十九時十分をお知らせいたします

遊んだゲームの感想なんかを書き残していこうかと思っています

「スーパーバレットブレイク」紹介

かわいいキャラクターが多数登場する
唯一無二のデッキ構築型ターン制ローグライクストラテジー

 

ローグライクの時間だああ!

「スーパーバレットブレイク」とは、可愛いキャラを相手にぶつけてダンジョンを突き進む、デッキ構築型ターン性ローグライク美少女ゲームである。

早い話が「Slay The Spire」みたいなもんだ!ゲームの構成的にも明らかに意識しているものと思われる。あっちよりはだいぶ難易度低めでより爽快感重視の構成ね。

元々はスマホで出てた基本無料作品「バレットブレイク」が元になってて、サービス終了後に素材を流用して作られたスーパーな新作が「スーパーバレットブレイク」というわけである。キャラが同じだけでゲームとしては全然別モン。マリオブラザーズスーパーマリオブラザーズくらい違う。

元が「引っ張りアクション系タワーディフェンスなのに対して「デッキ構築ローグライクに化けてるのは流石にやばすぎる。大学デビューした大学生でもこんなに変わらないぞ。

 

ストーリー的には今よりそれなりに未来のお話で、ゲームの開発や運営をAIもやってる世界が舞台。
そんな未来世界でとある問題が発生。あらゆるゲームサービスがプレイ不可能状態に陥ってしまったのだ!(怖すぎる…。スタンドアローンなやつはどうなるのかとか疑問はあるけど…。)

この問題を解決すべく、ゲーム大好き少女三人に白羽の矢が立った。

 

「AIがゲームの世界観やキャラの設定を学習して、自動的にストーリーやイベントを生成してくれる」というSF設定。時勢を鑑みるとかなり現実的な未来に思えるね。何気に最近のトピックをモロに抉ってきてる世界観だ。

 

元気いっぱいで格闘ゲーム「とっくみアニマル」のファンアカリ

眼鏡っ娘RPGモノクロームタクティクス」のファンヒカル

お金持ちでFPS「フェニックスの機銃」のファンスミレ

この三人は謎の少女「ナユタ」からミッションを与えられ、NPCのマスコットキャラクター「黒ネコ」と共にバグってしまったゲーム世界に侵入、元凶である「シンギュラレディ」の討伐を目指す。

ただ、ゲームを遊ぶとは言っても内容はバグによって書き換えられており、全て「バレットブレイク」というゲームがベースの別ゲーになっている。

なのであえて現実で言うと、あらゆるゲームのベースがデスクリムゾンになってるので、コンバット越前と協力して、そのゲームに侵入しているデスビスノスを倒して元のゲームに戻そう、という流れ。どんな流れだよ。

 

ZZZ…

この会話シーンもゆるくて好きだ。寝るな。

 

あとマスコットキャラの黒ネコは唐突に美少女化したので僕はきれてる。許さんぞ。

 

てことで主役は「アカリ」「ヒカル」「スミレ」の3人(+隠し1)で、特殊能力や出来上がるマガジン(デッキのこと)の傾向などがちょっと異なる。

この三人からプレイヤーを選択してゲームを始めるわけだけど、それぞれ初回のみ強制出撃。

隠しの子はHPが低い代わりにこの三人の限定要素を全て内包するオールマイティキャラであり、個人的には正直一番楽しい。ただHPが低いことはもちろん、プールが広い故にデッキを組む難易度がやや高いという面もあるので、慣れてから使う前提のキャラだね。

 

ゲーム内ゲームが7つ存在し、それぞれの世界にダイヴして最深部のボスを倒せばクリア。つまりダンジョンが7つあるわけね。エンディング観るのに攻略必須なのは5つだけで、残りの2つはクリア後のおまけコースって感じ。

毎回そのダンジョンの所定の初期デッキを持たされてゲームスタート、HPが尽きて負けたら初期デッキでまたやり直しだ!

