十九時十分をお知らせいたします

遊んだゲームの感想なんかを書き残していこうかと思っています

「Slay the Spire」紹介

カードに宿る力が運命を握る
デッキ構築×ローグライクの新感覚カードゲーム!

 

「Slay the Spire(Switch版)」は出ているか?(出てる)

「Slay the Spire」とは、ローグライク要素を内包したデッキ構築型一人用カードゲームである。

個人的に人生の中で死ぬほどはまったゲームランキングでも上位に入る作品で、全キャラ心臓とアセンション(登塔)20まではクリアし、流石にそろそろ紹介文書いてもいいかなと思ったので今回書くことにした。

 

目的はシンプル!プレイヤーは謎のクジラ「ネオー」の傀儡として、毎回形状がランダムに変化する「塔」に何度も挑み、最深部に待つ「心臓」を目指すのだ!

キャラによって決まっているカードの束「スターターデッキ」と特殊な効果を発動する「スターターレリック」、それとなけなしのお金を持ってゲーム開始だ。

基本的には敵を倒してカードをゲットし、デッキを強化してさらに強い敵を倒すということの繰り返し。ローグライクなので死んだら当然強さは保持されず初期状態で最初から。同じ状況の再現はできないので毎回チャンスは一回きりの緊張感ある戦いである。(厳密に言えばシード値の入力で状況の再現はできるけど、これを使うとクリア扱いにならない。検証や練習には使えるかも)

 

まずは層の一番下からスタート。地図をざっと眺めてルート取りを考えよう。踏むマスによって発生するイベントは様々なのでそれを考慮するのが大切だ。

 

一番踏むことになるであろうマスが「敵マス」。ここでは敵キャラクターとの戦闘が発生する。逃走も可能だけど手段が非常に限られてるので、基本的にはぶち殺すかぶち殺されるかしないとバトルは終わらない。諸行無常

戦闘中のプレイヤーの行動は全て「カード」によって行う。毎ターン最初に山札からカードが5枚ドローされ、それをやりくりして戦うのだ。ちなみに山札がなくなっても負けにはならず、シャッフルが発生して捨て札にあるカードが山札になる。

攻撃するなら「アタック」カード、防御やドローなら「スキル」カード、といった具合。その戦闘中だけ永続的に作用する「パワー」カードなんていう分類も存在する。

カードの使用にはエナジーをリソースとして使用する。カードによって要求エナジーはまちまちで、当然要求額がでかいカードほど効果もでかい。

重いカードは一枚で複数枚分の働きをするので費用対効果以上に強いが、取り回しが悪い。軽いカード、特に0コストカードはエナジーが切れてても使えるので取り回しが良いが、カードパワーは相応に低い。要はバランスが大事である。

闘ってく上で重要なのが「ブロック」の概念。要は防御であり、積んだブロックの数値の分だけそのターン中のダメージを無効化できる。このゲームにおける回復手段は非常に限られており、ダメージは後のバトルに引きずる形となるため、敵の攻撃はきっちりブロックしていくことが大切である。敵の行動予測は常に表示されているので、必要な点数分だけきっちりブロックしていこう。

ただしバトルは一対多が多い。いじめか?また放っておくと際限なく自己強化を続ける敵も多いため、敵戦力の迅速な処理を迫られる。時には守りを捨てて敵をさっさと殴り殺したほうがトータルのダメージは少なかったということもありうる。攻撃だけでは、防御だけでは、このゲームでは勝てないのだ。

この作品におけるアタック、ブロックの計算は基本足し算で乱数も絡まないから容易にダメージ計算、戦闘予測が可能。デバフによる倍率変化が発生することもあるけど、計算後の実際に出力される値が常に表示されるから安心だ。

タイムアタック実績狙いでもなければ時間に迫られることもないのでじっくり考えていこう。

 

敵を倒すと報酬として「カード」「お金」、が確定、戦闘中に飲んで有利な効果を得られるポーションもGETできる場合がある。より強力な敵が出現する「エリートマス」の報酬は通常より豪華な上、持ってるだけで戦闘内外で様々な効果を及ぼす「レリック」も確定で一個ドロップするため、戦力に余裕があれば積極的にエリート狩りを狙っていきたい。

