十九時十分をお知らせいたします

遊んだゲームの感想なんかを書き残していこうかと思っています

「ロジカル真王(シンキング)」紹介

『ロジカル真王』がNintendo Switch™で登場!!
究極の頭脳戦 × 心理戦を楽しもう!!

 

イッツ・ア・ブリーズ。

(たいしたことないね)

「ロジカル真王(シンキング)」とは、論理的思考力・知略・心理戦、全てを駆使して戦う最高のゲームである。真王と書いてシンキングと読ませるセンスすこ

元はアナログの2人対戦カードゲームで、今回はそのデジタル化作品ね。

紙版も持ってるけど、比べた感じ、効果発動を忘れるとか隠しカードを倒しちゃうとかの事故がないからめちゃくちゃ遊びやすいね!デジタル化の恩恵を最大限に受けてると言える。

ただし紙版は面と向かっての相手の表情や手癖で読む面白さがあり、紙版には紙版の魅力がある!どっちも面白いのでお好みで気になるほうを遊ぼう。

メディアミックス的に週コロでも連載されているのでこちらにも注目。今後に期待大である。面白いしルールもわかりやすいので、よかったら読んでみてね。↓

ちなみに冒頭の「イッツ・ア・ブリーズ」は主人公の決め台詞であり煽り文句である。ひでえ奴だな!

 

www.corocoro.jp

 

このカードゲームは1VS1の限界ガチンコタイマンバトルだ!知力を尽くし、己のプライドを賭けて戦い、一瞬の選択が運命を分ける!めっちゃ頭が疲れるので糖分補給しておこう。

このゲーム、簡単に言えば「相手の隠しカードの数字を全部当てたら勝ち」!数字の当てっこゲームだね。

使用するのは0~9までの数字が書かれた10枚のカード。これが1セットずつ、両プレイヤーに公平に与えられる。このうち2枚を隠しカードとして左右に配置し、残りの8枚を手札とする。

最初にやるのは先攻後攻を決める運命のコイントス。乱数で決まるのはここだけなので、こればっかりはロジック神に祈るしかない。

自分の番になったプレイヤーは、「1.手札のカードを1枚使用して効果を発動」し、「2.相手の隠しカードを1枚選択し攻撃」する。

「攻撃」というのは、カードのナンバーを当てることだ。例えば「8!」って宣言して隠しカードがほんとに「8のカード」だったら攻撃成功(ロジカル!)。その「8」は相手の手札に戻るぞ。攻撃失敗(ノーロジカル!)なら、それはそれで「8じゃない」ということがわかるので貴重な情報だ。ちなみに攻撃されたら嘘はつけないので安心してほしい。

そうして手番を交互に繰り返して、相手の隠しカードを当てて先に0枚にしたほうの勝ち!なんてシンプルなゲームなんだ!

ちなみに、「1.手札のカードを1枚使用して効果を発動」が実行できない、つまり手札が0枚の状態で自分のターンが来た場合は強制敗北になるので覚えておこう。

 

そんなシンプルなルールで、誰でも簡単に楽しめる本作。しかしこのゲームの奥深さはカード使用時に発動する「特殊効果」にこそある。カードを使いこなした者こそが勝利を掴むのだ!

「なぜそのカードを使ったか」、あるいは「なぜあのカードを使わなかった(使えなかった?)のか」、このゲームの読み合いは「特殊効果」を前提として成り立っていると言って良いだろう。

ということで、このゲームで使う10枚のカードをさらっと紹介していこう。お気に入りのカードや戦法が見つけられたら幸いである。

 

「0.守護の盾」。効果は「相手は次ターン攻撃できない」!

これを使われると、単純に相手は1ターン攻撃の権利を失う。「次のターンが確実に回ってくる」という行動保証はありがたく、手札にあるだけで安心感が違う。

まさに「守護の盾」の名に相応しいお守りカードと言えるだろう。

「守護の盾」に「守護の盾」で対抗されるのはお約束。

次死ぬかもしれない場面で相手が、「守護の盾」を使ってこない、ということは隠しカードなのか…?あるいは、そう読むことを見越してあえて手札に保持しているのか…?という読み合いを、使わなくても発生させることができる、ある意味このゲームのセオリーに忠実なカードと言える。存在することが価値なのだ!

