新宿に神宮寺あれば池袋にイヌワシあり!
イヌワシとは、「神宮寺三郎」を手掛けたスタッフによる完全新作推理ADVである。
神宮寺はハードボイルドな作風だけどこっちは痛快バディものって感じでテイストは全然違うね。
PVも良き。
狗神エイジと鷲宮ツカサ、かつて「イヌワシ」と呼ばれた伝説の刑事コンビは鷲宮ツカサの死によって解散。刑事をやめた狗神エイジはすっかりうらぶれて、探偵として仕事をこなしながらも自堕落な生活を送っていた。
そんな狗神探偵事務所に現れたのはツカサの妹、鷲宮ヒナ。刑事となったヒナはかつての兄のように活躍することを望むが、警視総監の令嬢である彼女は「お嬢様刑事」と呼ばれて腫物のように扱われ、なかなか実戦経験を積ませてもらえない。
そんな「うらぶれ探偵・狗神エイジ」と「お嬢様刑事・鷲宮ヒナ」、凸凹コンビの二人が新生「イヌワシ」を結成し活躍する痛快バディ推理ノベルADVが本作である。
本編7話+サブストーリー7話+おまけ3話+DLC1話の計18話構成。全部で18の事件が池袋で巻き起こる。クリスマスも正月もバレンタインもずっと事件が起こってるから作中の池袋の治安最悪だな!ってなりました。
中国マフィアやカラーギャング、そして謎の組織ウロボロスが跋扈する池袋で、新生イヌワシとその仲間たちが事件に挑む。そして彼らは鷲宮ツカサの死の謎に迫れるか!というストーリー。
狗神はかつて刑事であった頃のコネクションが最大の武器であり、友人達の強力なサポートを得られる。精神科医の龍谷寺アキヒコや鑑識の鮎川レイコ、元チーマーで執事の美馬ハルカ、高校生ハッカーの狐塚チヒロくんなど、強キャラ揃い。刑事の猿渡さんとは文字通り犬猿の仲だけど、協力してくれる回は非常に熱かった。
狗神本人も喧嘩は結構強いし、非合法の捜査をガンガン行っていくダーティな強みがあるね。この辺は正規の手段を踏もうとするヒナとは対極。
鷲宮ヒナの強みは触れた人の思念を読み取る「サイコレゾナンス」と呼ばれる超能力であり、読み取った思念が捜査の大きなヒントとなる。また、モノに残った思念も読み取ることができ強力。推理ものだと流石に強すぎる能力だが、使いすぎると身体への負担がでかいのである程度バランスは取れてる。
また現職の刑事であるため警察手帳パワーを存分に利用することができるのも長所。
僕が好きなのは美馬ハルカと狐塚チヒロのコンビ。
美馬は元チーマーで喧嘩最強、執事喫茶の執事で情報通という属性もりもりキャラであり、コネクションを使って足で犯人を追い詰めるプロ。お前もう刑事になれよ!
対するチヒロくんは孤高の天才高校生ハッカーであり、ネット関係で右に出る者はいない。しかしまだまだ子供っぽいところもあって美馬をライバル視している。
組んだら最強、最高のコンビにしてライバルという二人。こいつらがサポートに回ってくれたらもう負けないだろという謎の安心感がある。
チヒロくんほんますき。
最後までグングン読み進ませるパワーのある作品で、綺麗に完結してくれるのも魅力。それでいて続編も出していけそうな感じの終わり方だ。イヌワシと仲間たちの続編が見たい!出してくれー。
純粋なADVとして見るとアクションパートとかいう謎の目押し要素があるのが難だけど、全体的な出来は非常に良い作品。痛快バディものADVをお求めの方は、是非!
1500円、プレイ時間約15時間
プレイした日2020/03/26~2020/12/01