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遊んだゲームの感想なんかを書き残していこうかと思っています

「ルドー」紹介

言うほど虚無ではなくない…?

 

「ルドー」とは、「世界のアソビ大全51」に収録されているゲームの一つで、クラシックなすごろくゲームである。インド発祥イギリス育ち。

その運ゲーっぷりとプレイヤー介入要素の少なさ、なかなか終わらない地獄の耐久戦になることから「虚無」「やばい」「賽の河原」「早く終わってくれ」等散々な評価を受けた作品である。

しかしながら、個人的には良作とはいかないまでも独自の面白さはしっかり持っている作品であると感じたので、少しは擁護したい気持ちにもなり今回感想を書くことにした。

また検証にあたってフレンドの皆さんにご協力いただき、待望のルドー4人戦まで実現した。遊んでくれたみんなありがとう!そしてごめんなさい!

 

ルドーを…始めるどーwwwww

 

ルールは簡単!すごろく形式でサイコロ振ってボードをぐるりと回り、4つの駒を先に全てゴールさせた人の勝ち!プレイヤーはそれぞれ四隅からスタートし、一周した先のそれぞれのゴールを目指すわけね。6が出るともう一回サイコロを振れるというお楽しみもあるぞ!

ただし、スタート地点から駒を出撃させるにはサイコロで6を出す必要がある。6を出さないとそもそもスタートできないのだ。「終わらねぇ!」問題の前にまず「始まらねぇ!」問題が立ちはだかるのだ。

一応オプションで、駒が一個も出てない場合はサイコロ振らずに出して良い、とかサイコロの試行回数を増やす、とか設定してスタートの厳しさを緩和することは可能。

最大の特徴は、相手の駒と同じマスに止まると相手の駒をスタートに戻せること。このゲームを終わらなくしている元凶である。相手の努力を無にできるという黒い快感があると同時に、自分もやられるリスクがあるという恐怖が常につきまとう。また相手を損させるだけで自分が得するわけではないため、場全体の利得はマイナスとなる。このせいでなかなかゲームが終わってくれないのだ。

さらに追加のオプション設定として「ブロック」ルールが存在。個人的にはONがおすすめだ。これをONにすると駒を飛び越えることができなくなり、相手の駒より先に進むためには相手の駒をスタートに戻す必要が生まれる。このルールがあると、相手を足止めするためにあえて動かさない駒を作るとかして嫌がらせできるから楽しいぞぉ(ゲス顔)

 

ルドーに勝利。

このゲームの一番人を選ぶところは「プレイヤーの介入要素が少ない」ことだよなぁ。プレイヤーにできることは動かす駒を選ぶことくらいで、後は黙々とサイコロを振り続けるだけである。それでいて終わるまでに40分くらいはかかるので、だんだん勝ちとか負けとかどうでもよくなってくる。「ゲームを終わらせる」という目的の為にプレイヤーの心が一体化していくのだ。

ボードゲームパーティゲームの本懐を「場を盛り上げる、あっためる」と定義するなら、今作はきっと落第なんだとは思う。だってこのゲーム遊んでるとなんか変な空気になるもん!だけど、それだけでこの作品を「虚無」であるとしてしまうのはもったいないと僕は感じる。

根本的な話として、すごろくの楽しさを底から支えてるのは乱数の生成だ。サイコロ振って結果に一喜一憂するというところに根源的な面白さが存在している。「極まると運ゲーになる」というのもよくある話である。今作はただ、ちょっぴりその極まっちゃうのがバカ早いだけである。

また、娯楽を楽しむ上で肝要なのは「感情の共有」である。嬉しい、悲しい、苦しい。相手の気持ちを感じる、心を分かち合う、それにこそ、一見無駄にも思える「遊び」という行為の本質があり、人間という生命への賛歌がある。そう、みんなで苦しむのは楽しいのだ!

おすすめはしない!けど、決して虚無ではない作品だと僕は思う!あと遊ぶなら僕を誘ってください!

 

4378円、プレイ時間約10時間

プレイした日2021/08/05~2021/12/31

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