やはり最重要報酬は「カード」。初期状態である「スターターデッキ」は非常に弱く、そのままだと勝ち抜くのはまず不可能である。三択からどれか選ぶ形になるため非常に悩ましいところではあるが、スターターより弱いカードというのはまずないので、デッキの方向性を決めていく上でも序盤はガンガンピックしていったほうが安定する。

一方で、無用なピックによってデッキが膨れると、ドローが詰まって事故ったりキーカードを引けなくなったりするリスクが高まる。デッキの完成度が十分高まっているならばカード報酬をスキップする選択も重要である。

ちなみにカードやレリックのレアリティは「コモン」アンコモン「レア」の三種が存在し、基本的にレアなほうがより強力で出現しにくい傾向にある。

 

「?マス」では主に特殊イベントが発生。選んだ選択肢によって得られるもの、そして失うものが変化する。「選んだらどうなるのか」は基本的に選ぶ前に確認できる親切設計。

イベントは単純にメリットのみを得られる優良なものからリスクを伴うものまで様々。しかしプレイヤーに一切メリットのない完全にマイナスのイベントや選択はほぼなく、基本的には「安全策を取るか、リスクを飲んで大きなリターンを得るか」といった形でプレイヤーに悩ましい選択を迫ってくる。リスクかリターンか、この葛藤こそが「StS」のゲーム性の根幹でありこの作品を傑作足らしめている要因である。

特殊イベントには強力なものも多いため「?マス」は余裕があればガンガン踏んでいきたいマスであるが、低確率ではあるものの「敵マス」に化けて普通に戦闘が始まる場合もするのであんまり安定感のないマスである。稀にお買い物ができる「商人マス」レリックが落ちてる「宝箱マス」に化けることもある。結果を読みづらいという点でなかなか食えないマスである。

 

通常の宝箱などでは手に入らない特殊イベント限定のレリックなんてのもある。イベントが来るかがそもそも運だし、何種類かある限定レリックの候補の中からどれか一つを得られるというイベントも存在するため、レリック図鑑を完成させるのはなかなか骨が折れる。

 

クソの役にも立たない限定レリックもあるぞ!うんこ!

 

特殊イベントの選択によっては「呪い」と呼ばれるお邪魔カードが強制的にデッキに混ぜられることがある。強力な選択肢を選んだ代償として設定されている場合が多い。「呪い」の効果は使用できずドロー阻害するだけの比較的軽いものから状態異常付与やダメージ発生が生じる重いものまで様々。総じて戦闘への悪影響は小さいとは言い難いため「商人マス」を利用するなりして速やかに削除したいところである。

また「呪い」に似たお邪魔カードとして「状態異常」という分類が存在し、こちらは戦闘中に敵が山札や捨て札に混ぜてくる。呪いより頻繁に見ることになるが、こちらはその戦闘中限定のカードであり戦闘後は消滅する。

 

「商人マス」はお楽しみ。お金を使ってカードやレリック、ポーションを購入できる。性質上手持ちのお金の多さとメリットのでかさがだいたい比例する。お金は使わないと戦力として換算できないので、商人マスへのアクセス距離と入った際に想定されるおおよその持ち金は意識しておこう。

カードの削除を行うこともでき、厄介な「呪い」の除去はもちろん、よわよわカードであるスターターを削除することでデッキの質を上げるのにも一役買う。また、所持カードやレリックによってはデッキ枚数を極端に減らすことで「無限コンボ」を成立させることも可能であり、戦術によっては最重要コマンドと化す。

焚火のマーク、「休憩マス」もルート選びの上での重要度はかなり高い。休憩マスに止まると、体力を割合回復する「休憩」とカードを一枚「アップグレード(強化)」できる「鍛冶」のどちらかを選択して実行することができる。

基本的には永続的にカードの質を上げられる「鍛冶」のほうが将来性の面で有用であるが、死んでしまっては元も子もないため、強敵との戦闘が予想される場合には安定を取って「休憩」でしっかり回復しておく選択肢も重要。やはりここでも「リスクかリターンか」という「StS」における不文律が存在している。

 

かわいいボス。

「塔」には大きく分けて3つ(+1つ)の階層が存在し、階層の最後には毎回ボスが待ち構えている。ボスの種類は1つの階層ごとに3種類ずつ存在しており、どいつが出てくるかはランダム。どのボスが出てくるかはその階層に入った時点から地図で確認できるため、出てくるボスに合わせた対策をしっかり用意しておきたいところである。

