———これは戦争だ。
カガミハラ/ジャスティスとは正義と悪と戦争のノベルADVである。
元引きこもりの高校二年、村上太陽は鏡原高校に転校、報道部に入部する。しかしこの学校には「正義の味方・ミラーレンジャー」と「悪の組織・セイトカイザー」が存在していた!正義と悪との覇権争いは報道部をも巻き込み熾烈な情報戦が展開されていく。正義はどこにあるのか。悪とは何なのか。ジャーナリズムは真実を穿てるのか。というストーリー。(でいいのか?)
一見ふざけた戦隊パロディ作品で実際そういう面もあるんだけど、体制と反体制の対立、情報の価値、政治、テロリズム、戦争論など多様なテーマを扱っている作品で、青春群像劇でありながらホラーじみた展開があり、バトルと思いきや急にラブコメが始まり、ラブコメかと思えばサスペンスな展開に突入するという、形式に捉われない奔放な物語の構造を持っている作品である。
選択肢はほぼなく、あってもすぐに一つの物語に収束する。どこまでも一本道なノベルゲームであり、純粋な読み物といった趣きが強い。
「ミラーレンジャー」は清掃や人助け、木から降りられなくなった猫を助けたり、恋愛相談も引き受けたりしている正体不明の正義の集団である。「セイトカイザー」は生徒会執行部が運営している悪の組織でありミラーレンジャーと対立している。そして本作のヒロインである八月一日宮遥(ほずのみや はるか)率いる「報道部」はミラーレンジャーの活動を支援している。報道部に所属する主人公村上太陽は現状に疑問を感じ始め、やがて一年前のある事件に行き当たる。
…というとこまではほんとに序盤も序盤であり、どこまでも先の読めない物語が展開されていく。最初は基本的に村上くんの主観視点なんだけど、徐々に他キャラの視点が増えて立体的に話が見えてくると加速度的に物語が面白くなってくるね。
ただ僕がこの作品で一番好きなのはなんだかんだ序盤なんだよなぁ。単純に戦隊パロを逆手にとってめちゃくちゃやるのが面白いし何と戦っているのかわからない不気味さがあって良い。
現実が舞台でありながらファンタジー的要素が若干含まれてるのは好みが分かれるかな。僕は結構好き。超常の力で何かを為すならば相応の痛みが伴うのだ。
モザイクかけられる系ヒロイン。(一応美少女。)
セイトカイザー公式ホームページすき。
登場キャラだとお姉さんキャラの常葉さんが一番好きかな。一番表情が豊かなキャラクターで、普段はほんわかした人なんだけど時折見せる冷たい目が最高。
保険のシロサキ先生も口調が軽々しくて好きなキャラっすよ!
あと生徒会長の木下さんもロリコンだけど頭が切れてかっこいいので好き。
生徒会長の咆哮。
様々な要素が詰まったおもちゃ箱のような作品だけど、僕はこのお話を青春群像劇だと解釈する。彼らの青春は確かにそこにあった。一風変わったノベルゲーを読みたい人におすすめしたい作品。
1980円、プレイ時間約50時間
プレイした日2020/10/15~2020/12/01