 

戦闘ゲームなのでガンガン敵とバトることになるわけだが、このゲームの戦闘の基本は「バレット」である。要はカードみたいなもので、手札として持ってるバレットを敵にぶつけて攻撃し、相手のHPを削り切れば勝ち。このバレットは、作中でバグったゲームの出身キャラクターたちが元になっている。

バレットのランクは星1から星3まであり、基本数字がデカいほど強くてレアだ。レアリティのあるゲームには往々にしてカスレアが存在するけど、このゲームにおいてはあんまりない印象。強さに差はあれど強いかクソクソクソ強いかみたいな感じである。

補助的な効果を持つバレットも多々あるが、全てのバレットには攻撃ダメージが設定されていて、あくまで殴りのついでの補助的効果として設定されている。

バレットを一回使うごとに「マガジン(山札)」からバレットが一枚補充され、しかもマガジンが切れた場合は捨て札から自動でマガジンが補充されるので、理論上は無限に殴り続けることができるんだが、実際には「相手が行動を始めるまでの時間」が設定されており、これが実質的なリミットとなる。

例えば相手の行動開始が「7」なら、使用バレットの合計値が6までの間は何もしてこないが、超過した時点で強制的に自分のターンが終了し、相手にターンが移る。

そのため「低コストバレット」「バレットのコストを下げる効果」「相手の行動開始を遅らせる効果」が異様に強く、ハマればボコり放題だし無限コンボにも移行できてしまう。この辺が要因で難易度易しめで爽快感寄りのバランスになってるね。

しかしコストが高いバレットに使い道がないかというとそうでもなく、むしろコストの分強力な効果でフィニッシュに有用な場合も多い。コストが超過して相手の行動が開始されるなら1超過だろうが100超過だろうが変わらないので、高コストバレットを最後に撃ってぼったくる動きができる。このコストを踏み倒す感覚はなかなか気持ちが良い。

 

手札が全部見えなくなる嫌がらせみたいな状態異常。許さんぞ。

バレットには状態異常、バフ、デバフといった補助的効果も多々あり、それらを活かしたテクニカルな戦法の構築をするのが楽しい。

基本的なものだとそのターン中のダメージを数値分無効化する「防御」、ターンを跨ぐ防御である「装甲」、状態異常を無効化する「耐性」。防御大事。「回復」効果を持つバレットも数多いので、HPで受ける判断も大事。

これら防御タイプのバレットがデッキにない状態だと殴られ放題なので入れときたいとこだが、この手のバレットは得てして攻撃性能に劣るので、下手に守って長期戦になるとかえってダメージが嵩むこともあるのが悩ましい。バランスは大事や。

また、キャラクターの出身によって、特殊なバフが付与されている場合がある。

例えば恋愛アドベンチャー「こいいろ」出身キャラは大抵「ココロボム」バフが設定されており、これが100になると相手の行動開始が遅くなり自分達のコストは半減、ラッシュが叩き込める。

リズムゲーム「アクアリズム」のキャラは「コンボ」バフが設定されていることが多く、これが10貯まるとランダムな敵対象にまとまったダメージが入る。

FPS「フェニックスの機銃」のキャラは「ドローン」生成能力を持ち、生成したドローンはターン終了時に自動効果を発動する。また、ドローンを破壊することで自己強化するバレットも存在する。

このように、ピックするバレットの出身ゲームによってデッキの色が全然違ってくるので、どういったデッキに寄せていくかという悩ましさがある。ある意味一番醍醐味。

なおこれら特殊効果は、超親切なことに戦闘中Rボタンでいつでも確認可能。なお僕は開始一時間くらいこのことに気付かず、「効果教えろや!!」ときれていました。本当に申し訳ありませんでした。

 

倒した敵はマガジンに加えることができる。(もちろん加えないこともできる。)

少女単体相手だと3択が全部同じキャラになったりするのはご愛敬だ。ヒトカゲしかいないオーキド研究所か?タケシ戦辛くない?