ボスは皆順当に手強いものの戦闘報酬も相応に豪華で、カード報酬はレアカードが確定で出現し、さらにボス部屋の後の宝箱部屋では強力な「ボスレリック(ボスレリ)」を三択で獲得できる。

ボスレリの種類的には、デメリットを負う代わりに毎ターンの初期エナジーを1増やす通称エナジーレリック(エナレリ)」が半分くらいを占める。エナレリは強力な反面デメリットが相応に重く、ポーション獲得不可」「ゴールド獲得不可」「休憩不可」「鍛冶不可」などなど取った時点で過酷な縛りプレイが開始される。これまた「StS」のお約束、リスクとリターン、報酬と代償である。

何をするにもエナジーが不可欠なゲームであるためエナレリは喉から手が出るほど欲しいレリックなんだけど、状況との噛み合い次第では取らないほうがマシといった事態まで発生し得るのがまた秀逸なバランスである。デメリットはないもののメリットが小さすぎるよわよわボスレリ「小さな家」ですら選択肢としてちゃんと機能しているんだよね。

 

一応第三階層のボスがラスボスになるんだけど、とある条件を満たすと真ボス「心臓」のいる第四の階層に進むことができる。一応こいつを倒すのが最終的な目標かな。

また、一度クリアすると高難易度やりこみモードアセンション(登塔)」が解禁される。これが難易度1から20まであり、プレイヤーに厳しい条件が徐々に追加されていく。アセンション20ともなると血反吐を吐くほど難しいし運もかなり絡むんだけど、マゾヒスト腕に自身のある人はトライしてみよう。

一応全部遊んだ上で個人的にお気に入りの遊び方は「あえて低難易度で遊んで何連勝できるかチャレンジ」。明確な終わりがない分延々だらだらやっちゃうな。

アセ20とかで負け続けてるとだんだんプレイが雑になってくるし、それでも何回もトライしてたらいつかは上振れてクリアできちゃうんだよね。なので勝率をしっかり考えたりだとか下振れたときの対応だとかをきっちりこなして一回一回を全力で生き抗おうという遊び方はなかなか楽しい。慣れてきたら高アセで連勝チャレンジするのも良いね!

 

(条件を満たすと通常イラストをベータアートに切り替えられる。ゆるくてかわいいものから英語ダジャレ、パロネタなどなど面白ネタの宝庫なので是非確認してみよう。)

 

磁性マン!磁性マンじゃないか!

StS」は常に孤独な戦いだけど、磁性マンだけは一緒に肩を並べて戦ってくれてるんだと信じてる。

 

使用できるキャラクターは全部で4体いて、最初はアイアンクラッドしか使えないけど、プレイしてるうち他キャラも順次使えるようになっていく。

キャラクターによって「スターターデッキ」「スターターレリック」「登場カード」「一部登場レリック」が異なり、プレイ感覚はキャラによって全く違う。みんなそれぞれそのキャラ固有の悪さができて楽しいから、いろんなキャラを触ってみてお気に入りを探してみるのもいいかもしれないね。てことでプレイアブル4キャラを軽く紹介してみることにする。気になったやつがいたら相棒にしてもいいかもね。

 

1人目は悪魔に魂を売り渡した男アイアンクラッド。かっこいい。イメージカラーは。テーマは「アタック」「筋力」「弱体化」「廃棄」「HPリソース」

回復手段が限られてる「StS」において最初から回復レリックを持ってるとかいう初期キャラの癖して異端児。相手のHPを吸い取る全体アタック「死神」や、止めを刺すとマックスHPが上昇する単体アタック「捕食」の存在もあり、「HPで受けて全エナジーを攻撃に回す」などのゴリ押しプレイングも可能という生粋のゴリラである。また「HPを消費する代わりに効果が強力なカード」が豊富であり、HPをある種のリソースとして運用していくことが可能なキャラクターである。被ダメを回復でき、動きも単純であるという点から初心者にも扱いやすい。

