G-MODEアーカイブスで個人的に一番推してるタイトル。最初の一本におすすめしたい。
セパスチャンネルとはアイデンティティを模索するRPGである。ボーイ、ガール、そして犬。この街の人々はみな何かを失い何かを探している。
「街」が舞台のRPGであり世界が狭い街と抽象世界とでほぼ完結している、箱庭的構造を持つ作品であると言える。この狭さが作品の魅力を増していて、キャラクターに対する親近感であるとか、等身大の物語への没入であるとかを助けてくれる。きっと人一人が居場所を見つけるにはちょうど良い広さなんだと思う。
ザッピングシステムを採用し、ボーイ、ガール、犬、+1を切り替えながら話を進めていく。例えば誰かが捕まったら他の誰かに捜査を切り替えて助けに行くといった具合。
抽象世界、アストランドへは博士の発明したLSドロップとかいうやばいアイテムで突入する。博士、庭にやばい植物を栽培してたりするのでだいぶマッドな感がある。
抽象世界内の幻想描写は個人的に好きなポイント。不思議で面白く意味ありげなテキストと現世の理から解き放たれたような楽しくも恐ろしい世界がここにある。
登場人物はみな何かを失いそれを探している。信じた人に裏切られたり挫折を経験したりしながらもそれぞれの生き方を模索していく。人と人とを結ぶ物語、こころのどこか、やわらかい部分を刺激するような作品だと思う。
軽めのRPGをちょっと遊びたいひとにもおすすめ。素敵な体験ができる作品です。
500円、プレイ時間約5時間
プレイした日2021/4/10~2021/4/12