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遊んだゲームの感想なんかを書き残していこうかと思っています

有料DLC!「SCOUT」紹介

ひきぬけ!最高のショーのために。

 

やっぱり同業者は潰すに限るぜ!

2022年12月1日、「レッツプレイ!オインクゲームズ」冬のアップデートにて、初の有料DLCとして第八のゲーム「SCOUT」が追加された!650円!

ドイツ年間ゲーム大賞にもノミネートされた作品が鳴り物入りでの参戦である。2021年発売のゲームなので、収録作品の中でもかなり新しい作品ですね。

有料DLCの告知は前々からされてたんだけど、価格は公開されてなかったのでどんなもんかと思っていたら、えらい良心的な価格設定で安心しましたね。今の8作で大満足なんだけど、これからもこんな感じで少しずつゲームが増えてくと嬉しいな!!

この作品は大まかに言えば「大富豪を捻った感じ」のゲーム!みんなで手札を出してくシンプルな遊びなのに、この捻りが絶妙で、一筋縄ではいかないここだけの駆け引きが味わえる。

 

本編の紹介はこちら↓からどうぞ!

無料追加アップデートされた作品はオインクゲームズのタグから辿れるよ!

 

gogo7ji.hateblo.jp

 

ルールはシンプル!一番稼いだ人の勝ちだ。

プレイヤーはサーカス団の団長となり、ライバルサーカス団とショー合戦をしたり人材の引き抜き合戦をしたりしてお金を稼ぐのだ!相手のショーを潰せ!人材を奪え!

オインクゲームズ、「藪の中」といい同業者と潰し合いをするゲーム多くない?!

 

この作品は45枚のカードを使って遊ぶ3~5人用ゲームだ。これを9枚ずつみんなに配って遊ぶ。

このカードは言わば「人間」。サーカス団員である。つまり自分の手札の数はサーカス団の人数だと思っておけばよい。

そしてこのカードには数字が刻まれている。これは「芸の強さ」だ。つまり1は芸が弱くて10は芸が強いのだ。たぶん1は小梅太夫くらいの強さだと思う。

あとこれも重要なんだけど、一つのカードには二つの数字がある。タロットカードの正位置と逆位置の意味が違うように、上と下で数字が違うのだ。つまり同じ人間でも、芸風が変わる場合があるんだね。小梅太夫ダウンタウンの浜田くらいの強さになる場合もあるのだ。

つまり1~10の全ての組み合わせがカードになってるので、(n^2-n)/2のnに10を代入して45枚ってことね。カード構成に被りがないということが計算上重要になってくる場面もあるので覚えておこう。

 

みんなに手札を配ったら、ショーの始まりだ!

基本は大富豪のように手札を全て吐いて「上がり」を目指す。

1つ注意しておきたいのが、「手札は並び替えができない」ということ。与えられた手札このままの並びで戦わねばならないのだ。「手札が強いか」だけじゃなく、「いい感じに並んでるか」も超重要。浜田と松本の間に小梅太夫が挟まってるとダウンタウンが出せなくなるわけね。

ただし、最初に手札が配られたタイミングに限り、「手札を全て丸々ひっくり返す」ことが可能。要は手札を全て逆位置の数字に変更することができる。TCGでいうマリガンの代わりだね。

 

自分のターンにプレイヤーが取れる行動は3種類。

「スカウト」「ショー」、それと「スカウト&ショー」だ。これらの内1つだけ選んで実行することができ、どれも選ばず何も実行しないというのは不可。スカウトとショーを同時に発動できる「スカウト&ショー」は必殺技みたいなもんで、1ラウンドにつき1回しか発動できない虎の子だから使いどきが重要だ。

「ショー」は上がるために必須の最重要コマンド。手札を場に出すことである。最悪1枚でも場に出すことは可能だが、「同じ数字組み」「階段組み」で出せると強い役になり、複数枚同時にカードを消化することができる。

大前提だが、場に出ているショーよりも役の強いショーしか場には出せない。役の強さとしては単純に数字の大きいほうが強く、また階段組みよりも同じ数字組みのほうが強く、そして枚数の多いほうが絶対的に強い。

お金を稼ぐのに重要なのは「相手のショーを潰す」こと。単に強いショーを出すだけでは儲けにならないのだ。場のショーをより強いショーで潰すと、場に出ているカードの枚数がそのまま自分のお金になる。相手が勝負に出てくるタイミングをキッチリ読んで力を蓄え、叩きのめす!これが気持ち良い!