全体的にアタックカードが強力かつ、被ダメージが上昇する状態異常「弱体化」を相手に付与できるものも多いため、アタックで火力を稼ぐのが非常に得意。攻撃バフである「筋力」上昇系カードや筋力を倍々に増やすカード「リミットブレイク」を活用することにより攻撃力を青天井式に増加させていくことが可能で、極まると狂った火力を叩き出す。

なら防御はどうなのかというと別に弱くはなく、むしろ単発カードで雑にブロックを稼ぐのは得意だったりする。単発で大量ブロックを稼ぐ「不動」、ブロックを倍々ゲームで増やす塹壕、ブロックをバリケードで次ターン以降に保持までできると鉄壁で、ブロック分のダメージを与える「ボディスラム」まであると火力も文句ないレベル。コモンながらブロック値も悪くなくドロー効果付きの「受け流し」もあるので安定感がすごい。

また、「廃棄(カードをその戦闘中だけゲームから除外すること)」を能動的に行えるカードが多く、状態異常や呪いを廃棄できることから高い耐性を持ち、戦闘中にデッキを削りこんで最適化することにも長けている。自分で自分のデッキを破壊するやつがいるか。コンボパーツ以外全部廃棄して無限コンボに突入したりもできるため、無限コンボ適正もかなり高い。

しかしながら、初期キャラ故かキャラパワー自体は他キャラと比べるとあまり高くなく、比較的ぶん回らないほう。高アセンションともなると回復程度では誤魔化しが効かなくなってくるので、一転して初心者にあんまり優しくないキャラになってしまう。良くも悪くも一番真面目に「StS」やってるというか、ゲームを壊すのに飽きちゃった人が一周して帰ってくる初心者向け兼上級者向けキャラといった具合である。渋くて良いキャラだと思うよ、アイアンクラッド

 

 

2人目は異国の女ハンター(アサシン?)サイレント。かわいい。イメージカラーは。テーマは「スキル」「敏捷性」「脱力」「捨てる」「毒」アイアンクラッドで一回プレイすると解禁。

防御面に秀でた長期戦向きキャラクター。雑にブロックを積むアイクラさんとは対照的に素のブロック値は大したことなく、防御値バフである「敏捷性」の増強やターンを跨ぐブロック付与、火力が割合減少する状態異常「脱力」付与などによって総合的に見て非常に堅い、というややテクニカルなタイプである。

ドロースキルが全体的に豊富かつ優秀であり、デッキが死ぬほどぶん回る気持ち良さを存分に味わえるキャラである。反面「捨てる(カードを捨て札に送ること)」効果が付随しているカードが多く手札使いはやや粗い。しかしこれを活用して邪魔な状態異常や呪いを捨て札に送ったり、「捨てる」がトリガーになっているカードやレリックを起動させたり等、一概にデメリットばかりではない。

主なダメージソースは、サイレント専用デバフ「毒」による継続的なダメージか、0コスアタック「ナイフ」召喚による手数攻め、あるいはその複合型である。

大きく火力を稼げるようなカードはあんまりなく、大抵の場合において地道な削りを強いられる。特に序盤は所要ターンの長さからダメージが嵩みがち。しかし毒の値を倍化させる「触媒」の複数積みや「悪夢」による増殖ができれば一転して爆発力が高まる。良くも悪くも触媒に火力を依存しているキャラといえる。

ナイフ軸は毒と比べるといまいち頼りなかったんだけど、近年のアプデでナイフ生成スキル「剣の舞」や0コス強化レリック「リストブレード」が強化されなかなか楽しい戦法になってきた。手数でステータス強化できる「手裏剣」系レリックとの相性も良くて揃うとゴキゲンになれる。

初手手札を増やすスターターレリックの効果もあり、仕上がった際の安定感は他の追随を許さないが、反面序盤においては火力のなさが響いていまいち頼りにならない。特に第一階層のエリートに対しては軒並み相性が良くないこともあって苦戦を強いられる。サイレントは序盤が一番山場だよ!