じゃあ何を基準に選べば良いのかというと、キャラクターを囲んでる枠「カート」である。全てのバレットにはある程度ランダムなカートが設定されており、それぞれに特殊能力が付与されている。バレットとカートで1セット、ということだ。

カートには「強化」と「パッシブ」があり、強化はそのバレットの使用時発動、パッシブは常時発動。強化はそのバレットを使えば何度でも発動するため、安いバレットと相性が良く、パッシブはバレットを使わなくても効果を発揮するため、高めのバレットや廃棄効果付きバレットと相性が良い。

また、レアリティとして「コモン」と「レジェンド」があり、基本的にはまあレジェンドが強いわけだが、デッキの構成次第ではどうやっても効果を発動できない死にレジェンドになってしまうことも少なくないので、安定した恩恵を得られるコモンにも利点は存在すると言える。

 

そしてなんといっても最高なのがバレット一つ一つに設定されているキャラ絵とプロフィール、そしてボイス!なんとキャラ絵が動く!(といってもLIVE2D的な感じだけど)

バレットがただの「技」じゃないんだよね。それぞれに人格があり設定があり、それが個性になってるし愛着が湧く!そうです!性能だけじゃなくて「なんかこの子かわいいな」で選んでも良いんです!

キャラクター毎に出身ゲームが設定されており、出身が同じキャラが面識あったりするのも面白い。勇者と魔王で敵対関係だったり、同じ学園の生徒だったり、同じアイドルユニットのメンバーだったり、アリスとハートの女王モチーフのキャラが仲悪かったりと、ゲーム内ゲームのキャラなのにちゃんと設定があるのが楽しい。

 

ただ、あくまでゲームの中の架空のゲームのキャラなので、一人一人のキャラクターの掘り下げはほぼないし台詞とかもめっちゃ少ない。存在しないゲームは遊びようがないので、好みのキャラを見つけてもそもそも供給がないんや!設定だけ作って満足して終わっちゃった創作物みたいになってる。

ただ、逆に言えば「もったいないだろ!」って思わせてくれるくらいにはキャラが多いしみんなかわいい。いやほんともったいない。

バレット中には同キャラクターのバージョン違いなんかも存在しており、闇堕ちして魔王になった村娘とか意味わからんキャラがいて面白い。公式四コマ漫画「バレブレ学園」から、バレブレ学園バージョンになったキャラが登場することも。数少ない公式の供給やぞ!読んどけ読んどけ。

 

bulletbreak.com

 

ちなみにこれらキャラクターの出身作品や所属チーム、性格などの要素は全て「属性」として括られており、バレットの効果やパッシブスキルのトリガーになり得る。

つまり特定作品に寄せたデッキが強いのはもちろん、性格で寄せていって「のんびり屋さんデッキ」だのヤンデレデッキ」だのを組むことが可能なのだ!

性格とか、「属性ってそういう意味の属性かよ!」って言いたくなりますね。

 

メインコンテンツであるところのダンジョンはこんな感じ。

ダンジョン内は基本的にエリア分けがされており、エリアの終わりには避けられないボスがいる。最終エリアの最終ボスを倒せばそのダンジョンはクリアだ。エリアをクリアしても体力は回復しないので、ギリギリボスを倒しても気は抜けない。

エリア数はまちまちだけど基本的に3エリアのダンジョンが多いね。

基本的には5ラインあって、左右真ん中の3択で進む道を選べる。どこへ進むかはマスの表示を参考にしていこう。

例えば基本であるピンクの「敵マス」は敵との戦闘!このゲームに逃走なんていう軟弱なコマンドはないので、殺るか殺られるかである。出現する敵の強さによって星1~星3の表示があるのが親切。

当然敵が強いほど報酬が多いので、戦力に余裕があれば星3を狙っていっても良いだろう。逆に死にそうなときは星1を踏んで、ヌルいバトルで安全にやり過ごすという戦略も取れる。

また、戦えばHPが消耗していくので適度に回復も挟みたい。「休憩マス」ではノーコストでの30%回復、有償だが50%の回復、そして回復はできなくなるもののカートの再抽選を行うことができる。再抽選されるカートはランダムなもののレジェンドであることが確定なので、余裕があるならガンガン再抽選していきたい。噛み合えばおいしいし、噛み合わなくても後々加入するキャラがトリガーになってくれることもある。

 

「イベントマス」では、そのゲームに応じた様々なイベントが発生。基本的に美少女が登場するのは確定で、突然クイズが始まる、物品をくれる或いはトレードする、バトルが始まり倒したら仲間になってくれる、などが多い。マイナスだけのイベントがほぼないのがいいね!このゲームの製作者はプレイヤーに優しい!

