だから僕たちは…この腐った大地に、根を張り、醜い花を咲かせるのだ。
「メンヘラフレシア -Flowering Abyss-」とは、「CHARON」プレゼンツのメンヘラ恋愛ホラーアドベンチャーゲームである。ヒロイン全員メンヘラです。
暴力シーン、グロテスクな表現、猟奇、精神的ブラクラにまみれた作品である。耐性のない方にはあんまりおすすめできないかな!僕もそんなに耐性ないほうだけど、このゲームにはなんだかビビッときてしまったので、特攻かまして当然大ダメージ受けたという…。まあ自己責任ということでお願いします。
所謂「メンヘラ」の女の子と恋愛を楽しむゲームなんだけど、この作品はプレイヤー自身に精神攻撃を仕掛けてくる。…というか精神攻撃がゲームの形してるといったほうが正確かもしれない。文量で言えばそれほどでもないんだけど、読めば読むほどダメージがでかすぎてチビチビとしか進められず、一か月くらいの格闘の末なんとか読破したわ…。
個人的な話になるけれど、全般性不安障害の方と以前付き合ったことがあって、なんやかんやで大概僕のほうも俗に言うところの「メンヘラ」になってしまったのね。そのせいで、作品中の描写をなんだか他人事とは思えなくて心がざわざわしてしまい、純粋な娯楽として楽しめなかった部分がある。メンヘラフレシアと僕の心がメンヘラ超決戦を始めてしまうんだ。
しかし、それでも作品を通して作者の歪んだメンヘラ愛というかリビドーをひしひしと感じられたのでそれは良かった。愛すれば愛するほどに嵌っていく泥濘。甘い甘い、死臭に満ち満ちているゲームだ。
ヒロインは五人いて、最初の五択で分岐。それぞれのルートはパラレル。故にヒロイン同士が出会うことはない。主人公の「いたろー」くんも学生だったり社会人だったり設定がまちまちだ。
いかれたヒロインを紹介するぜ!一人目は「まつり(CV:中原麻衣)」ちゃん!明るいボクっ娘がハマり役だ!しかし、明るさの中にどこか影を感じさせる…。ちなみに僕の一番お気に入り。
最初の選択肢が黙れブタなのは酷くないかい?
二人目「みほみ(CV:田中あいみ)」ちゃん!主人公を慕ってくれる、妹系キャラだ。突然家に泊まりに来るイベントが発生したりするぞ!
仲良くしてあげようね!
三人目の「あゆめ(CV:健屋花那(にじさんじ))」ちゃんはBARで出会う大人の女性。なんだかヒミツがあるみたい!
大人の秘密を覗いてみませんか。
四人目、「もえこ(CV:芹澤優)」ちゃんは社会人と救世主(イル・サルバトーレ)との二重生活!彼女の使命を手伝ってあげよう!
クララたんが世界を救うその日まで…!
最後はお嬢さまの「ねねね(CV:桃鈴ねね(ホロライブ))」ちゃん!指輪を拾ってあげるところから恋は始まるのだ!
何でもない、平穏を求めて。
エンディングは1キャラにつき2つ、BAD ENDとHAPPY ENDがある。ただしHAPPY ENDにハッピー要素があるとは言ってない!このゲームを遊ぶときは一切の希望を捨てよう。
主人公のいたろーくんは、どのルート行ってもメンヘラと付き合って酷い目に遭ってるけど、普通に酷いこと言う奴だからあんまり同情できないな!メンヘラホイホイ体質は普通にかわいそうだけど、見る分にはちょっと面白いね。
ルートクリア後にもらえるキーワードを集めるとTRUE ENDを見ることができる。また、いつかどこかで咲いたかもしれない彼女たちの別の未来を描いた短編や、全員集合のラフレシアティータイムを覗くことができる。
主人公の悪友、「ゆきまる」にスポットを当てた短編、ゆきまるバイプレーヤーも読むことができるぞ。
テーマパークに来たみたいだぜ
テンション上がるなぁ~
なんとか読破したがギリギリの闘いだった!読む暴力だぞこれは!
ある種究極の自己中心的人間の、確固とした、それでいて不安定な、暴力的自我の破滅的生き様、死に様がそこにあった。愛すれば愛するほどに正気を削られる。しかし刹那的に輝く少女性が確かにそこにあって、それこそがこの作品の人を惹きつける無二の魅力なのだろうと思う。
おすすめはします!ただし自己責任で!
1980円、プレイ時間約5時間
プレイした日2022/01/25~2022/03/05