総評としてはカッチリ守り切ってから相手が毒で死ぬの見てほくそ笑みたい人向け。堅さといやらしさではナンバー1だ!最初のうちは強さや楽しさを実感しづらいんだけど使ってるとだんだん気持ちよくなってくるスルメキャラである。

 

3人目ディフェクトはオーブを操る戦闘用ロボット。かわいい。イメージカラーは。テーマは「オーブ」「パワー」「集中力」。サイレント解禁の次のプレイで解禁。

最大の特徴は戦闘中に展開でき自動で攻撃や防御などを行ってくれる4種類の「オーブ」の生成。オーブは基本3つまで保持ができ、溢れた分は「解放」され、消える前に強めの攻撃や防御を行ってくれる。ディフェクト専用バフ「集中力」でオーブ強化もできるので、極まると攻撃も防御も全部オーブで行いディフェクト本体はひたすらオーブ生成、みたいな戦い方もできる。

その戦闘中だけ永続的な強化を得られる「パワー」カードが強力で、仕上がったときの強さならだれにも負けない。パワーを無限に生成するパワー「クリエイティブAI」の存在により、試合が続く限り無限に強くなれるロマンの塊である。宇宙が見える。

立ち上がりが遅いのが弱点であり、パワーの展開を行う間は隙を晒しがち。これをどう補うかが課題となる。自動防御オーブフロストを生成できれば隙を補いやすい。フロスト生成&ブロックの「氷河」や0点フロストの「寒気」があると安定感抜群。

優秀な0コスカードが多いのも特徴で、弱体付与の「ビームセル」や脱力付与の「目潰し」で細かい手数攻めを展開しつつデバフを積んでいける。さらに0コス回収アタック「オールフォーワン」があれば捨て札の0コスを回収してまたぶん回せるのでひたすら気持ちが良い。

強力なサーチカード「検索」「ホログラム」を擁し、自由度の高い立ち回りを実現できるゲームメーカー。エナジー供給系カードもひたすら優秀であり、ドロー手段さえしっかり用意できればずっと俺のターンができ脳内麻薬がどばどば。一度ディフェクトの味を覚えるともう戻れなくなるかもしれない魅力があるキャラである。

完成すれば最強のキャラ。ていうか無限に強くなるから完成しない。しかしながら立ち上がりが遅くて使いやすくはないし、デッキ構築の難易度も高めで上級者向けの感は否めない。しかしながら中毒性の高さでは他の追随を許さない面白キャラだ。ディフェクト使った後に他キャラ使うと「あれ、オーブないの…?オールフォーワンは…?なんで…?」てなる。ある程度ゲームに慣れてきてから使うのがおすすめのキャラかな。

 

最新の追加キャラクター、4人目ウォッチャーは盲目の苦行僧。かわいい。イメージカラーは。テーマは「スタンス」「占術」「保留」「カード生成」。解禁は一番遅く、他キャラでゲームを一回クリアする必要がある。

最大の特徴は戦闘中の「スタンス」変更。カードの効果によって憤怒」「平静」「神聖の3つのスタンスを使い分けて戦うのだ。

基本は憤怒平静憤怒は発動中与ダメージも被ダメージも倍になるという超絶大味な効果でありハイリスクハイリターン。これによりウォッチャーはアイクラさんをも越えるゴリラと化す。平静は単体では何の効果もないが、解除時に2エナジーを得られる。平静憤怒のスタンス移行でダメージ倍化&2エナジー獲得、全力でぶん殴って試合を終わらせるというのが基本戦法となる。殴られる前に殴り殺せばノーダメ!守るターン、殴るターンのメリハリの強さがウォッチャーの特徴であり魅力である。

憤怒移行時に2ドローできるパワー「猪突猛進」があるとちょっと狂った強さになり、平静解除のエナジー供給も合わせると、スタンスをパカパカ変更するだけで相手が死ぬまで殴り続ける怪物が誕生する。その性質上無限ループが非常に組みやすく、ウォッチャーの攻撃性の高さを象徴している。

神聖は1ターンで解除されるちょっと特殊なスタンスで、専用バフ「マントラ」を10貯めると自動移行する。移行に時間がかかる分非常に強力で、与ダメージ3倍かつデメリットなし、しかも移行時に3エナジー獲得するという必殺のスタンスである。大味すぎんだろ!発動条件は厳しいけど決まると雑に気持ちよくなれるぞ。

それと「スタンスなし」も一つのスタンスとして扱われており、これを活用していくことも大切。平静「スタンスなし」なら2エナジー回収できるし、憤怒「スタンスなし」ならダメージ2倍化のデメリットを解除できる。「スタンスなし」に移行する「無の型」シリーズのカードは是非とも入手しておきたい。