 

「1.破壊の剣」。効果は「相手の手札を1枚破壊する」!

みんな大好き手札破壊効果である。このゲームにおいて「手札の枚数=隠しカードの可能性の広さ」である。それを削ることは、勝利に一手近づくことと同義である。

まさに「破壊の剣」の名に相応しい攻めのカードと言えるだろう。相手の作戦のキーカードを潰し、計画を狂わせることができたなら、その恩恵はさらに大きい。

ちなみに、手札残り1枚の相手にこれを使うと、手札0枚状態の相手にターンを回せるので、ライブラリアウト勝利が確定する。その際は、相手の手札を増やさないために「攻撃をわざと外す」ことも立派な作戦である。

 

「2.連撃の銃砲」。効果は「このターンは2回攻撃できる」!

理論上、このカードで左右2枚の隠しカードを一度に当ててしまえば、どこからでも勝利可能。最悪1ターン目に即死攻撃を放つことも可能…かもしれないというロマンカードである。

しかし、このカードの本質はそこではない。手が進み、相手カードの特定が十分に完了し、相手の隠しカードの中身を確信できたとき…「連撃の銃砲」は効果を最大限に発揮する。「2択」ならローラー作戦で確実に始末することができるのでより良い。

「博打カード」ではない。「確実に当てる」ためのカードなのだ。ロジックを突き詰めた者が勝つ、このゲームの魅力を凝縮したようなカードであると言える。

 

「3.循環の首飾り」。効果は「場のカードを1枚手札に戻す」!

自分の場のカード、つまり自分の既に使用したカード群から、一枚選んで手札に戻せるテクニカルなカード。このカードの使用にターンを使うぶんやや手が遅い弱点はあるが、強力な効果のカードを回収し、再使用できる効果は強力。「1.破壊の剣」で破壊されたカードも回収できるので、不測の事態にも対応できる。

「使用しても手札が減らない」という特性も非常に強力。「循環の首飾りで循環の首飾りを回収」を繰り返すことで相手に情報を与えない作戦や、「1.破壊の剣」によるライブラリアウト戦術に対する対策としても機能する。じわじわ効いてくる防御的な一枚といえる。

 

「4.真実の杖」。効果は「隠しカードが4以下か分かる」!

情報アドバンテージを得るカード。指定した隠しカード1枚が、「01234」と「56789」どちらに属するか判定することができる。

このゲームにおいて「可能性」とは即ち「防御力」であり、「手札を使うこと」は「隠しカードの隠れ蓑を一つ失うこと」である。相手の防御を削ぐ基本的な運用は勿論のこと、可能性を削れば削るほど相手は手札の自由が効かなくなってくる。

例えばこのカードの効果で「0か4の二択」となった場合、相手は0か4を使用した時点で隠しカードを確定させてしまうために、おいそれとは撃てなくなるだろう。「実力行使」と「脅し」の二面性を持つカードと言える。

 

「5.比較の指輪」。効果は「左右の隠しカードの大小がわかる」!

こちらも情報アドバンテージを得るカード。ただし「左右を比べる」という特性上、相手の隠しが2枚ある状態でしか効果を発揮できない。序盤にこそ力を発揮するカードと言える。

「左右の大小がわかるだけ?」と思うかもしれないが、その実得られる情報はかなり多い。仮に、初手に使っただけでも「大きいほうは0でないことが確定」「小さいほうは9でないことが確定」する。

しかも、例えば小さいほうに0で攻撃宣言してハズレだった場合、「小さいほうは1以上」という情報に加えて「大きいほうは当然2以上」という情報も得られる。つまり、使っただけで倍のペースで特定作業を進められる上に、この情報が終盤にまでずるずる尾を引くことになる。

「初手5」はこのゲームにおける一つのセオリーだが、あえて温めておき相手が「7.交換の外套」や「9.復活の玉座」で情報をリセットしてくる瞬間を狙うのも手である。

また、なまじ序盤で強いが故に、相手が使ってこない場合「隠しカードか?」「それとも手札で腐らせたか?」という読み合いが発生しこれもかなり熱い。

 

「6.予知の冠」。効果は「相手の手札を2枚公開する」!

