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遊んだゲームの感想なんかを書き残していこうかと思っています

「マルコと銀河竜 ~MARCO&GALAXY DRAGON~」紹介

キラキラしたものは、ぜんぶ私たちのもの!
わがままで身勝手、それが私たちの友情だ。

 

パンドラの箱に最後に残ったのは希望でさ、愛じゃないんだよ。

でも愛はそれを憎んでる。

 

「マルコと銀河竜 ~MARCO&GALAXY DRAGON~」とは、希望と友情の美少女ADVである。「ノラと皇女と野良猫ハート」の製作陣による作品で、あっちはエロゲだけどこちらは全年齢向け作品ね。

 

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まずOPを観てくれ!!

ぶっちゃけOP観てびびっときたならもう買っちゃって良いと思う。紹介文いらねぇ!

 

※急にベルスクとか格ゲーになったりはしないので安心してください。

 

ルドヴィコ療法じゃねーか!

やはり最大の特徴はハイクオリティのカートゥーンアニメーション。普段は普通の美少女絵なんだけど、アニメパートになるとみんなカートゥーンタッチになってバリバリ動いてくれるので最高。

 

(アルコチビ竜形態、えっちじゃないですか…?)

またADVパートも膨大なCG量(スチル1000枚級!!)を誇り、地の文を極力減らしてキャラのセリフとCGで成立させてるのでもはやほぼアニメみたいなもんである。当然フルボイス。

選択肢は中盤に一つだけ、かつ選んでも同じお話に収束するので実質一本道のお話を眺めるゲームである。ゲームという媒体を使って本気でアニメ作品作ったらこうなる、って感じの作品。

 

ボリューム的には10時間くらいで尺としてはそんなに長くないんだけど、キャラクターみんな個性が強くて楽しいしギャグはキレキレ。ストーリーもグッとくるし、最後はすっきりきっちり〆てくれる。あとめちゃくちゃコロッケ食いたくなる。

 

軽くあらすじ紹介していくぞ!

主人公「マルコ(右の子)」は地球人だけど幼少時に異星人に攫われ、奴隷になったりなんだり紆余曲折あったのち、相棒の銀河竜「アルコ(左の子だけど、おなかがすくとちっちゃな竜になっちゃうよ)」と共に銀河一のトレジャーハンターとして活躍している。

 

一仕事終え、親代わりの銀河マフィア「ドスゴロ」から強引に休暇を取ったマルコは、古い写真を宝の地図に、顔も憶えていない自分の母親を探すべく故郷の惑星、地球へと帰省する。

 

女二人旅いいよね。

微かな情報を頼りに日本のとある都市「金紐(ゴールドコード)市」にたどり着いた二人は、母親の手がかりを探したり、とある惑星で盗んだ宝「トカゲ石」の買い手を探したり、蕎麦食ったり、コロッケ食ったり、なんかいろいろ食ったりする。食ってばっかやんけ。

 

蕎麦屋の看板娘「瑠璃」ちゃん。アホの子で好き。

 

しかし時を同じくして、「トカゲ石」をマルコが盗んだという情報は、銀河征服を目論む男「アスタロト」も知るところとなっていた。

銀河の運命を握るキーアイテムであるトカゲ石を奪取せんとアスタロトも行動を開始する。

 

アスタロトは手始めに実の娘「ハクア」と部下の「エル・スケルトン」を地球に送り込む。

エル・スケルトンはトカゲ石の情報を得るため、現地でおでん屋を経営することを決意。おでんの味の追求、フランチャイズ展開をはじめとした経営拡大、さらには出前など、サービスを充実させていく意欲を見せる。アホの子かな??さては手段が目的になっちゃうタイプの人だね??

 

ハクアちゃんもたまに大ボケかますことはあるものの、悪の帝王の娘だけあって基本的には口数少ないシリアスキャラ。かわいい。彼女の葛藤と成長は見どころの一つだね。

ちなみに必殺技名は「イジメ・オーバードライブ」。言語センスおかしくない??

 

さらにはアスタロトに故郷の惑星を滅ぼされた復讐者「ガルグイユ」も地球へ。故郷に伝わる宝剣シーラカンスを手に、復讐を完遂すべく動き出す。言語センスおかしくない??