手札操作・維持も非常に得意。

山札確認&任意捨て効果「占術」によるデッキ操作が可能で、ドローカードをある程度操作できる。特に占術付きコモンアタック「運命の切り開き」は強力で、占術実行で山札を操作してからドローするとかいうイカサマみたいな挙動をする。

カードを次ターンに持ち越す効果「保留」を持つカードも複数存在し、次ターンの手数増加や事故防止に大活躍する。特に「護身」などの保留付きブロックカードの安定感は半端ではなく、ブロックがいらないターンに引いても腐らず、必要なときに確実に使えるため強力。保留中は捨て札に行かないため2周目以降のドローがダブつきにくいのも地味に強い。

「カード生成」効果を持つカードも多く、手数攻めに少なからず貢献する。生成されるカードはだいたい保留ついてるのも強い。生成先の一つである高性能アタック「スマイト」も保留付きであり、憤怒神聖に合わせて吐くことで安定した火力の出力先として活躍する。

キャラパワーで言えば全キャラぶっちぎりのウォッチャーだけど、弱点は防御面の薄さと事故のリスク。

防御面についてはスタンスパカパカでブロックを積めるパワー「不動心」や付与した敵を殴るとブロックを積めるようになる永続デバフ付与アタック「拒絶の掌」があると殴るついでにバカみたいにブロック詰めてむしろくそ強いんだけど、逆に言えば防御面はこの2枚にかなり依存しておりこれらが引けないと守りに割くエナジーが増え、憤怒にチェンジするタイミングを逸してジリ貧に陥りがち。

またこれらのブロック付与手段はどちらもアタックのついでみたいな効果なので、持ってたとしても結局攻撃全振りのガン攻めキャラみたいな戦法になるのも攻撃偏重という印象に拍車をかける。

そしてウォッチャー使う上で一番怖いのがやっぱり手札事故。どれだけスタンス変更カードを積んでてもドローできないときはできないので、憤怒状態でターンエンドせざるを得なくなって致命傷ということもままある。ウォッチャーのドローや手札補強は後から効いてくるタイプが多いのもあって、引けないときはとことん引けないのだ。

4キャラの中で一番新参ということもあり、長期に渡ってバランス調整されてきた他キャラクターと比べると流石にちょっとキャラパワー高すぎだろ!と言わざるを得ない女ゴリラである。同じゴリラ枠のアイクラさんをちょっと食ってんじゃない?と言いたくなるくらいにはゴリラである。しかしながら超火力かつデッキがぶん回るというのはそれだけでハチャメチャに楽しく、ムチャクチャに爽快である。火力が高い分慣れると1プレイも比較的短くサクッと遊べるので、なんだかんだ僕の一番使ってる好きなキャラかもしれない。大味だけど大味なりの良さがあるキャラである。

 

knowyourmeme.com

なお一番かわいいのはサイレントちゃんです!!「フットワーク」はじめ足技系カードでおみ足が拝めるぞ!!

 

「Slay the Spire」、個人的にハマりにハマった作品であり、ちょっと離れててもまた不意にやりたくなってくる。ゲームする元気がない日でもなんかだらだら遊んで脳を溶かしてしまう、おかゆみたいな作品だと思っている。ゲーミングおかゆ

休みの日とかにやりたいことあったのにこのゲームだらだら遊んでたら一日が終わるとかよくある。寿命を削りにきてる。このゲームを世界的に普及させることで人類の生産性はだいぶ下がると思う。

めちゃくちゃ面白いのは確かなんだけど、確実に時間と脳髄が溶ける作品なので軽率におすすめしていいのかどうかは正直よくわからない。しかし僕の場合一時期めちゃくちゃ病んでたことがあって、そのときは調子悪くても遊べるこのゲームに逃避して乗り切らせてもらったりもしたので、すごく存在に感謝してる作品でもある。
心と時間の隙間を埋め、脳髄と時間を溶かし、魂と時間を焼却する。限りなく虚無的であって、しかし限りなく豊かに、僕の精神の安寧を担保してくれる作品。一人遊びの一つの到達点だと思う。

きっと誰かの心に寄り添って。「Slay the Spire」はいつもそこにある。

 

2570円、プレイ時間約880時間

プレイした日2019/09/26~2022/06/06

store-jp.nintendo.com