ピーピング効果を持つカード。「手札2枚」の情報アドバンテージはいつ得てもおいしいが、手札が減り「2枚の価値」が相対的に上がってくる終盤でこそ真価を発揮する。

極端な話、相手の残り手札が2枚なら「予知の冠」を使うだけで相手の隠しカードが確定してしまう。

仮に残り隠しカード2枚の場合、左右でどっちがどっちかはまだ確定しないが、終盤ならだいぶ情報も集まってるだろうし、外したら外したでその情報も確定してしまうので、次のターン「2.連撃の銃砲」で仕留めることだってできる。

このカードの一撃圏内に入るかどうか、はバトルの分水嶺になり得るだろう。

 

「7.交換の外套」。効果は「隠しカードを手札と交換する」!

情報リセットを行う防御的な一枚。ちなみに、使用した場合手札と隠しカードの交換は必ず行わなければならない。

「4.真実の杖」「5.比較の指輪」によって絞り込みが進んでいる隠しカードを、このカードでリセットできるとおいしい。また、「手札に戻させないために、確定している隠しカードをあえて攻撃指定しない」という作戦に対する明確なリスクにもなっている。

単純に、「使いたいけど隠しカードになってるせいで使えないカード」を手札に戻す用途にも使える。情報リセットのついでにできるとなお良い。

 

「8.回避の鎧」。効果は「次の相手カード効果を無くす」!

効果無効効果である。相手はカードを出しても効果を発揮できないが、「カードを出す義務」はちゃっかり発生するので、実質「手札を捨てさせる」効果でもあると言えるかもしれない。

ちなみに、回避の鎧を使われた後に回避の鎧を使うと、回避の鎧(先)の効果により回避の鎧(後)の効果が発動しない。つまり無効で無効が無効になる。なんのこっちゃ。

「0.守護の盾」による行動保証、「2.連撃の銃砲」によるワンチャン、「9.復活の玉座」による回復等、状況不利を打開するための行動を軒並み無効化することができる強力な効果。性質上、「自分隠し2-相手隠し1」の有利状況を勝ちに持ってくのが得意で、「自分の生存が確定」&「1回攻撃できる」&「相手は1枚カードを捨てさせられる」というガン有利状態からまた自分のターンを始められる。

友達をなくすこと以外デメリットがない強カードである。

 

「9.復活の玉座」。効果は「場にない数字を隠しカードにできる」!

「場にない数字」とは、「自分も相手も捨ててないカード」のことである。自分の捨てたカードは当然手札に存在しないので、実質相手の捨てたカードだけ気にすれば良い。

実質的な「第三のライフ」。強いとか弱いとかじゃなくてもはやシステム。このカード+新しく隠しにするカードを使うので手札が2枚減るのが難点だが、ライフが増えるのは単純に強いし、寿命が延びれば相手を殴れる回数も増える!

難点としては、カードが大方出尽くした終盤では腐ること。往々にして発生する「序盤でたまたま当たっちゃった」に対する保険、バランサー的存在と言える。ナイス調整だ。

強力故にこのカードを隠しにするのはややリスキー。「9」指定で手札に戻ってくるならまだ良いが、もう一つを狙われて「9」だけポツンと隠しになると最悪。「9」が使えない上に、「使ってこないということは…?」という重大な情報を相手に与えてしまう。「7.交換の外套」なりで回収するのも手。