 

とまあ設定だけ見ればこの子もシリアスキャラなんだけど、その実かなりの天然ちゃんであり作中屈指のアホの子。バトルシーンはもとよりギャグシーンでも大活躍してくれる。あと故郷が砂漠の星だったので水が大好きだ。み…水…。

 

さらにさらに、「金紐市」を守る自治組織「生徒会」の面々も行動を開始し、トカゲ石争奪戦は混沌を極める。

生徒会長であるアホの子「テラ・イセザキ」は地球外のテクノロジーや生命体が大好きで、トカゲ石を得るべくマルコに対して大金を積み上げる。この作品アホの子多すぎない…?妹のラッカちゃんはしっかりしてるのに…。

 

テラの妹で天才トレーダーの「ラッカ」ちゃんや、女執事の「黒崎」さん、ヤンキーだけど常識人の「桜子」先輩など、生徒会メンバーはしっかり者が多い中よりによって会長のテラがアホの子である。というか生徒会組のアホ担当である。というか下手にみんなしっかりしてるせいでテラにアホ要素が集約されてるまである。でも乳はでかいよ。

 

とまあ、この作品の(表面上の)ストーリーの軸はマクガフィンであるところの「トカゲ石」なのだ。「マルコ&アルコ」の主人公コンビ、敵対勢力の「アスタロト」率いる軍団、復讐者「ガルグイユ」、自治組織「生徒会」、によるトカゲ石争奪戦は作品の見どころの一つといえる。

また銀河の命運をかけたスケールでかい話でありながら基本的には地球の一都市が主な舞台になってるのも大きな特徴だね。登場人物もそう多くない作品の規模から考えて妥当だし、一都市に限定してるが故の独特の箱庭感、ローカル感も醸し出しており、作品の雰囲気作りに一役買っている。マルコの「帰郷」の物語なわけだからね。「金紐市」こそが箱庭であり、作品を包み込む風呂敷であり、故郷を演出する特別のエッセンスだ。

 

しかしながら、このお話の最重要これだけでも覚えて帰ってくださいねポイントは「マルコとアルコの関係性」にこそあると僕は思う。というかもうあまりにも特化しすぎている。良すぎる。女二人の、「相棒」とも、「親友」とも、「契約」とも、そして「母と娘」とも、何かに形容できそうでしかしそれをすると壊れてしまいそうな、脆く繊細でありつつも確かに強固な結びつきがそこにあった。

それは愛とか恋とか情とか絆とかいって体系化されるものに一部当てはまってしかしやはりどこか違う。きっともっと原始的で、直球の、名前の付けることのできない「好意」の始祖であり、パンドラの箱の底の希望だ。

 

古くからある「人と人外」の類型であるが、二人はあまりにも違いすぎる。姿かたちや寿命から生物としての在り方までまるで違う。

しかしある観点から言えば二人は非常に似ている。それは孤独だ。あらゆる生物は常に「足りない何か」を埋めようとしているわけだが、この二人にとってそれは「自分に似ている誰か」であったのかもしれない。

 

「マルコとアルコ」はある意味では疑似親子的関係ともいえるわけだが、最初のほうで言ったようにマルコの目的は実の母に再開することだ。アルコの立ち位置というのは実の母親がいたはずのところにすっぽり収まってしまっているような歪さが存在し…。つまり「マルコが目的を達成する」というのは、「アルコがマルコを手放す」ということでもあって…。

この場合何が正解かというのはもはやわからない。アルコは「友として」マルコの背中を押すのが正道か?それとも「母として」これからもマルコと共に過ごすべきか?正解はない時限爆弾だ。

プレイヤーに選択肢はない。ただ微笑ましくもほろ苦い二人の関係性を見守って、行く末を見届ける。そんなゲームである。

 

この作品が「キャラクター二人の関係性」を極限まで煮詰めた大傑作であることは疑うべくもないがやはりと言うべきか犠牲にしているものもある。魅力的なサブキャラクターたちの掘り下げである。いやほんとに尺が全然ないのよ。テラ・ラッカ姉妹のエピソードなど面白いサブキャラ話もあっただけに残念である。

10時間くらいの尺の中にこれ以上詰め込むのは無謀だしこの高クオリティでこれ以上尺を増やすのも無茶というもの。ちゃんと畳んだからこそのこの完成度、という面もあるので言っても仕方ないんだけど、あまりにも勿体ない。サブキャラも含めてみんなかわいいんですよこのゲーム。エルスケルトン様もな!

RPGの終盤でゲームを終わらせたくなくなる現象あるけど、あれが発生した。世界がこれ以上続いていないことに対する絶望感がやばい。マルコと銀河竜ロスですよ。

切実に続編作ったほうがいいよこのゲーム。いや、すごくいい終わり方するんだけど、それでも続きが欲しい。気長に待ってますよTOKYO TOONさん…。

 

おまけ

ほぼ選択肢のないゲームだけど、中盤に一つだけ存在する選択肢。…こんなん両方観るしかないやろ!両方観たうえでアドバイスすると、銭湯のほうがちょっとだけサービスシーンが多いよ♡

 

日めくりカレンダーのサービスシーンもあります。いらねぇ!

 

ちなみに一番えっちなのはチビ竜形態アルコだと思います。

 

えっちだ…。

 

マルコと銀河竜、オススメですよ。

 

2480円、プレイ時間約10時間

プレイした日2022/04/28~2022/06/02

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