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遊んだゲームの感想なんかを書き残していこうかと思っています

「レイジングループ」紹介

信仰と原罪の物語

 

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レイジングループはケムコから発売されたノベルADVシリーズの一作で、「人狼ゲーム」を題材としたホラーサスペンスノベルADVゲームである。シナリオはデスゲーム作品に定評のあるanphibian先生が担当。

 

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限界集落、「休水」で行われる因習「黄泉忌みの宴」。一日に一人選んで殺さなければならない非情のデスゲームに巻き込まれた主人公・房石陽明は、同時に自らの死亡時に時間が5月11日の深夜に巻き戻る死に戻り現象をも体験する。死を繰り返し、幾度となく宴に挑み続けながら謎を解き明かしていく、というストーリー。

黄泉忌みの宴は基本的にはいわゆる人狼ゲームと同じルール。ただし役職はへび、さる、からす、くもなど動物にアレンジされている他、全体的に和風のイメージで統一されている。また「一日一人以上の殺人」、「物忌みの禁を破る」等のルール破りが発生することがあり、破った者には「けがれ」と呼ばれる制裁による死が待っている。

一つ間違えば命を落とす黄泉忌みの宴のスリリングな描写は見事で、房石はときにハッタリを、ときに目立ち過ぎないように動き、ギリギリの論理バトルを展開する。

また死亡時に情報を記憶のカギとして得られる場合があり、死と引き換えに得た情報を駆使して先に進むという場面も多い。

 

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デスゲームを彩る十六人(+α)のキャラクター達はみな魅力的。特に主人公の房石陽明は明晰な頭脳と宴での活躍もさることながら、徐々に露見していくその特殊な精神性が魅力。ぶっちゃけ作中一のサイコパスです。だいたいね、死に戻りがあるとはいえデスゲームに何度も何度も挑戦できるような人間がまともなわけないんですよ。しかし一本筋の通った人間でもあり主人公の素質は十分といえる。

ヒロインもみんなかわいくそしてどこか様子がおかしい。特に千枝実ちゃんは作中で暴れまわる房石に対するカウンター的存在であり先が読めないジョーカー。突き詰めるとこの作品はくるった男とくるった女による直球の恋愛ストーリーといえる。

 

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文字を読みながらたまーに選択肢を選ぶだけなので難易度は非常に低く遊びやすい。大ボリュームかつフルボイス、眠れなくなることも覚悟しておいたほうがいいサスペンスホラーノベルADV巨編。クリア後はキャラクターの心情描写が解禁される暴露モードもあって一粒で二度おいしい。さらに長編おまけストーリーも5編収録で大大大ボリューム。ノベルゲー好きにおすすめです。

 

3056円、プレイ時間100時間(後に遊びなおしたので200時間くらいいってます)

プレイした日2017/09/21~2017/11/03 2019/10/22~2020/02/26

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