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遊んだゲームの感想なんかを書き残していこうかと思っています

「千羽鶴」シリーズ三部作紹介

じわじわ面白い短編ホラー作品群。

 

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千羽鶴シリーズとは、G-MODEが展開していた携帯アプリ用ホラーノベルのシリーズである。現在はG-MODEアーカイブスで遊べる。今回はシリーズ作品である「千羽鶴」、「ナイトハイク」、「臨時終電」の三作を紹介していきたいと思う。

 

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まずは一作目「千羽鶴」から。

平凡なサラリーマンである主人公は、恋人が搬送されたという「九十九総合病院」へと向かう。聞いたこともない病院だな、と訝しみながらもバスに揺られる主人公に一人の老婆が話しかける…。というとこまでが触りの部分。

選択肢によって世界がパラレルに分岐し全然違う話になるという昔懐かしいタイプのサウンドノベルであり、最大の特徴は「選択肢がカードになっている」こと。どういうことかというとこのゲーム、開始時にABCの三種類のカードの比率を設定するんだけど、選択肢を選ぶごとにこのカードが消耗されていく。そしてカードがなくなるとその選択肢は選べなくなる…、というシステムである。

序盤はこのシステムのせいで思うように選択肢を選べずやきもきすることになるんだけど、エンディングを一つ拝むたびにカードの総量が増えていくので最終的には気にしなくてよくなる。序盤は不便だけど終盤は無いのと同じになるという、機能してるんだかしてないんだかよくわからない謎システムである。

 

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シナリオは正統派ホラーからギャグまで多岐にわたりプレイヤーを飽きさせない。

ホラーと一口にいっても霊障系や殺人鬼系、生物兵器から精神病オチまで様々で、病院ネタという縛りがありながらよくこんなにシナリオが組めたなぁと思うくらいには豊富さがある。縛りといえばこの作品、「オチは全て千羽鶴に絡める」という謎の縛りがあり、何が何でも千羽鶴に絡めて無理やりタイトル回収してENDという様式美がある。ずっとやってるとじわじわ笑えてくるから面白い。

個人的には脱力系の宇宙人ENDが好き。宇宙人ENDは後のシリーズにも続いていくことになる…。

 

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全クリすると読めるおまけシナリオはひたすらフリーダムでメタ発言全開。急にゆるゆる劇場の宣伝が挟まったりするぞ。(ゆるゆる劇場クラファン成功おめでとうございます。)

最後の最後までテキストで楽しませてくれる作品で面白かった。でも僕は何があってもこの病院には行きたくない!

 

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続いて第二作「ナイトハイク」。

駆け出しの記者である主人公はナイトハイクという耳慣れぬ言葉に惹かれてあるアウトドアツアーに参加する。参加者の女性といい感じになりつつも登山するが何やら不穏な気配もあり…。というとこまでが触り。

千羽鶴と同じく選択肢で世界がパラレル分岐し全然違う話になる。カードシステムも続投。基本的には前作と同じ感じね。

全体的にパワーアップしてエンディングも増えてる。ある程度進めるとヒロインが主人公になるシナリオも追加されてボリューム十分。

 

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山というシチュエーションを活かした妖怪ネタが特に面白かったかな。お馴染みの殺人鬼ネタとも相性抜群。やはり山とホラーは切っても切れない関係だね!(自分山怖好きなので…。)

お色気かと思いきやタイ古式マッサージされるENDは笑ってしまった。

 

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恒例の宇宙人ENDも酷すぎて笑っちゃった。ヒロインのキャラが結構強いんですよ本作。

もはや山関係なくない!?というシナリオも結構あるんだけど、シチュエーションを活かしたシナリオもたくさんあって楽しめた。僕はこの山には絶対行かない!

 

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三作目「臨時終電」はシリーズ最高傑作と言ってよい作品。

終電に乗り合わせた数人の乗客。しかし、この電車は何やら普通ではなく数々の超常の減少に巻き込まれる…。というストーリー。

基本は前二作と同じなんだけど、乗客たちそれぞれが主人公のパートが挟まるのが特徴で、全員の行動がエンディングに影響していく作品。

後から効いてくる選択肢が多いのも特徴で、このフラグ条件を満たしてこのフラグは満たさない、みたいなエンディング条件もあるのでコンプリートの難易度はシリーズで一番高い。

 

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なんといっても嬉しいのがこのシナリオチャート!シナリオが複雑化してる本作では必須の要素でありこれがないと迷いまくる。これがあっても迷いまくったけど!

一つの大きなシナリオがあって、寄り道でおまけ的なシナリオがあるという構造になっている。全体的にシリアスでギャグ分が減ったのは残念だけど、真ENDはすごく良い話だったので良し。

 

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そんなに多くはないけどギャグシナリオも良好。戦隊パロENDは笑った。全部パラレルだからって何やっても許されると思ってるでしょ!

 

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ただ臨時終電で僕が一番びびったのは画面が急にバグったときね。再起動したら直ったけどある意味ホラーよりもびびった。一瞬演出かと思ったわ…。

個人的に「後から効いてくる選択肢」というのが苦手で、シリーズで一番苦戦した作品なんだけど、それだけに一番作りこんでるのも伝わった作品。読後感も良くて、一番におすすめするならこれかなぁ。ただ僕はこの電車には乗りたくない!

 

ということで千羽鶴シリーズの感想を書いてったけど、一番軽いノリで楽しめるのは「千羽鶴」、キャラが立ってるのは「ナイトハイク」、単純に一番出来がいいのは「臨時終電」かな。ストーリーも繋がってないのでどの作品から読んでも問題ないぞ!お値段も全部500円とお求めやすい価格。軽率におすすめしていきたい。

 

500円、プレイ時間約2時間

プレイした日2021/05/22

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500円プレイ時間約2時間

プレイした日2021/05/22~2021/05/23

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500円プレイ時間約3時間

プレイした日2021/05/23

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