武器は罠だから買うなよ!!
星をみるひとは1987年に発売されたやばいRPGである。switch版は移植にあたってクイックセーブ&ロード、巻き戻し、移動速度2倍などに対応している。というかこれがないとクリアできんかったわ…。
当時の説明書も読めるぞ!単純に資料として面白いし薬の調合法なんかも書いてあるから有用だ。ついでにファンアートもたくさん収録している。愛されてるゲームなんだなぁ…。僕もなんだかこのゲームが好きになっちゃったし。不思議な魅力があるゲームですね。
記憶喪失で超能力者の主人公が、能力者狩りの手から逃れながら仲間を探して、みんなで世界の謎を解くSFRPG。…なのはいいんだけどゲームバランスがやばい。
まず店に売ってる武器が罠。買うと敵に通常攻撃が通じなくなるうえに外せないのでもう最初から始めちまったほうがいい。最初から始めました。
武器が使えない以上序盤はほぼステゴロでいくしかないんだけどこれが弱い。0~3ダメージで固定なのに序盤からHP二桁の敵とか出てくる。
ESP(魔法)を使うこともできるんだけどこれも不安定な上に弾数が限られてる。このゲームエンカウントが鬼なんで絶対足りなくなるんすよ…。
序盤から敵が容赦ない。ふっかつしゃとかいう序盤のステータスじゃ絶対勝てないような奴がうろついてるし、さらまんどという敵はかりうを投げつけてくる。このかりうというのがやっかいで、投げつけられると身体中に寒気が襲って動けなくなる。永遠に。永遠である。かりうされたら最後永遠に自分のターンは回ってこなくなり死ぬまで殴り続けられる。一応治せなくはないみたいなんだけど味方キャラが治してくれるようなかたちになるので序盤の一人旅では治療不可。
コマンドに逃げるがない。ESPでテレポートして逃げるんだけど一人ずつ逃げるめんどくさい形式だし序盤は使えない。
それはそれとして、味方キャラのレベルが上がるとHPだけアホみたいに成長する。実質死ななくなるので回復手段のない敵やかりうを投げてこない敵なら素手で地道に殴れば倒せるようになる。あのふっかつしゃも倒せるようになるぞ!めちゃくちゃ時間かかるけど。
逆に言えば回復手段のある敵の場合ESPで仕留め損ねると永遠に終わらなくなるし、かりうを食らった場合相手がこっちを削りきるのに途方もない時間がかかるのでもうリセットしたほうが早い。
…とまあなかなかアバンギャルドなバランスのゲームです。
死んだらメッセージで罵られるのもひどい。こんなとこに墓を立てないでくれ。
とまあそんなゲームなんだけど実はすごく面白いところがあって、キャラクターのレベルが上がるとフィールドで使用できる特技を習得するんだ。
「じゃんぷ」を覚えると障害物をジャンプで飛び越えられるようになる。家の壁もジャンプで飛び越えたりダンジョンをゴリ押しで進めるようになったりする。これにより少しずつ探索できる範囲が広がっていくのだ。楽しい。
「てれぱし」を覚えるとNPCの心の声を聴くことができるようになる。有用なものからわけのわからないものまで様々で聞き込みがとても楽しい。
またこれらの能力はキャラごとに得意があって、キャラの個性付けになってるのも良い。
ただ聞き込みをするといっても大抵がお使い的なものなのでやや単調さはある。あとひどいのがIDカードという扉を開ける鍵のようなアイテム。これがなんと消耗品でしかも勝手に消費されていく。例えばIDカードを一枚持って牢屋に入ったら出れなくなって詰む。帰りのIDカードも必要なのだ。しかも種類がいくつかあってどのIDカードが必要なのかも事前にわからない。しかもくっそ高い!
四人目の(キャラ順的には三人目だけど)味方キャラであるみさを仲間にする際もこのIDカードが大量に必要となる。やってられんわ!!やったけど…。
このゲーム、何気にマルチエンディングを採用していて、ラストの選択肢でエンディングが分岐する。終わり方はどれも簡素なものだけど、試みとしては面白いね。switch版では未使用エンディングも拝むことができるぞ!必見。
総評としてはこのゲーム、バランスはやばいんだけどSFRPGとしてはめちゃくちゃ面白いですね。キャラクターの台詞の一つ一つに味があってまたいいんだ。気の抜けるような誤字も多いけどそれもまた味ということで…。
たまには変わり種のRPGでも、という方におすすめできなくもなくは…、いや、おすすめです。買いましょう。
990円、プレイ時間約10時間
プレイした日2020/12/17~2020/12/19