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遊んだゲームの感想なんかを書き残していこうかと思っています

「いづみ事件ファイル Vol.1 潮騒編」紹介

小説を読む感覚で、手軽に探偵気分が味わえる。
本格推理アドベンチャーシリーズ第一弾。

 

「実はね、殺人事件があったんだ」

「いづみ事件ファイル Vol.1 潮騒編」とは、「G-MODE」の旅情推理アドベンチャーシリーズの第一弾である。現在はG-MODEアーカイブスでプレイ可能。

2002年の携帯アプリ作品だけあってボリュームはかなり少なめ。ショートショート作品だね。非常に簡素な作りだしほんとにすぐ終わっちゃいます。しかしその分「推理」に特化した作りになっており、触り心地は論理パズルに近い感じ。プレイ時間の比重として「考える時間」というのが非常に多いし、楽しむ上でも重要だ。

 

主人公は自称美人編集者「木戸いづみ」。売れっ子作家で変人の「鏡月正宗」先生を担当しており、いつも振り回されている。

 

原稿から逃げてどこかに旅に出てしまう鏡月先生。足取りを追ういづみは、神奈川は湘南のとある旅館にたどり着く。

鏡月に詰め寄るいづみ。しかし鏡月は、この湘南の地で殺人事件が発生したことを告げ…。

事件のことが気になって気になって仕方がない鏡月。これでは原稿も手につかない!何が何でも先生に原稿を書いてもらいたいいづみは、仕方なく事件の調査に向かうことにする…。

 

調査の基本はやっぱり聞き込み!情報は足で稼ぐのだ。ゲームに出る地図ってなんだかわくわくするよね。

関係者に話を聞いたり、現場を調べたりして情報を集める。その情報を元に推理して犯人を暴き出すのだ。情報を整理すれば無理なく解けるようになっているのが特徴。

 

根本的に物語の構造として、鏡月は答えを既に持ってる。頭の切れる先生は推理を既に完了しているわけである。

ラストは先生との答え合わせ。完璧に受け答えができればベストエンドに進める。

集めた情報はいつでも確認できるし、しっかり考えれば解けるようにはなってるんだけど、「ちょっと難しいよー」ってときは、先生を酔わせてみると良い。お酒に弱い先生は酔ってヒントを吐いてくれるぞ!

ただしお酒を使うとベストエンドに進めなくなるので注意な!ただ酔った先生の反応は非常に面白いので一見の価値あり。お酒を使う前にセーブしておいてどっちも見るのがおすすめかな。

 

結末は非常に簡素であり、犯人の独白とか掘り下げとか一切ないし動機も推測に留まる。論理パズルに特化している故に登場人物もなんかパズルのパーツって感じがするんだよね。容量の問題もあるだろうけど、この辺かなり割り切った作りである。

結果的にかなり尖った作りになっているADV。よくよく考えれば「プレイヤーが手を止めて考える時間」は容量を食わないわけで、限られた容量の中でそこに楽しさのウエイトを置くのは賢い戦略のように思うな。ある意味プレイヤーの脳を間借りしているというか。

お手軽に楽しめる推理ゲーム。割り切った構成を許容できるならおすすめだ。結末は自分の手で導き出そう!

 

500円、プレイ時間約1時間

プレイした日2022/02/07

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