 

ショーで勝つには強い役を揃えなきゃいけない。そんなときには「スカウト」が役立つ。スカウトを宣言すると、場に出ているカードを一枚、選んで拾うことができる。(ただし、並んでいるうちの右端か左端しか取れないという制約がある。)

スカウトでカードを得るとき、「手札のどの位置にでも」「正位置逆位置を選んで」カードを配置できるという強力な特性がある。手札の制約が多いこのゲームでこれは重要だ。ただし手札のどの位置に、何番のカードを入れたのか、目ざとい相手はしっかりきっちり覚えている。やはりこのゲームでも「情報」の価値はでかい。

デカイ役を作ってドヤ顔でドンと出す瞬間の快感は何物にも代えがたいものがある。スカウトで手をじっくり育てる浪漫あるプレイも一興だね。

「スカウトする」=「カードが一枚減って場のショーが弱体化する」なので、次の番の人のサポートという面もある。誰もショー出来ずに場が一周すると、最後にショーした人の上がりでラウンドが終わってしまう。利害が一致するならば、サポートに回ることもあるだろう。

ただしスカウトをすると、ショーの主催者にお捻りが入ってしまう。また、「ショー」ができないなら強制的に「スカウト」をさせられるという面もあるので、余計な人員がサーカスに加入してしまうことも。お前サーカス抜けろ。

「相手にスカウトさせる」こともプレイヤーの貴重な収入源であるわけだ。相手が潰せないほどのドデカイショーをぶち上げるととっても気持ちが良い!「潰してくるか?」「諦めてスカウトしてくるか?」この辺の読み合いも熱い。

 

「相手のショーを潰せるか」「潰せないか」、それが我らがサーカス団の命運を握っていることはお分かりいただけたかと思うが、そこで悩ましくなってくるのが最強のコマンド「スカウト&ショー」をいつ切るか問題である。我らの明日を分ける究極の選択である。

「スカウト&ショー」。その名の通り、スカウトしてからショーができるだけの単純明快なコマンドである。デメリットは「1ラウンドに1度しか使えないため、一回切ったらもう切れなくなる」これだけ。

しかしそのデメリット故に使いどころが難しい。「スカウト」だけでも、「ショー」だけでも勝てない、そんな瞬間が切りどきであると言える。

「スカウトで相手のショーを弱体化し自分の手札を強化する」そして「ショーをぶつけて相手を潰す」、この2つの行動を1ターンに実行できるのはあまりに強力で、試合への影響力は非常に大きい。故に「相手がスカウト&ショーを吐いたかどうか」は判断材料としてかなり重要であると言える。

…でも、冷静に考えてぶっこ抜いた人材を即登用してライバルの興行を潰すの、めちゃくちゃ外道ムーブのような…?

 

そんなこんなで手札を全て使い切った人は「上がり」。「自分のショーに誰も勝てなかったとき」も上がれるね。

上がったからといってお金が貰えるわけじゃない。でも、忘れてはいないだろうか。団員に払うお給料のことを。

誰かが上がった時点で、上がれなかった人の持っている手札は全て「負債」になる。雇っといてショーに出せなかったんだから当然だよな!具体的には手札1枚につき1失点。

なのでスカウトを利用した「溜めて溜めてドン!」を狙いすぎると失敗したときのダメージはよりでかくなる。かといって手札を上手く育てないと勝てる戦いも勝てなくなる…と、いった具合に、オインクゲームズお得意のジレンマを生むゲーム性を実現している。

公平に全員が親をやるフルラウンド制だと、このペナルティによって生まれる駆け引きをより濃く感じられるだろう。

「このラウンドはいつ終わるのか?」

「この手札で勝てるか?」

「もう少し粘って手を育てるべきか?」

「上がることを諦めて、手札を減らしたほうが良いのか?」

そういったプレイヤー達の思惑が重なり合って、予想もつかない展開を生み出す。人間という存在がこのゲームの最大のエッセンスですよ。

 

かなりカジュアルなゲーム性で、体感、運7:経験3くらいの印象。運は最初の手札もそうだけど、場の流れとかも含めてね!ツキが乗らないときは大抵とことんだめである。

でもだからこそ、良い手札のときはこれをどう爆発させてやろうかとか、悪い手札のときはこの局面をどう凌ぐかとか、ランダム性が強い故の駆け引きと中毒性がやっぱりあって、この手のゲームの醍醐味だね。

いつ仕掛けるのか。いつ仕掛けられるのか。タイミングが重要なゲーム性が「興行」という題材とがっちり噛み合ってるのも好きポイント。オインクはそういうとこほんと上手い。

良い芸も、時期を逃せば実らないことがある。華々しさの裏にはほろ苦い失敗の物語がある。成功する保証など決してない世界だ。それでも芸人たちは爪を研ぐ、牙を磨く!誰よりも輝くため、誰かの心を奪うため!

サーカス団は東へ西へ、今日もゆく!

 

追加コンテンツ「SCOUT」:650円

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ソフト本体:2500円、プレイ時間約90時間

プレイした日2021/12/17~2022/12/24

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