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遊んだゲームの感想なんかを書き残していこうかと思っています

「ゆるゆる劇場クラシック」紹介

ガラケーで380万ダウンロードを記録したゆるゆる脱力寸劇アドベンチャー「ゆるゆる劇場」シリーズが復刻してNintendo Switch向けソフトで帰ってきました!

 

笑いと狂気と、そしてちょっぴりのラブでこのゲームは構成されている。

「ゆるゆる劇場クラシック」とは、「G-MODE」の脱力系アドベンチャーゲームシリーズ「ゆるゆる劇場」の初期三部作を収録した復刻版である。

シナリオは「セパスチャンネル」「千羽鶴三部作」でお馴染みの幸田御魚氏、キャラデザは「ウゴウゴルーガ」、「がるメタル」などの青木俊直氏が担当。

僕は今回初見で遊んだんだけど、端的に言って頭がおかしくなりそうだった!御魚さんの暗黒面が作り出したゲームだぞこれは…!しかし超現実的な世界観の中に感じられる生活臭、生々しさ、人間臭さが確かにあって、「らしさ」を感じる作品なんだよなぁ。なんというか「燻ってる人間」を魅力的に描くのが抜群に上手いと思う。

 

スラップスティック、ブラック、パロディ、下ネタ、不条理の宝庫で、狂気的なユーモアに満ち満ちた恐ろしい作品である。しかしそれだけに終わらないシナリオ構成の巧みさが光る作品でもあり、王道の展開から狙って外してくる感じがたまらない。突飛な展開が多々ありながら最後は収まるところにキッチリ収まる構成は見事と言うしかなかった。

 

このゲームには脱力シーンやユルい表現が含まれています!注意!

 

ゲーム性としてはオーソドックスなアドベンチャーである。フラグアイテムを探したり使ったりしながらお話を進めていくのだ。RPGの戦闘抜きって言ったほうが感覚的に近いかもしれない。

基本的には「あかまる」「ゴムーン」「口ボット(くちぼっと)」のトリオが中心のお話だね。

ストーリーを簡単に説明すると、

「1」は朝起きられないあかまるが弱点を克服するために「ヘワイ」まで遠征する話。

「2」はゴムーンが帰郷するからみんなでついて行く話。

「3」は哀・恥球博で偶然鉢合わせた三人がなんやかんやする話。

です!かなり端折っててすまん!物語は自分の目で確かめてみてくれ!

 

ちなみに通貨は「メミ」と呼ばれる虫みたいな生き物の抜け殻ね。そんなゲームある?

 

「あかまる」は女優を目指す29歳。語尾に「まる」をつけるのが特徴。あと部屋がクソ汚い。

メインの三人組の中でも比較的出番が多くて主人公格って感じがする。三人並ぶ場面でもセンターにいることが多い。

 

結構辛辣なところがあるよ。ギスギスは基本。

「ゴムーン」は34歳独身無職のフリーダム人間。何かを咎められる度によくわからない言い訳を繰り返すちゃらんぽらん。

ゴム製のスーツをいつも着ていて素顔は不明。地上波でお見せできない感じの姿らしい。

ちなみに僕の一番好きなキャラです。最低すぎて逆になんか好き…。

 

最初見たとき「コンドームみたいな見た目だな…。」って思ってたけどほんとにコンドームじゃねーか!

ゴムーンの故郷は人の形から建物の形から雪の形まで全部コンドームでやばかった。コンドームシティかよ。

 

イボつきバージョンもあるぞ!自重してくれ!

 

基本的に扱いは悪い。

 

「口ボット(くちぼっと)」は関西弁を喋る謎のロボット。2以後は「プラトニック商事」で働いている。

比較的常識人でありツッコミに回ることも多い。

 

お前ロボだから大丈夫だろ!

 

この作品は「あかまる」「ゴムーン」「口ボット」、しばき合いながらも腐れ縁のこの三人の友情物語と言えるかもしれない。しょっちゅう友情崩壊するけどな!

 

この作品では何をするにもミニゲームだ。証明写真撮影やらバリウム検査やら妙に現実的な題材をミニゲーム化してたりする!

 

煩悩の数だけ縄を跳んで地獄から抜け出せ!

 

「神経適度に衰弱」でメミ稼ぎだ!ずっとやってるとほんとに衰弱してくるから困る。

 

身に覚えのあるゲーム「カエース」はコマをひっくり返すボードゲーム!既視感がすごい!ミニゲームだとこれが一番面白かったなぁ。

 

人を食ったようなミニゲームは他にもいっぱいあるぞ!君のお気に入りを見つけよう!

 

ゲームセレクト画面から行ける神の塔ではクラファン支援者が祀られていて、いつでも確認ができる。ちょくちょく知り合いの名前があってちょっと笑ってしまったね。世間は狭い。

ミュージアムのBGMは「3」のエンディング曲「ウイロウザワールド」のボーカルあり版で、ふざけた歌詞だけど妙に心に沁みる良曲である。

 

狂気的なユーモアに満ちた恐ろしいゲームだった…。一作遊んだ時点でなんか人間が摂取しちゃいけない致死量の毒が混入していた気がするんだけど、このゲーム恐ろしいことに三部作遊べちゃうからね!ちびちび遊ぶことをおすすめします…。

しかし見かけはファンシーなのに果てしなく生々しいというか、不条理の中に人間臭さや人生を感じてしまうんだよな。あのトリオは確かに生きていて、ここにいて、何か変な親近感すら覚えるような、奇妙な現実性を持った作品だった。

このゲーム、やばいとこしかないのでいちいち挙げてくと全編ネタバレになるから紹介はこの辺にしておくぞ!ただ面白いのは確かである。

ゆるくて不条理なブラック・コメディがあなたを待つ!

 

980円、プレイ時間約5時間

プレイした日2022/04/04~2022/05/10

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