「DESIRE remaster ver.」紹介
この悠久の螺旋から助け出してくれるのは、誰?
「DESIRE remaster ver.」とは、剣乃三部作に数えられるコマンド選択ADV作品「DESIRE」のリマスター作品である。僕は今回が初プレイね。
剣乃ゆきひろ(菅野ひろゆき)先生作品は「EVE burst error」のリマスターも感想書いてるのでよかったらそっちも見てね!(↓)
安かったから「EVE burst error R」のついでに買ったんだけども、こっちはこっちで楽しめた。流石にパンチの強さはアッチに譲るけど、物語の根幹のギミックの面白さでは負けてない作品だと思う。
舞台は孤島に浮かぶ研究所「デザイア」。外界から隔絶され謎に包まれた島に取材に来たジャーナリストの男主人公「アルバート」と、その恋人にしてデザイアで働いている女主人公「マコト」のW主人公でデザイアの謎に迫っていく。
「EVE」のマルチサイトシステム(W主人公をいつでも切り替えできるシステムね)とかではなく、アルバート編やってマコト編やって、ラストの「???」編をやるという構成。よってどのタイミングでマルチサイトするかわかんねぇ~みたいな問題はなくそうそう詰まったりはしない反面、ゲームとしてはいささか単純化している点でもある。
しかしゲームとしての単純さを補って余りあるシナリオ・テキストの楽しさがやはりこの作品の魅力だと思う。基本的に総当たり式のADVなんだけど、常にボケの選択肢というのが用意されていて、ボケまくれるのが楽しい。読ませるゲームであるADVにおいてプレイヤーを飽きさせずに遊び続けさせる工夫が感じさせられる。
ただ下品なギャグも多くてやや好みが分かれるかなぁ。僕は好きよ。なんというか時代を感じるオゲレツさである。
時代を感じる…。
僕が好きなのはギャラクティカアルバートパンチの場面かな。愛と勇気とギャグのパワーで屈強な大男に立ち向かうのだ。
パンチのアニメをよく見たら御堂真弥子ちゃんいるし!EVE burst errorの重要ヒロインですよ!
ヒロインもみんなかわいくていいですね。僕が好きなのは島に降り立った謎の少女「ティーナ」と謎多きデザイア所長の「マルチナ」さん。幼女と熟女ですハイ…。悪いか。
ただ作中で展開される恋愛模様については「爛れてるなぁ…。」の一言。浮気、不倫は序の口で、一夜だけの関係もあったり、NTR展開(寝取られ。恋人を別の男に取られる展開ね。)まである。正直人を選ぶ爛れっぷり。僕も「ないわー」寄りだけど作品の持つパワーで結局最後まで読んじゃったなぁ。やはり文才。文才は全てを解決する。
良くも悪くもラストのギミックがむちゃんこ面白くてそこに全てが懸かってる印象。ラストに向かってキャラクターを贅沢に使っていく、しかし代償として各キャラのバックボーンはあまり描写されず明瞭さを犠牲にしている。やっぱこの辺も好みかなぁ。
万人受けはしないけど、普遍にして不変、悠久の面白さがある作品。背徳の螺旋に引きずり込まれてみたい方は、是非。
1980円、プレイ時間約10時間
プレイした日2021/05/12~2021/06/16