数が多い順に価値が高くなる。

一番多い宝石は+3点、二番は+2点とまあここまでは良いんだけど、問題は三番以降の不人気宝石で、これらは一律で-1点となるため終了時に持ってると逆に損する。

「人気の宝石」「不人気の宝石」を見極めるのが重要なゲームなんだな。

金塊は宝石の順位に干渉せず常に+1点なので安定した収入になるけど、逆に言えば持ち札に金塊の比率が増せば増すほどに自分が場に干渉する力が弱まっていくので、ときにはこれを切って宝石を得る判断も必要になってくる。

 

この「宝石の人気」を推測するのに重要なのが「捨てられた宝石」。誰も捨ててない宝石ほど人気があるし、よく捨てられてる宝石ほど人気がない。

捨てられれば捨てられるほどその宝石では勝ち目がなくなっていくため、プレイヤーはその宝石をより捨てたくなっていき、一定数の破棄によりゲームを終わらせようとする傾向が加速度的に広がっていく。この辺の「流れ」を読める、作れる目ざといプレイヤーがやはり強い。

人気の宝石をあえて捨てることで、それを集めてる人にはこの上ない嫌がらせになるし、皆がこぞって捨てる流れを作ることができたならばしめたもの。相手をグズグズにしてる瞬間が一番変な脳内麻薬が出る。

じゃあ自前で集めまくればいいじゃん!って思うかもしれないけど、しかし「持ってたら持ってるだけボロ勝ち」というわけにもいかない。一種類の宝石を5個以上持ってると勝ってもプラス点が貰えなくなる「勇み足」ルールがあるので、自分一人で情勢を作ることは難しいバランスになっているのだ。

自分と同じ宝石を集めてる人がいたならばその宝石の勝率はグッと増す。しかしその人は協力者であると同時に最大のライバルになるし、その人が裏切ってその宝石を捨てないとも限らない。この辺の人読みもまたたまらなく面白い。

最小のコストで最大のリターンを得るパワーコントロール、宝石の価値が変動することによる情勢のコントロール、そして人読みと政治によって生まれる心理戦。「宝石捨てるだけ」のシンプルなゲームなのに、奥深い駆け引きが詰まってる作品なのだ。

 

シンプルながらも熱い読みゲー!程よいランダム性で色んな展開が楽しめるし、十数分でサクサク遊べちゃうからリプレイ性も高い。

ゲーム性は理解しやすく、奥深く。またそれらにキャッチーな世界観とストーリーを与えて小さな箱に詰め込む。この作品もまた「オインクゲームズ」のいいトコが詰まってて大好きだ。「ファフニル」おすすめですよ!

 

プレイ時間約80時間

プレイした日2021/12/17~2022/10/08

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