逆に、「9隠し」はそういうリスキーな択であるが故に裏択として機能するという面もある。同じ相手と連戦すれば「癖読み」されるのが勝負の常。可能性を広く持ち、択を散らせるプレイヤーがやはり強い。

 

ちなみにこれら10種のカードは、漫画版のキャラクターバージョンに切り替えることも可能!(何回か遊んでると徐々に解放)

オリジナルバージョンも美麗でいいんだけど、たまには雰囲気変えて遊びたいよね。ちなみに僕が好きなキャラクターはマッシュルーム野郎です。

 

総じて「情報の価値」が非常に高いゲームであり、基本的に手札が多ければ多いほど有利。それ故互いにカードを吐きあった終盤は、必然的に壮絶なインファイトになる。一手の差で勝敗が決する、ひりつくようなギリギリのバトルを毎回楽しめるのだ。頭痛くなってくる。まじで。

論理的思考能力は勿論なんだけど、「左に何番と何番を指定した」「右は何番と何番」「手札には何番と何番が確定」とかいった情報を覚えておく記憶力も重要で、結構脳のリソースを割く。慣れないうちは特に大変だ。まじで。なので初心者VS熟練者なら初心者側のみメモ可とかで丁度良いハンデにできそうですね。

まあ、そうやって何度も何度も戦って考察が深まるにつれて、このゲーム、単純な「当てっこ」ではなくなってくる。

「相手が隠しカードにしているカード」=「使えない」なので、「隠しカードにしていてほしいナンバーは攻撃指定しない」

「相手が指定してきたナンバーから優先的に使用して分母を減らさない」

片方の隠しカードだけを狙っていると「7.交換の外套」でリセットされるので、「左右に攻撃を分散する」

左右に同じ数字でローラーするとそのナンバーは手札確定、発動してもフリーな手札を与えてしまうので、「左右で指定する数字を散らす」

とかいったセオリーがだんだん見えてくる。でもそのセオリーは絶対じゃない。人間が相手で、読み合いのゲームである以上、表の択だけだと必ず裏をかかれる。ロジックは、元を辿れば損をしたくないという感情、人間の心理だ。「人間の心理」には、必ず「キズ」がある。そしてそれは、いつか必ず読まれる。そういうゲームである。

ロジックだけでは直感の瞬間最大風速に勝てない。直感だけではロジックによる確実な追い込みから逃れられない。外したら負けの極限状態で自分は何を信じるのか。「確率的な正解」か?「相手が心理的に選びそうな択」か?あるいは「直感」を信じるか?正解はある。でも、そこに至るまでの途中式は全くの自由なのである。

 

シンプル故に凄まじい緊張感を味わえる本作。心臓バクバクするわ頭パンクしそうだわでどっと疲れる!BGMが状況に合わせて変化する演出もこの緊張に拍車をかける。

攻撃時に光弾をぶつける演出もまじで緊迫感あって「当たってくれぇぇ…」ってなるし、自分が攻撃されてるときの相手のダイヤルが視認できるのも怖すぎて「外してくれぇぇ…」ってなる。まじで心臓がもたない。

「連戦」が超楽しくて飽きないのも良い。「前回の試合での相手の行動」が推理の材料になるし、逆に自分の行動も相手に見られてる。癖読みしあう感じが面白いし、「読み合い」に常に次の段階があって永遠に続く。(故にめっちゃ疲れる)

新しい相手とやると、それはそれで新鮮な感覚を得られてエキサイトできるし、そんな相手とも連戦してると徐々にドロドロした読み合いに発展していく。

やってると、ほんとに純粋な「勝ちたい!!」っていう気持ちが湧いてくる。そしてその「熱」は、きっと相手とも共有している。負けたら悔しくてまたやりたくなる。闘争という人間の本能の、源流にすごく近いところに存在しているゲームのように思う。

 

長くなりましたが、「ロジカル真王」、超おもろいのでおすすめです。

追加コンテンツも配信予定!…っぽい!今後にも期待したいですね!

 

1540円、プレイ時間約5時間

プレイした日2022/12/15~2022/12/31

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