 

と思ってたけど、終盤のとあるダンジョンではバグってるキャラという設定でイベントがほぼほぼマイナスイベントになるとかいうくそ腹立つマスに化ける。前言撤回!このゲームの製作者は性格が捻くれてる!

別に踏まなきゃいいだけのことなんだけど、この手のゲームの基本は「リスクと報酬」であるわけで、リスクしかない行動は「やる意味がないだけ」だし「避けて別のとこ行くだけ」だから、プレイヤーの選択の幅をただ狭めるだけの要素だと思うなぁ。

「イベントがイジワルになる」というのは面白いけど、リスクに見合ったそれなりのリターンが欲しかったところだ。

 

そしてこの手のゲームで一番ワクワクするのが「お店」!バトルで役立つアイテムの購入やバレットのスカウト、バレットの削除が行える。また、お店のお姉さんを買うこともできる。

「アイテム」はだいたい消耗品だけど中には持ってるだけで効果を発揮するものもあり、お値段は高めだけどその分強力だし複数買えば掛け持ちもできる。ただし当然アイテム欄をだんだん圧迫してくるのでその点は注意が必要だ。

とりあえずのデッキ強化に手っ取り早いのが「スカウト」。購入やイベントで手に入るスカウトチケットを消費してバレットが一つ手に入る。

得られるバレットはランダムかつ強制加入なのでやや癖が強いものの、「属性」によるサーチ機能があり、加入バレットをある程度絞ることができる。ただし提示されるサーチの選択肢がそもそもランダム。

「作品」でサーチするのは鉄板で、あんまりカードプールを把握してなくてもとりあえず自分のデッキに寄せてく動きができる。しかしバレットを把握すればより効率的にサーチすることが可能で、慣れてくると例えば「性格」によるサーチで「あの作品のあの強いキャラは性格がヤンデレだったな…」といった感じにより正確なスカウトを行える。このゲームを理解すればするほど効果的に扱えるようになっていくという良いシステムだ。

そして超重要な機能が「バレットと別れる」!この作品はコンボゲーなのでデッキの巡りが直でデッキの強さに繋がる。つまりデッキを停滞させるような弱いカードをガシガシ削除すればそれがデッキの強さに直結するのだ!

「Slay The Spire」だと同様の機能は「使うとだんだん価格が上昇する」というリスクが存在したけど、この作品では「エリアを進むごとに価格が上昇する」程度に留まるので、削除することのリスクがほぼない。

また、スカウトチケットの購入が安価でかつお店ごとに一回だけ、で後お金を使えるのが消費アイテムか削除くらいなので、削除に回せるお金を余裕で捻出できるのも大きい。

とにかく削除が安価かつメリットがでかすぎるので、美少女とお別れしてるときが一番気持ちいいまである。

 

終戦績は7勝3敗!10時間くらいでサクッとクリアできたぞ!

でもバレット図鑑やカート図鑑という要素もあるので、それらを埋めるならもうちょっと長く楽しめるはず。

ただ、おまけのラストダンジョンも難易度的にはかなり易しいので、個人的にはあんまりモチベーションが湧かないかな。このゲームを極めても、それをぶつける先がないんだよね。良いゲームなだけに、それがかなり寂しいとこだ。

 

スマホのサ終作品の流用ということで「大丈夫か…?」って気持ちは正直あったんだけど、遊んでみればちゃんとデッキ構築型ローグライクとして丁寧に作られていることがわかる良い作品だった。

ソシャゲの魅力的なキャラ達はせっかく命が吹き込まれても、人々にどれほど愛されても、商業的な成功の可否によってその命運が決まってしまう、諸行無常の世界に生きている。

それは買い切り作品においても同じことかもしれないけど、サービス終了によってその作品に触れることすらできなくなってしまうなら、それはやっぱり悲しいことだ。

そんな残酷なゲーム業界で、確かに「バレットブレイク」が生きた痕跡はしっかりと残った。

この弾丸はまだ死んでない。あなたのハートに届くまで、きっと、まだ。

 

2800円、プレイ時間約10時間

プレイした日2022/08/26~2022/09/04

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