「VA-11 Hall-A」紹介
一日を変え、一生を変えるカクテルを!
VA-11 Hall-Aとはサイバーパンクバーテンダーアクションである。ただしアクション要素はなく、基本的にはテキストを楽しむADV。
バーテンダー「ジル」となって客にカクテルを提供し、愚痴を聞いてあげたり猥談に花を咲かせたりするのだ。
舞台は207X年の架空の都市グリッチシティ。サイバーパンクな世界で高性能な義手や肉体改造を施すことも当たり前となっている他、リリムと呼ばれるアンドロイドにも市民権が与えられ普通に生活している。一方で市民にはナノマシンが注入され監視されていたり警備組織ホワイトナイトが幅を利かせていたりとディストピアじみた面もある。
ゲーム進行はとても簡単で、テキストを読みながらたまーにカクテルを作るだけ。選択肢はほぼないが提供するカクテルによって会話が分岐することがある。
カクテルの作成も非常に簡単。常にレシピを参照できるのでその通りに作れば間違いはない。また失敗しても何度でも作り直せるので安心。時間制限などもないので気楽に作ることができる。キッチリ正しく提供してお金を稼ぐのだ。
お客さんだと一番好きなのはロリ系セクサロイドのドロシーちゃんかな。基本的に天真爛漫で面白い女の子なんだけど意外に人生経験豊富で人の感情の機微にも良く気が付くところがある。
ボカーン!
みんなの頭の中にもいる大人気キャラクター、脳みそも来店してくれるぞ!意外と常識人。
自宅ではダラダラネットニュースを眺めたりできる他、家具を注文することもできる。家具は単純にインテリアとして楽しめる他に、ジルが欲しがってる家具を購入することで仕事に集中させる効果もある。これをしないとジルはブラの紐が擦れてかゆくなったりしてカクテル作成のヒントが表示されなくなり難易度が上がる。
ただし家具を買いすぎると家賃が払えなくなってBAD ENDに突入する。した。でも別にデメリットもないから一回くらい見てもいいかも?
自分だけの部屋を作ろう!
全然関係ないけどVA-11 Hall-Aの世界ではYⅡKが超絶大ヒットしてリマスターが擦られまくり、街ではYⅡKのイベントがあってコスプレイヤーが闊歩していたりする。どんな世界観だよ。だんぐわんロンぱっ!より売れてるし。
いつか遊ぶので許してください…。
シューティングゲーム、モデル戦士ジュリアンの筐体を購入して遊ぶこともできるぞ!まあまあ楽しい!
みんな大好きメガクリスマスはTRUTH or DAREで遊ぼう!お酒の席の余興みたいなもので、指名された人は命令を聞くか暴露かを選ぶんだ。会話差分が豊富にあるので楽しい。全通り試しちゃった。
とまあ楽しさに溢れてるゲームなんだけど、シナリオもほろ苦くてまた良いんだ。
誰も英雄じゃない、世界はそう簡単に変わらない。このお話は主人公ジルのごく個人的な葛藤と挫折と、一度は投げ出した大切なものに向き合う少しばかりの勇気の物語だと思う。
すごく良くて、ずっと浸っていたくなる作品だった。これがゲームで、テキストが有限で、この世界が自分の現実と地続きに存在していないことを忘れそうになるほどに、奇妙なリアリティを孕んでいた。おすすめです。
2160円、プレイ時間約20時間
プレイした日2020/09/20~2020/12/16